Creality Hi Comboってどんな機械?オープンフレームでマルチカラー対応!

CES 2025のイベントで、「Creality Hi Combo」という3Dプリンターが発表されました。

 

オープンフレームタイプで、マルチカラーに対応した製品になっています。

 

これまでの技術力が終結している製品なので、これから購入を考えている方は、検討してみましょう。

 

 

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本記事は、動画で視聴することもできます。

 

 

Creality Hiの仕様・スペック

仕様・スペック表となります。

 

項目 数値
3Dプリンターの寸法 409 × 392 × 477mm
プリント可能サイズ 260 × 260 × 300mm
パッケージ寸法 650 × 460 × 240mm
パッケージ寸法(Combo) 650 × 460 × 560mm
プリンター総重量 11.58kg
プリンター総重量(Combo) 19.14kg
押出機構 ダイレクトドライブ押出機
フレーム アルミ合金
フィラメントの最大数 CFSなし:1
CFSあり:最大16
最大プリント速度 500mm/s
通常プリント速度 300mm/s
最大加速度 12,000mm/s²
最大ノズル温度 300℃
最大ビルドプレート温度 100℃
使用可能フィラメント ハイパーPLA/PLA/PETG/ABS/PLA-CF
監視カメラ
フィラメント切れセンサー
フィラメント絡まり検出
入力シェーピング
照明キット
ノズルタイプ 3種混合ノズル(チタン/銅/硬化スチール)
ノズル径 標準0.4mm(0.6/0.8mmに対応)
レベリング調整 フルオートレベリング
UI言語 英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、トルコ語、ロシア語、日本語、中国語
ファイル転送 USB/WiFi
ディスプレイ画面 3.2インチカラータッチスクリーン

※出典:Creality 公式

 

 

CFSの特徴

まずは、Creality Hi Comboに同梱されているCFSについてご紹介します。

 

マルチカラー 専用サポート材 を使うなら、必ず必要になる装置です。

 

マルチカラー(多色)プリントができる

CFSは、マルチカラー・マルチフィラメントに対応しています。

 

CFS(Creality Filament System)というオプション品を併用すると、最大16色のマルチカラープリントをすることができます。※ただしCFSが複数台必要。

 

他のメーカーであれば、最大4色や8色という機種もありますが、Creality Hi Comboであれば16色までOKです。

CFS

 

昔の3Dプリンターでは、動作を一時停止しフィラメントを差し替えないと、色を変えることができませんでした。しかし、CFSを併用し配色をすれば、自動で多色プリントをすることができます。

 

また、専用サポート材を併用することで、これまでよりも精度の高い「サポート造形」をすることができるようです。

 

RFID対応

CFSは、RFIDに対応しています。

RFID_CFS

 

RFID(無線周波数識別)で、フィラメントの情報を管理することができます。

 

フィラメントのボビンにはタグが取り付けられており、非接触での情報管理が行えます。このRFIDのおかげで、フィラメントの色・種類を、スライサーソフトと同期することができます。同期することで、よりシームレスにマルチカラープリントをすることができます。

 

昔の3Dプリンターでは、気づかずに誤ったパラメーターのままプリントしてしまうこともありました。しかし、このRFID機能があれば、迷うことがなく、失敗を減らすことができます。時間のロスを減らせるのは、とてもメリットかなと思います。

Creality Print6.0

 

 

ロード・アンロードしなくていい

CFSがあると、手動でロード・アンロードをする必要はありません。

 

一般的な3Dプリンターは、フィラメントをノズルまで送り込む作業が必要です。これが手間で、スロートチューブにフィラメントを通し、ノズルから材料が排出されたかをチェックする必要があります。

手動ロード・アンロード

 

ところが、CFSを使うとこの作業が不要になります。

 

もちろん、CFSの挿入口にフィラメントを差し込む必要はありますが、それをすれば、あとは自動で送り込みや、フィラメントカットをしてくれるので、とても楽です。

CFSフィラメントロード

 

個人的には、これだけでも、とても価値があると思います。

 

