「使いやすさ」「価格」「精度」、どれを取ってもパフォーマンスが高いです。
そこで今回は、A1を徹底的にレビューしました。
この記事で分かること
・ A1miniとの違い
・ A1の注意点
Bambulab A1について
Bambulab A1は、個人向けデスクトップ3Dプリンターです。細かい調整は一切不要な上、マルチカラー機能や、高精度なプリントができる機種となっています。
一回りワークサイズの小さいA1 miniもあります。
関連記事:A1 mini combo(AMS Lite)を徹底レビューした!
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Bambulab A1の特徴【5選】
① 高品質な仕上がり
特徴の1つ目は「高精度・高品質な仕上がりになる」という点です。
プリントした作品は、とても仕上がりが良く、品質への不満は、ありませんでした。
理由の1つに「頑丈なハードウェア」という点があります。金属性の頑丈なガントリーフレームとなっており、触ってみると分かりますが、ガタツキは全くありませんでした。
前後に動作するビルドプレートは、手で揺らしても全くブレません。
「そんなの当たり前じゃん」と思う方もいるかもしれませんが、意外とガタつく3Dプリンターも存在します。
また、スライサーソフトは「Bambu Studio」というソフトが推奨されています。しっかり作り込まれています。
このソフトは、3Dプリンターに詳しくない方でも、簡単に使えるようにテンプレートが準備されています。
テンプレートのバリエーションは多く、0.08mmや0.32mmの積層ピッチといった、たまに使うようなテンプレートも用意されています。
↓の写真は、レイヤー0.08mmのテンプレートを使ってプリントしたものです。表面がかなり滑らかになっています。
テンプレートを改変せずに、高いクオリティの造形物をプリントできます。
② マルチカラープリントができる
特徴の2つ目は「マルチカラープリントができる」という点です。
Bambulabと言ったらマルチカラーが有名ですよね。AMS Lite↓というオプション品を連携すると、マルチカラープリントをすることができます。
AMS Liteは、単体購入も可能ですが、セットになったComboは、お得に購入することができます。
色付けはBambu Studioで行えます。塗り絵感覚なので、面白いです。
マルチカラープリントは、作品に立体感が出るので、見た目も全く違うものになります。
Bambu Studioの使い方については、↓の記事も参考にしてください。
③ 造形エリアが広い
特徴の3つ目は「造形エリアが広い」という点です。
A1のプリントエリアは、幅256mm、奥行き256mm、高さ256mmあります。
よくある家庭向け3Dプリンターでも、幅220mm、奥行き220mmありますが、それよりも一回り広い空間になっています。
A1miniという機種もありますが、180mm × 180mm × 180mmなので、かなりサイズ差がありますね。
A1miniは、実際に私も使っていてエリア内に収まらないことがよくありましたので、迷う場合はA1の方が安心できると思います。
Bambulabでは、他にも「P1S」や「X1カーボン」などがありますが、これらも256mm × 256mm × 256mmで、A1と同じサイズになっています。
プリント可能サイズは、後悔することもあるので、しっかりチェックしておきましょう。
④ 音が静か
特徴の4つ目は「音が静か」という点です。
A1は、アクティブモーターノイズキャンセリングと、サイレントモードで、48dB以下の騒音量(カタログ値)になるようです。
音量を計ってみたところ、さすがに48dB以下は難しかったですが、およそ「56dbから63db」でした。かなり静かです。
加えて、エンクロージャーで密閉してみた場合では「50dbから58db」くらいになりました。さらに音量を軽減することができました。
夜間中にプリントしたい、音に気を使いたい場合には、エンクロージャーはおすすめです↓。
A1をエンクロージャーに入れてみましたが、いい感じにおさまりました。
ただ、スペース的にAMSライトを横に置くことはできませんので、トップマウントキットを取り付けると良いでしょう。
トップマウントキットは、AMSライトをプリンターの上に取り付けることができるキットです。
スペースを有効活用することができます。メーカーズワールドでキットデータをダウンロードできますので、手軽にカスタマイズできます。
⑤ 失敗が少ない
特徴の5つ目は「失敗が少ない」という点です。
私の経験上、これまでの3Dプリンターはたくさんの失敗がありました。例えば、プラットフォームから造形物が剥がれてしまったり、逆にくっつきすぎてしまったりといったものもあれば、ノズルが壊れてしまうという失敗もありました。
ところが、A1miniやA1では失敗が起きにくいと感じます。
もちろん、全く失敗がないわけではありませんが、適正な準備・設定をすれば、かなり減らせると思います。
A1のスペック・仕様
A1とA1 miniを比較した表です↓
項目名 | A1 | A1 mini | |
