3Dプリンターを使う際に、このようなお悩みはありませんか?
・ どれを買って良いか分からない。
・ 便利なツールってないの?
本記事では、このようなお悩みを解消すべく、さまざまな工具、ツールをご紹介しています。
私自身、3Dプリンターのサポート・営業をしておりますので、その経験が活かせればと思います。
もし光造形の備品をお探しの場合は、↓の記事を参考にしてください。
光造形の3Dプリンターを使うには、多くの備品が必要になります。 ある程度は本体に付属されていますが、全ては揃っていないことが多いです。 そこで今回は、それらをまとめましたので、ご活用下さい。[…]
チェックリストダウンロード
備品の一覧表をチェックリストにしました。
↓にてPDFファイルをダウンロード出来ますのでご活用下さい。
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3Dプリンターで使える「おすすめ工具【11選】」も参考にしてください↓
備品
水準器/水平器
必要度数:★★★☆☆
3Dプリンターは「傾いていない場所に設置するのが大前提」です。
ノズルから出てくる樹脂は、重力の影響をうけてしまいます。せっかく作ったものがナナメになってしまうと残念ですので、心配であれば計測してから設置しましょう。
購入ポイント
置台(机)
必要度数:★★★★★
どれでも良いかと思われるかもしれませんが、机選びにはポイントがあります。
3Dプリント中は、塗り絵と同じように、場所によって「細かく塗りつぶす動作」をします。するとその振動が机に伝わり、揺れてしまいます。あまり揺れやすい机だと、作品に影響を与えてしまうことがあります。
またもう一つのポイントとして「広いもの」をオススメします。3Dプリンターに使う備品は多く、たとえば「パソコン」や「工具」、「完成した造形物」を置く場所が必要になります。
つまり、「揺れに強い」「スペースの広い」というのが購入のポイントになります。
購入ポイント
・ スペースの広いデスク。
パソコン
必要度数:★★★★★
① パソコンのスペック
1つ目は、スペック(性能)に注意するということです。
パソコンでは、モデルを「回転」させたりするので、描画能力が必要になります。
スペックが低いと、表示が遅れたり、フリーズしてしまうことがあります。
そのため「ある程度のスペックを満たすもの」を選ぶようにしましょう。
② ポートの確認
2つ目は、「ポートを確認する」ということです。
パソコン内のデータは、3Dプリンターへ転送する必要があります。
それには、LANケーブルやUSBケーブル、Wi-Fi、USBメモリなどを使います。
もしパソコンに、必要なポートが搭載されていないと、データを送ることができません。
つまり「3Dプリンターに応じて、必要なポートが搭載されているもの」を選ぶようにしましょう。
購入のポイント
(特ににグラフィックボード、メモリ)
・ 3Dプリンターに応じた、通信ポートが搭載されているもの。
電源タップ(アース付き)
必要度数:★★★★☆
① 必要なコンセントの数
1つ目は、「コンセントの数を確認する」ということです。
買ったあとに、コンセントの数が足りないというケースがあります。
コンセントが必要な機器は、↓のようなものがあります。
・ パソコン本体
・ パソコン用ディスプレイ
・ 乾燥機(フィラメントドライヤー)
前もって、必要なコンセント数を確認しておきましょう。
② アースの有無
2つ目は、「アース接続ができる電源タップを選ぶ」ということです。
アースとは、別名グランドとも言いますが、電気を外へ逃がす役割があります。
例えば「漏電」を防いだり「過電流による機械の故障」を防ぐことができます。
アースが付いている電源タップを選ぶようにしましょう。
購入のポイント
・ アースに対応しているもの
3P→2P変換アダプタ
必要度数:★★★★☆
電源ケーブルの、電源棒が3本になっているものがあります。
そのまま差せない場合は、3P→2P変換アダプタが必要です。
フィラメント保管ボックス
必要度数:★★★★☆
材料であるフィラメントは「湿気に弱い」です。
一度でも開封したフィラメントは、密閉されたところに保管する必要があります。
フィラメントが複数ある場合は、「ボックス」を用意しておくと良いでしょう。
また、フィラメントの保管方法について知りたい方は↓の記事もごらんください。
3Dプリンターで、こんな悩みはありませんか? ・ 仕上がりが良くない。 ・ 糸引きが多い。 ・ フィラメントがパキパキ折れる。 ・ フィラメントが湿気ている。 それは「フィラメントの防湿・乾燥・保管方法[…]