フィラメントスイッチ

CFSは、材料切れを起こしても、代替え(バックアップ)機能があります。

 

同じフィラメントをセットしておけば、材料が切れてしまった場合でも、自動で別のスプールにスイッチしてくれます。そのため、材料切れによる、プリント停止を回避することができます。

 

防湿機能

CFSは、防湿機能が搭載されています。

 

CFS内には、シリカゲルをセットするスペースがあるので、吸湿をすることができます。プリントしていない時でも、保管庫になるのもいいですね。

シリカゲル_防湿_CFS

 

また、カバーを閉めた時に隙間ができないように、ゴムパッキンが取り付けられています。密閉性はかなり高いですね。

CFSゴムパッキン_密閉性が高い

 

スライド式のックが付いていて、ボビンがあばれても、カバーが開いてしまうことは防げそうです。

CFSスライドロック

 

デジタル式の湿度計が付いてます。庫内の環境を確認することができます。

CFS_温湿度計

 

Creality Hiの特徴

ここからは、Creality Hi(本体)の特徴をご紹介していきます。

 

実際に使ってみた感じ、性能面はしっかり進化していました。

 

多種類のフィラメントに対応

多種類のフィラメントに対応しています。

 

Creatliy Hiでは、ハイパーPLA/ABS/PLA-CFに対応しています。

 

ノズルはCreality 独自のユニコーンノズルが使われています。硬化鋼が使われていて、PLA-CFフィラメントも使えます。

 

ユニコーンノズルは、K1Cにも使われていましたが、Hiの方がストロークが長くなっていました。スピード対策もされていますね。長さは違うので、残念ながら互換性はないようです。

Creality Hiユニコーンノズル

 

あと、ノズルを取り外しするには、工具を使います。ストロークが長い分、やや面倒でしたが、取り外し時間は10分から15分程度でしたので、特に問題はなさそうです。オプションで0.6mmや0.8mmも使えるようですので、こだわりたい方は交換すると良いでしょう。

Creality Hiノズル

 

ハイパーPLAフィラメントに対応しています。

 

PLA-CF(カーボン)に対応しています。

 

ただ、ABSについては、プリントするモデルの大きさ・形状によって良し悪しがありますので、注意が必要です。

 

アルミ合金のフレーム

Creality Hiは、アルミ合金のフレームになっています。

 

オールメタルボディなので、耐久度が高く、衝撃に強い構造になっています。また、重量があることで、揺れも最小限に抑えられ、高速プリントにも耐えられるようです。

 

フレーム・土台はしっかりしていて、揺らしてもガタつきは全くありません。

Creality Hi combo_メタルボディ強度・剛性

 

また、重量は8.75kgありますので、やや重めです。以前より販売されているEnder 3 V3は7.8kgでしたので、1kgぐらい重くなっています。重量があると、プリントが安定します

 

アクティブ入力シェーピング機能を搭載していて、振動を自動検知し、補正をしてくれます。しっかりと仕上がりが良くなる対策がされています。

 

組み立てがカンタン

開梱時の組み立てが簡単になっています。

 

Creality Hiは、初期セットアップがとても簡単で、すでに全体の95%は組み立て済みとなっているようです。7本のネジを留め、配線をおこなうだけで完了します。

 

例えば、以前の機種では、こんな感じ↓で、からネジ止めするのが一般的でした。これがかなり面倒でした。

その面からねじ留め

 

しかし、Creality Hiでは、地べたに置いた状態でもネジ止めができますので、楽に組み立てをすることができます。

 

優れた静音性

動作音が静かになっています。

 

試しに計測してみると、およそ63dbから65dbくらいでした。抑えられていますね。

Creality Hi 静音性_騒音量

 

ちなみに、Ender-3 V3では70db前後の音がありましたので、それよりも抑えられているようです。

 

また機器を、エンクロージャーに入れて動作させたところ、およそ57dbから59dbまで抑えることができました。エンクロージャーの効果は大きいですね。

 

ちなみに、後付けエンクロージャーに入れてみると、こんな感じ↓になります。エンクロージャーの横にCFSを置くことができました。

 

