しばらく防湿ボックスに入れておいたり、我慢して使ったり、いっそ捨ててしまう方などいらっしゃるかもしれませんね。
フィラメントは吸湿してしまう
そのため、シリカゲル(乾燥剤)を入れたジップロックやボックス等に入れて保管するのが一般的です。完全に防湿することはできませんが、これで湿気を帯びにくくすることができます。
しかしながら、この方法では「除湿」をすることができません。
近年では、湿気を帯びてしまったフィラメントを「除湿できる乾燥機」が販売されています。
吸湿してしまうとどうなる?
① パチパチと音が鳴る
ノズルから樹脂が出力される時に「パチパチ」と水分が弾ける音がします。
② 仕上がりが変わる
水分が弾けた時に「小さな空洞」が生まれてしまいます。
↓は吸湿したPVAフィラメントを出力したものです。
「気泡」のようなものが見えます。
この状態でプリントすると外見に影響がでてきます。
③ 強度が落ちる
上記の写真は、吸水前と比較して、楽に手でちぎれてしまいます。
強度が落ちてしまうので、注意が必要です。
Tiertime Filament Dryer PRO(乾燥機)を使う
① 基本スペック
項目 | 値 | |
① | 乾燥温度範囲 | 35℃~75℃ |
② | 連続乾燥時間 | 最大48時間 |
③ | 電源 | 100VAC |
④ | 対応樹脂 | ABS/PLA/TPU/PETG/Nylon/Desiccants/PVA/TPU/TPE/ASA/PP/HIPS/PC/PEEK |
② 開梱
梱包ダンボールを含めたサイズと重さは以下の通りです。
サイズ:37cm×31.5cm×38.5cm
重さ:4.5kg
③ 同梱品
主な同梱品をご紹介します。
↓本体です。
↓付属品です。
名称 | 備考 | |
① | フィラメントチューブ | フィラメントチューブをセットすると乾燥しながらプリントすることができます。 |
② | スプールアダプター | フィラメントをセットする際に使用します。 |
③ | シリカゲル | シリカゲルをセットすれば防湿することもできます。 |
④ | フィラメントコンテナ | 密閉できるフィラメント保管容器が1つ付いています。 |
④ 乾燥機の構造
機械の構造を見ていきます。
↓は乾燥機をセットアップした状態です。
外寸サイズは35cm(奥行)×26cm(幅)×32cm(高さ)で、重さは2.95kgとなっています。
↓中を見ると、フィラメントを設置する空間があり、一番下の段は熱を発生させる装置になっています。
↓のようにフィラメントを2つ設置することができます。
↑シリカゲル(除湿剤)を置くスペースがあるので、乾燥のみならず防湿することもできます。
↓フィラメントチューブを接続することで、乾燥・防湿しながら3Dプリントを行うことができます。
↓付属のフィラメントコンテナは、パッキンがついているのでしっかり密閉することができます。
↓操作パネルは、非常にシンプルな構成で、ボタンは軽く触れるだけで反応しました。
↑表示は「温度」か「時間」が表示されるようになっています。
⑤ 動作させてみる
実際に乾燥させるには、「温度」と「時間」を入力する必要があります。
付属のマニュアルに、樹脂ごとの一覧表がありますので、それを参考に決定します。
例えばPLAであれば「45℃」を「3時間」、ABSであれば「65℃」を「3時間」という具合に設定します。
↓試しにPLAで動作させて、中を覗いてみると温風が流れているのを確認できました。
実際の効果に関しては、後日試してみようと思います。
Tiertime Filament Dryer PROの特徴
今回ご紹介した乾燥機の特徴をまとめます。
特徴 | |
① | 2つのフィラメントを取り扱える |
② | 防湿・除湿の両方を行うことができる |
③ | 別でフィラメントコンテナが付属している |
④ | 最大75℃まで出力できるので、対応する樹脂が多い |
⑤ | 操作方法が非常にシンプル |
⑥ | 価格が少しお高め |
安価なフィラメント乾燥機について
近年では、もう少し安価なフィラメント乾燥機も販売されています。