購入のポイント
・ たくさん入るもの
圧縮袋
必要度数:★★★☆☆
下のようにフィラメントと乾燥剤を袋に入れ、掃除機で空気を抜きます。
真空に近い状態になるため、長期間保存することができます。
購入のポイント
乾燥剤(シリカゲル)
必要度数:★★★★☆
ジップロックや、保管ボックスに一緒に入れて使います。
PPやPLAなどの吸水性の低いフィラメントの保管などに使われます。
強力乾燥剤
必要度数:★★★★☆
こちらは、乾燥剤(シリカゲル)よりも高い効果があります。例えば、ナイロンやカーボン・PVAなどの吸水性が高いフィラメントに使うと効果的です。
購入のポイント
・ 長期間保管する場合
強力乾燥剤(KING OZO-Z)について、検証も行いましたので参考にしていください↓
保存・保管で、こんなお悩みはありませんか? ・ カビ、錆(サビ)、腐食が起きやすい。 ・ 品質がすぐに悪くなってしまう。 心当たりのある方は「除湿」がうまくできていないかもしれません。 […]
フィラメント防湿ボックス
必要度数:★★☆☆☆
通常、プリント中は「むき出しの状態」です。
ボックスからフィラメントをチューブに通せば、防湿しながらプリントすることができます。
乾燥ボックス(フィラメントドライヤー)
必要度数:★★★☆☆
防湿ボックスと違い、ヒーターで温風を循環することができます。
それにより、高い防湿効果を得ることができます。
PVA、ナイロンなどは、常にこのボックス内にセットして使用することをオススメします。
また「Tiertime Filament Dryer PRO」をレビューしましたので、参考にして下さい。
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購入のポイント
・ フィラメントをセットできる個数に違いがある。
ゴミ箱
必要度数:★★★☆☆
造形を始めると、結構ゴミがでます。例えば・・・
・ 失敗作
・ ラフト
・ サポート材
そうするとゴミ箱がすぐにあふれてしまいます。
特にビジネスとして使われる方は、「容量の大きめ」のものを準備すると良いでしょう。
工具一式
スクレーパー
必要度数:★★★★★
スクレーパーを選ぶ際は、先端が鋭利になっているものを選ぶことをオススメします。
鋭利になっていないと、造形物とテーブルの隙間にスクレーパーが入り込めずに、剥がれないことがあります。
スクレーパーの選び方を↓にまとめましたので、合わせてご覧ください。
今お使いのスクレーパーに不満はありませんか? 今回は、3Dプリンターで使う「スクレーパーの選び方」についてまとめましたので、少しでも参考になれば幸いです。 スクレーパーとは? ス[…]
購入のポイント
・ グリップがにぎりやすいもの。
ソルダーエイド
必要度数:★★★★☆
手では届かない場所だったり、なかなか剥がれない時にこの工具を使用します。
バリを削ったり、引っかかっているところにアクセスするのに便利です。
購入のポイント
トンカチ/ハンマー
必要度数:★★★★☆
スクレーパーの、柄の後ろ側を打ち付けて使います。
軽く打ち付ける程度なので、重い物である必要はありません。
購入のポイント
ピンセット
必要度数:★★★★★
先端が湾曲しているタイプよりも、ストレートタイプの方が、使い勝手が良いです。
購入のポイント
ラジオペンチ
必要度数:★★★★☆
特にメンテナンスによく使います。
軽くて、グリップのにぎりやすいものを選ぶようにしましょう。
購入のポイント
・ にぎりやすいもの。
メガネレンチ/スパナ
必要度数:★★★☆☆
ノズルは、製品によってサイズが異なります。そのため、購入する前には確認しておく必要があります。もし分からない場合は、いろいろなサイズがセットになったものをチョイスするようにしましょう。
↑写真は、6mmの例。
また樹脂タイプものがありますが、ノズルは高い熱を帯びますので、金属製ものが良いです。
購入のポイント
・ 耐熱用のもの。
・ にぎりやすいもの。
・ 重すぎないもの。
精密ニッパー
必要度数:★★★★☆
バリ取りに重要なポイントは「刃の精度」です。安すぎるニッパーは刃のかみ合わせが良くない傾向にありますので、ある程度よいものを購入しましょう。
おすすめとしては、「エッジニッパー(MEN-115)」という工具です。
理由としては、先端がフラット形状になっているので、バリに対してスキマなくアプローチすることができます。またストロークが少し長めなので、奥まった場所へアクセスしやすくなっています。