① | 最大造形体積(W*D*H) | 256*256*256 mm³ | 180 x 180 x 180 mm³ |
② | ホットエンド | 全金属 | 全金属 |
③ | ノズル | ステンレススチール | ステンレススチール |
④ | ホットエンド最高温度 | 300℃ | 300 ℃ |
⑤ | ノズル直径 | 0.4mm(付属)、0.2mm、0.6mm、0.8mm | 0.4mm(付属)、0.2mm、0.6mm、0.8mm |
⑥ | 対応ビルドプレート | Bambu テクスチャード PEI プレート (付属)Bambu スムーズPEIプレート | Bambu テクスチャーPEIプレート Bambu Smooth PEIプレート |
⑦ | ビルドプレートの最大温度 | 100℃ | 80℃ |
⑧ | ツールヘッドの最高移動速度 | 500mm/s | 500 mm/s |
⑨ | ツールヘッドの最大移動加速度 | 10000m/s² | 10000 mm/s² |
⑩ | PLA、PETG、TPU、PVA | 推奨 | 推奨 |
⑪ | ABS、ASA、PC、PA、PET、 カーボン/ガラス 繊維強化ポリマー |
非推奨 | 非推奨 |
⑫ | 監視カメラ | 低レートカメラ (最大1080P) タイムラプス対応 |
低レートカメラ (最大1080P) タイムラプス対応 |
⑬ | フィラメント切れ検出センサー | 有り | 有り |
⑭ | フィラメントオドメトリー | 有り | 有り |
⑮ | 停電復帰 | 有り | 有り |
⑯ | フィラメント絡み検出センサー | 有り | 有り |
⑰ | 外寸 | A1 : 385 x 410 x 430 mm³ 、パッケージサイズ: 596*536*325 mm³ 、正味重量 8.3 kg 、総重量 13 kg A1 Combo : パッケージサイズ 560×540*430 mm³、総重量 (AMS lite含め) 13.5 kg |
347 x 315 x 365 mm³、重量5.5kg |
ノズル温度は、最大300℃まで出力できます。
標準のノズルサイズは0.4mmです。別途購入する必要はありますが、0.2mmや0.6mmなんかも使うことができます。
0.2mmのノズルは、かなり細かいものまでプリントできますので、これまで小さいモデルを避けていた方は、ぜひ挑戦していただきたいです。
関連記事:0.2mmノズルを使えば、超キレイにプリントできる
あとノズル交換は、六角レンチ不要で、めちゃくちゃ簡単に交換できます。慣れてしまえば、3分程度で交換することができます。
ビルドプレートの温度は最大100℃まで出力可能です。ABSやASAは非推奨ですが、例外的にプリントできると思います。この辺はまた試してみたい思います。
カメラが標準搭載されているので、タイムラプスや監視をすることができます。ただ、レートが低いのでちょっとカクカクします。
フィラメントオドメトリーですが、おそらくこれは「フィラメントがどの位置までロードしているかを検知する機能」だと思います。
Bambulab モデルキットで作品作り
今回、A1を購入したら、一緒にLEDランプキットが付いていました。
LEDランプ用の造形データは、Maker Worldサイトにあるので、そこから3MFデータをダウンロードします。
ダウンロードしたデータを3Dプリントします。デザインは2つありましたので、両方ともプリントします。
こんな感じでプリントされました。かなりキレイに仕上がりましたね。
LEDケーブルを穴に通します。LEDランプをはめ込みます。ネジの要領で回せば取り付け完了です。めちゃくちゃ簡単ですね。
電源を入れるとこんな感じで、とてもキレイです。関節照明になっているので、淡く光っています。
今回は「PLAのマゼンタ色」と「PETGのクリア色」でプリントしてみましたが、自分好みのフィラメントでプリントすれば、オリジナルのものが出来上がります。
LEDランプ以外にも、モデルキットはいくつか販売されています。以前、マウスや置時計も作ってみたので、そちらの記事も参考にしてください。
続いて、このようなおもちゃをプリントしてみました。てっぺんの軸をクルクル回すと、ボールが頂上まで送られるので、ずっと遊べます。
これはサポートを立てずにプリントしましたが、ブリッジ部やオーバーハング部は、とてもキレイに出来上がりました。
機械の精度が安定していないと、表面が荒れたりしますが、問題ありません。やはり品質がいいと思います。
また、A1 miniだとこんな感じでワークサイズがはみ出してしまいますが、A1だと収まります。広さに余裕があるので、その点も安心です。
A1の注意点
まずはセットアップが少し手間という点です。
昔に比べると、楽な方ですが、それでもネジの本数が多かったり、底面から作業しなければならないというところが手間に感じました。
ただし、迷うところはあまりないので、初心者の方でもセットアップミスはしないと思います。
セットアップ時間は大体20分くらいで完了できます。
注意点の2つ目は、コンセントが三股になっている点です。こんな感じでアース用の端子が出ています。
そのため、差し口が対応していない場合は、変換コネクターを用意しておく必要があります。