こうすると、防音しながらマルチカラープリントをすることができます。ただ、本体とCFSを接続するケーブルが短かったので、小さい穴を開けて接続しました。

 

またエンクロージャーがあると、ABSなどの反りやすいフィラメントもプリントできますので、メリットは大きいです。

 

カメラ搭載

標準で、カメラが搭載されています。

 

カメラが搭載されており、離れた場所からでもプリント状況を、映像で確認することができます。

 

また、タイムラプスにも対応しています。タイムラプスは、一定間隔で撮影された写真をつなぎ合わせて作られますので、動画とは少し違う映像を残すことができます。

 

プライバシー保護のため、カメラキャップも付いているようですね。

 

入力シェーピング機能

Creality Hiは、入力シェーピング補正を利用することができます。

 

入力シェーピング(インプットシェーピング)とは、どれくらいの揺れが発生するかを検出し、その振動を打ち消すための相殺補正を入れる処理です。それにより、リンギング(振動で発生する波状の模様)やゴースティングを抑える効果があります。

 

性能の高い押出機

エクストルーダーは、金属製となっています。

 

エクストルーダーは、金属製のため耐久度が高い仕様のようです。

 

押出機にはランアウトセンサーが搭載されており、フィラメント切れや破損・状況をチェックできるようになっています。

 

 

色々なモデルをプリントしてみた!

ここからは、Creality Hiでプリントしたものを紹介します。

 

ここからは、実際にプリントしたものを見ていきます。

 

3DBenchy

まずは、3DBenchyをマルチカラープリントしました。オーバーハング部はかなりキレイに積み上げられていて、ヨレやシワのようなものは全くありません。色の継ぎ目も問題ありませんね。

 

個人的には、以前のV3シリーズと比べて、仕上がりが格段に良くなっていると感じました。品質が良いと、失敗する確率も下がりますので、かなり重要なポイントだと思います。

 

ピンボード・ピンアート

続いては、このようなピンボードプリントしました。

ピンボード・ピンアート

 

下から手で押して、その部分が浮き出てきます。1つ1つが小さい筒状のピンになっています。

ピンボード・ピンアート

 

完成直後は滑らかにいきませんが、ひととおり固まっているのをほぐしたら、良い感じに浮き上がってくれました。こういった細かいものをプリントできるということは、精度が高いからですね。

 

大き目のボール

続いては、大きめのボールをプリントしました。これも、結構いい感じにできました。

3Dプリンターでボールをプリント

 

レイヤーピッチは0.28mmで、およそ22時間くらいかかりましたが、高速プリントなので早いです。また、造形サイズは最大260mm×260mm×300mmまでのものをプリントできます。

 

今回は、サポート部を立ててプリントしました。剥がすのがやや大変でしたが、フラットニッパーを使って剥がすことができました。

 

CFSにサポート専用フィラメントを使うと、もっと簡単に剥がすことができるはずです。また別の機会に試してみようと思います。

 

Creality Hi Comboの注意点

使用時の注意点をまとめます。

 

ゴミが出る

色を切り替えるたびに、フィラメントのロード(試し出し)が行われます。

 

その度に、フィラメントのカスがどんどん溜まっていきます。多く溜まるとトラブルの原因になりますので、ゴミを捨てる必要があります。

 

フィラメント使用量が増える

カラーの切り替えが多い場合、多くのロードが行われます。すると、その分大量のフィラメントを消費しますので、注意が必要です。

 

プリント時間が長くなりやすい

マルチカラー時は、先ほどご紹介した通り、フィラメントの切り替えが行われます。もし、その頻度が多い場合、プリント時間が長くなります。

 

例えば、3DBenchyで、あえて長くなるような配色をしてレビューしてみると、およそ6時間40分ほどかかりました。通常、単色であれば20分程度でプリントできますが、色付けのやり方次第ではこのようになってしまいます。

 

さらに、大きいものだと平気で何日もかかってしまうケースがありますので、配色の仕方には注意が必要です。

YouTubeで、本ブログの内容を分かりやすくを解説しています

 

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