ABSの反りを解決?BASF ABS Fusion+を試した

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【ABSの反りを解決?BASF ABS Fusion+を試した】

みなさんはABSでうまく造形できていますか? ベッドの高さを必死に調整したり、ノリを大量に使用してなんとか定着させるように努力していませんか?

 

もちろんそれらを行う必要性はありますが、どうにもならない時はありますよね。

 

PLAでは問題なく造形できるのに、ABSで反ってしまうということは、やはり樹脂による影響が大きくなります。

 

今回は、ABSで反りを抑えることができる「BASF ABS Fusion+」というフィラメントを実際に試したいと思います。

 

反りやすい形状や置き方がある

そもそもFDM方式では、反りやすいモデル形状というのがあります。

 

・面積が広いモデル
・接地面積が少なく、高さのあるモデル
・充填率が高い場合

 

また「モデルの置き向き」によって解決できることがありますので、モデルを回転させ試行錯誤を行う必要はあります。

 

当然のことながら、プラットフォームなどの「機械の状態」も大きく影響しますので、うまくいかない場合は下記のトラブル事例も合わせて参考にしてみて下さい。

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これらで解決できない場合は、今回試すような「反りにくいフィラメント」を使用することになります。

 

では、「BASF ABS Fusion+」が実際のところはどうなのかを確認していきます。

 

造形テスト開始

造形する形状について

今回は、反りが出やすい「接地面積が少なく、高さのあるモデル」+「充填率が高い」ものにします。

 

形状は簡単に制作した「板」です。
通常であれば広い面を下にして寝かせますが、今回は反りを出したいので、あえて立てて造形します。

板モデル

 

通常のABSで造形

まずは「反り」が、ある程度発生する標準のABSで造形してみます。

 

一応パラメーターを記載します。

ノズル径:0.4mm
積層ピッチ(レイヤーの高さ):0.2mm
・ベッド温度:100℃
・ノズル温度:250℃
・充填率:100%

 

結果は下記の写真の通り、両端が浮いてしまいました。

ABS造形結果

充填率が100%で、設置面積も少ないため、反りあがる力が強まったと考えられます。

ちなみに上の写真は、ラフト有りで造形したものですが、ラフト無しで造形してみてもほぼ同様の結果でした。

また、ラフト無しの時には、糊(ノリ)をしっかり目に塗布しましたが、結果は変わりませんでした。それだけ収縮力が強いということです・・・。

 

ABS Fusion+で造形

では、BASFのABS Fusion+で造形を行ってみます。条件はさきほどと同じで、ラフト有りで造形します。

 

結果は下記のようになりました。ちなみにラフトは付いたままの画像です。

BASF ABS Fusion造形結果

まだマシかなというところですが、やはり端の方が反っています。
ラフト自体はベッドにしっかり定着していますが、造形物の1層目がラフトから剥がれてしまっています。

 

ということでラフトがベッドにしっかり定着しているのであれば、次はラフト無しで試してみます。

 

スライサーソフトの設定を下記のように変更します。

・1層目の流量を100%→110%に変更
・1層目の積層ピッチを0.3mm→0.28mmに変更

 

結果は下記の通りです。

BASF ABS Fusionラフト無し造形

さきほどとあまり変わらない感じです。
写真だと良く見えていますが、実際はもう少し反りがあります。

 

さらにABS Fusion+のまま、充填率を100%から10%に落としてみます。

 

結果は下記の通り。

BASF Fusion充填率10%

10%なので、中身が透けて見えています・・・。
反りが残るものの、かなり良くなりました。

 

通常のABSよりも反りは抑えられている印象となりました。

 

もう1つ造形してみる

テストする形状

さらにもう一つ、およそ200m×200m×3m程度の「面積の広い」もので造形テストをおこないました。

 

ABSでは、広い面積を造形すると角の部分が浮き上がるということがよくあります。

 

早速結果ですが、下記の写真はABS Fuison+で造形したものです。
※ラフト剥がす前

ABS Fuison+で造形

ラフトはプラットフォームにぴったりくっついており、反りは起きていませんでした。

 

また下記は、ラフトを剥がした後の写真です。

ABS Fusion+

反りは起きておらずラフトからも綺麗に剥がすことが出来ました。

 

最初に造形したものよりは、面積の広い造形物の方が効果を感じることができました。

 

ヤスリ掛けをしてみる

ABSといえばヤスリなどの後加工にも向いています。
そこで今回の板をつかって、耐水ペーパーをかけてみます。

 

結果は下記の通りです。

BASF ABS Fusion ヤスリがけしてみる

写真では良く分かりません。※これでも照明を当ててます・・;
少し解説すると、ヤスリ掛けしていない方が光沢があり、積層痕が見えやすくなっています。

 

粗さは中目の#120を使いましたが、削った感触は、よくあるABSとあまり変わりませんでした。削ったあとの滑らかさもしっかり出ており、問題はなさそうです。

 

まとめ

反りは抑えられていると感じることが出来ました。
とくに個人的には、高さのある形状よりも「面積の広い方」が、効果を感じることができました。

 

ですが当然反らないわけではありませんので、過信しすぎには注意しましょう。

 

今回レビューしたフィラメント