エッジニッパー(MEN-115)をレビューしましたので、↓をご覧ください。
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購入のポイント
・ にぎりやすいもの。
・ 重すぎないもの。
六角レンチ一式
必要度数:★★★★☆
3Dプリンターをメンテナンスする場合は、作業スペースがせまいので、柄が短いものを選ぶのがポイントです。また六角ビスは、いくつかのサイズに分かれていますので、各サイズが揃っているものを選ぶと良いでしょう。
おすすめとしては、「ベッセルのL型六角レンチ」です。
このレンチは、サイズによって色分けされているので、取り違いを防ぐことができます。またボールポイントが採用されているので、ナナメからビスに挿入することができます。
↓六角レンチの選び方をまとめていますので、参考にして下さい。
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購入のポイント
・ サイズが揃っているもの。
モンキーレンチ
必要度数:★★★☆☆
ヒーターブロックをモンキーレンチで挟んで、ノズルを取り外します。
ラジオペンチでも良いですが、モンキーレンチの方が部品を傷つけずに作業ができます。
またレンチが厚すぎると、部品を挟めないことがありますので、薄いタイプもオススメです。
購入のポイント
・ にぎりやすいもの。
紙ヤスリ(耐水ペーパー)
必要度数:★★★☆☆
耐水ペーパーは、紙ヤスリと比べて、以下のメリットがあります。
・ 摩擦熱を持ちにくい
・ 目詰まりしにくい
手ごろなサイズにカットされている製品が売っていますので、おすすめです。
購入のポイント
・ 手ごろなサイズが使えるもの。
↓いろいろな樹脂を、耐水ペーパーで削ってみましたので、参考にしてください。
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リューター(ルーター)
必要度数:★★★☆☆
やすりなどの手作業は、負担がかかりますが、リューターであれば電動なのでラクに行うことができます。多くの数の加工や、バリ取りをラクに行いたいという方には最適です。
おすすめは「Ginelsonの5段変速ミニルーター」です。
おすすめの理由としては、
・ 使い方がカンタン。
・ コンパクトサイズ。
・ 研磨、切断、穴あけなど一通りが問題なく使える。
・ 5段階変速、ケーブルレス、LEDライト付き。
このように、初心者向けの商品と言えます。
「Ginelsonの5段変速ミニルーター」を実際に試してみましたので、参考にしてください↓
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スポンジやすり
必要度数:★★★☆☆
ノズルの先端を、ワイヤーブラシでガシガシ掃除すると、ケーブルや部品が破損することがあります。
スポンジやすりであれば、力の加減ができます。
大きすぎず、手ごろなサイズを使いましょう。
購入のポイント
精密プラスマイナスドライバ
必要度数:★★☆☆☆
たとえば、基板のとりつけに、精密ネジが使われていることがあります。
購入のポイント
その他の備品
糊(ノリ)
必要度数:★★★★☆
樹脂の種類やプラットフォームテーブルの状態によっては、造形物が浮いてしまう事があります。
テーブルから浮かない手段のひとつにノリを塗ることがあります。
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購入のポイント
プラットフォームシート
必要度数:★★★☆☆
機種によってサイズが異なりますので、確認する必要があります。
丁寧に扱えば、数回~数十回ほど使うことができます。
購入のポイント
PPテープ
必要度数:★★☆☆☆
PPは、通常のプラットフォームテーブルでは定着してくれません。
同じ素材であるPPシートをテーブルにはって使います。
養生テープ
必要度数:★★☆☆☆
PLAやフレキシブルフィラメント(ゴム系)を定着させるために使われます。
購入のポイント
スキージー(フィルム用ヘラ)
必要度数:★★★☆☆
スキージーを使うと、気泡が入りにくくなります。
まとめ
3Dプリンターで使う備品は多いので、全てそろえる必要はありません。
まずは実際に使ってみて、必要に応じて買い足せばよいと思います。
今後も便利に使えるツールがあれば、随時更新していきたいと思います。
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