
その種類によって、どのような違いがあるのかが気になりましたので、いろいろと試してみました。
ビルドプレートの世代について
ビルドプレートは、いくつかの種類が販売されています。今回は、Bambulabが提供しているプレートを使っていきます。

今は、第2世代の3Dプリンターが主流です。たとえばH2DやP2Sといった機種はこれにあたります。
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また、A1やP1S機種は、第1世代になりますね。この世代によってプレートが若干異なります。
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例えば第2世代では、プレートにこのような↓QRコードが使われていて、カメラで読み取れるようになっています。

このQRコードで、スライスソフトと、実際に取り付けられているプレートの種類に違いがないかを確認しています。
もし不一致が検出された場合は、こんな感じ↓で警告メッセージでお知らせしてくれます。

ですが、プリントできないわけではなく、「これを無視して再開ボタン」をタップすると、プリントを進めることも可能です。
プリント失敗を未然に防いでくれる機能があるのはいいですね。
ちなみに、第1世代のプレートは、第2世代のプリンターで使うこともできます。ですが、第1世代のプレートにはQRコードがありませんので、この機能を使うことはできません。
ビルドプレートの種類をご紹介
テクスチャPEIプレート
では最初は、ご存知の方も多いテクスチャPEIプレートです。
最近では、多くの3Dプリンターに搭載されています。汎用性がとても高いプレートです。

ステンレス板にPEIパウダーがコーティングされていて、表面はザラザラとした独特の質感があります。
造形物の底面に、プレートの模様が転写されるのが特徴的です。プリントしてみると、こんな感じですね↓。

最大のメリットは、接着剤を塗らなくても、定着してくれる点です。
また、ABSやPC、PAなども剥がれにくくすることが可能です。ただ、モデルの大きさ、形状、密度によっては、接着剤が必要となる場合がありますので、注意です。
関連記事:【3Dプリンター】おすすめのスティックのりはどれ?
テーブルの熱が30度くらいまで下がると、自然に剥がれてくれます。プレートを軽く曲げれば「パコ」っとカンタンに外れるのもいいですね。

逆に、冷めない状態で剥がそうとすると、中途半端に剥がれてしまうので注意です。
スムースPEIプレート
続いてはスムースPEIプレートです。
これもポリエーテルイミドが主成分となっていて、表面をコーティングしています。

表面がフラットになっていて、ツルツルとした質感が特徴的です。このプレートを使うと造形物の底面もツルツルに仕上げることができます。

造形したパーツ同士をはめ合い、勘合したい場合は、テクスチャ模様はいらないので、その場合は、スムースPEIプレートの方が向いています。
PLAフィラメントは、接着剤なしでいけますが、PETGやABSなどを使う時は塗る必要があります。
こんな感じで、プリントするエリアにまんべんなく塗れば大丈夫です。

ただ、のりを塗ると、底面には、うっすらと「糊の痕」がくっついてしまっています。造形物を洗浄する必要があるのがちょっと面倒です。

また、プレートの方は、糊の層ができてしまうので、たまに水で洗い流す必要があります。温かいお湯で流せば簡単に落とすことができます。

こういったこともあり、PLAフィラメント以外でプリントする場合は、テクスチャPEIプレートの方が手間が少なくて楽です。
ちなみに、Bambulabではスティックのりが販売されていて、価格も安いので手軽に購入できます。
また、スティックのり以外にも「液体のり」も販売されています。液体のりは、スティックのりよりもまんべんなく塗れるのが特徴的です。
スティック糊よりも定着力が向上するようですが、後ほど試してみたいと思います。
エンジニアリングプレート
続いてはエンジニアリングプレートです。
こちらも表面は滑らかで、やや光沢があり、スムースPEIプレートに似ています。

このプレートの特徴は、ABS、ASA、PC、PAといったエンジニアリングプラスチックを使う際に向いているようです。
こちらも後ほど試してみたいと思います。
クールプレート・スーパータック
続いてはクールプレート・スーパータックです。
このプレートはPLA、PETGのプリントに特化しています。
PLAなら、わずか40度の低温設定でも「がっちり定着」できるようです。表面のコーティングが他のプレートより少し柔らかいため、スクレーパーで傷がつきやすい点には注意が必要です。
サイズの大きい造形物や特殊形状をプリントする際には、このプレートはいいかもしれませんが、他のプレートでもPLAはある程度安定してプリントできるため、あえてこれを使う理由はあまりないかもしれません。
3Dエフェクト転写シート
最後は3Dエフェクトシートです。
レーザー技術を使って加工された様々な模様が、シートの表面に移っています。

ダイヤモンドマーク、星マークといった模様を、モデルの底面に転写することができます。光の角度で色が変わるので、デザイン性を求める場合にはとても効果的です。

主にPLAやTPUでの使用が推奨されています。
転写シートについては過去使ったことがありますので、こちら↓の記事も参考にしてください。
【検証】反り・浮きを抑えるプレートはどれ?
それぞれどれくらいの定着力があるのかを試していきます。
今回使う3DプリンターはBambulab P2Sです。
関連記事:Bambulab P2Sってどんな機械?
テクスチャPEIプレートを試す
まずはテクスチャPEIプレートで、四角いブロック形状のものをプリントしてみます。

樹脂はABSを使い、充填形状は直線で、充填密度を80%にします。反りが発生しやすい条件になっています。
結果はこんな感じです↓。糊を塗っていない状況で、ここまで浮かないのは、かなりいい出来だと思います。テクスチャPEIプレートのザラザラなのも、うまく食い込んでくれたのかもしれません。

他の形状をPLAでプリントしてみても、反り・剥がれるなど問題ありません。テクスチャ模様もいい感じです。

スムースPEIプレートを試す
続いて、スムースPEIプレートでも、同じ形状を試してみます。
ABSフィラメントでプリントする場合は、糊が必要になります。均一に塗るために、プレートをやや温めてからプリント範囲に塗布します。

結果はこんな感じです↓。端がやや浮いていますね。やや反ってしまっています。

テクスチャPEIプレートと比較すると、こんな感じです。テクスチャPEIプレートの方が浮きが少ないことがわかります。

エンジニアリングプレートを試す
では続いて、エンジニアリングプレートでプリントしてみます。
Bambulabの「液体糊」を使ってみます。液体なのでシャバシャバです。

以前使った「Magigoo」も液体のりでしたので、それと同じです。
プリント範囲に塗っていきます。スティック糊よりも塗りやすいですね。

それでは、プリントした結果はこんな感じです↓。かなり反っています。プレートから浮いたことで、層が歪み、全体が傾いています。液体糊の方が定着効果が高いということでしたが、そうでもないのでしょうか。

ということで、エンジニアリングプレートでもスティック糊で試していきます。

結果はこんな感じ↓。液体糊よりも、浮きが抑えられているように見えます。比較してみると、液体のりの方が浮いていますね。

スティックのりの方が粘性があるので、うまく樹脂が食いついている気がします。
では、すべてのプレートの結果も見比べてみます。テクスチャPEIが一番浮いていませんね。収縮が強くなる形状の場合でも、このプレートが良さそうです。

その次がエンジニアリングプレートのスティック糊です。浮きは少ないですが、滑らかな表面だと定着力が落ちてしまうのかもしれません。

その次がスムースPEIのスティック糊、エンジニアリングプレートの液体糊という順番でした。

少し意外な結果でしたが、最も普及しているテクスチャPEIプレートは、浮き・反りがしっかり対策されているプレートなんですね。

