高品質ノズルを使うメリットがすごい! kaikaノズルを使って分かったこと!

みなさんは、「ノズル」にこだわりはありますでしょうか?

 

品質の良いノズルは、トラブルが起きにくいという特徴があります。

 

そこで今回は、「kaika」という高品質なノズルを使ってみました。

 

「ノズルの付け替えを検討している方」「どういった違いはあるの?」といった疑問を持ちの方は、ぜひご覧ください。

 

 

動画で見る

動画でもご覧になることができます↓

 

 

kaikaノズルについて

kaikaノズルは、テクノダイヤさんが製造・販売されているノズルです。

 

ノズルの型名には、種類があります。

 

【高品質ノズル】kaika 0.6mmノズル(ネジ径、ノズル径には注意)
created by Rinker
【高品質なノズル】kaika真鍮製0.4mmノズル(ネジ径、ノズル径には注意)
created by Rinker

 

なにが違う?

それでは、kaikaノズルの特徴をご紹介していきます。

 


① シリアルナンバーが刻印されている

一つ目は「シリアルナンバーが刻印されている」点です。

 

そもそも一般的なノズルは、シリアルナンバーが無いので、消耗品という扱いなんですよね。

ノズル

 

ノズルは、ある程度使ったら、交換が必要です。確かに、1つ数百円のノズルであれば、交換しちゃった方が良いと思います。

 

一方kaikaノズルは、トラブルが起きにくい設計で作られているので、大切に使えば、長く使うことができます。

kaikaノズル_ケース

 

つまりは「ロット管理された、品質の高い製品」という製品です。

 


② スムーズな押し出し

二つ目の特徴は「スムーズな押し出しができる構造」になっている点です。

樹脂は、滞りなく排出されなければなりません。

 

一般的なノズルは、端の部分に樹脂がたまりやすい傾向があります。

 

溜まった樹脂は、高熱がかかり続けてしまいます。するとコゲとなってしまい、これが悪さをしてしまいます。

 

例えばコゲが剥がれてしまい、ノズルの口を塞いでしまったり、またそのコゲが、造形物に付着してしまうという場合もあります。

 

そこでkaikaノズルは、内部のテーパー(いわゆる傾斜の角度)は、30度になっています。緩やかな傾斜にすることで、樹脂が溜りにくいようにします。

 

また経路の仕上げ方にも、こだわりがあるようです。例えば、舗装されていないガタガタ道を、車が通ろうとすると、前に進むことが困難になりますよね。

 

ノズルも同じで、樹脂の通り道がガタガタだと、そこに留まりやすくなってしまいます。

 

そこでkaikaノズルは、経路を研磨してるので、スムーズに排出されるようになります。

 

特に近年では、3Dプリンターのプリントスピードは、かなり高速化しています。高速化には、高い流動性が求められますので、時代にもマッチしている気がします。

 


③ 製造精度が高い

三つ目は「製品の製造精度が高い」点です。

 

安価なノズルは、穴の大きさにバラツキがあったり、穴の位置がズレていることも、たまにあります。

kaikaノズル_ノズル穴

 

そのようなノズルを使うと、仕上がりが変わってしまったり、精度が落ちるといったことも起きます。

 

3Dプリンターは、材料の品質や、スライサーの設定値など、とても多くの要素が重なり合って成り立っています。

 

そのため、不具合になる要素を、1つでも減らすということは、とても重要だと感じます。

 

 

kaikaノズルを取り付ける

それでは、3Dプリンターにkaikaノズルを、取り付けていきます。

 

今回は、Ender-3 V3 SEという3Dプリンターを使います。

 


ちなみにEnder-3 V3 SEのノズル交換方法は、別の記事でもまとめています。

関連記事:Ender-3 V3 SEのノズル交換方法

 

交換する前は、Ender-3 V3 SEの純正ノズルが付いていましたので、それを取り外していきます。

Ender-3 V3 SEのノズル分解

 

取り外すとこんな感じですね。そこそこプリントしたノズルですが、まだまだ使えると思います。

Ender-3 V3 SE_純正ノズル

 

kaikaと純正ノズルを比べると、こんな感じです。ネジの部分が違います。

Ender-3 V3 SE_純正ノズルとkaikaノズルの違い

 

純正の方は、ストローク全体にネジ山がありますが、kaikaは一部だけです。

 

また、先端の傾斜角度も違います。kaikaの方が樹脂が、くっつきにくいという情報もありましたが、どうなんでしょうか。

Ender-3 V3 SE_純正ノズルとkaikaノズルの先端形状違い

 

ノズルの長さを測ったところ、純正・kaikaともに16.8cmでした。

Ender-3 V3 SE_kaikaノズルストロークの長さ

 

kaikaノズルを、ヒーターブロックに取り付けていきます。こうやってみると先端の形状はちょっと独特ですね。

Ender-3 V3 SE_kaika1010ヒーターブロックに取り付け

 

シリコンカバーを取り付けていきます。こんな感じで、ピッタリはまるようになっていました。

Ender-3 V3 SE_kaika1010シリコンカバー取り付け

 

純正ほど先端が突出していないので、本当に樹脂がつきにくいのかもしれないですね。

 

他のパーツを組み立てて、エクストルーダーも取り付けます。なかなかいい感じになっています。

Ender-3 V3 SE_kaika1010取り付け後

 

 

プリントしてみた結果

プリントした結果」をご紹介していきます。

 

純正ノズルと、kaika 1010で、それぞれ造形したものを比較していきたいと思います。

 


① 3DBenchy

まず最初は、3Dベンチのモデルを、純正ノズルでプリントしたものです。改めてプリントしてみたら、すごく綺麗にできています。

Ender-3 V3 SE_純正3Dbenchy

 

正直、もう少しオーバーハングが目立つかと思ったのですが、全く問題ないですね。

 

続いて、kaikaノズルでプリントしたものです。高品質なノズルだけあって、こちらも綺麗に仕上がっています。

Ender-3 V3 SE_純正3Dbenchy,kaika

 

もう少し差が出るのかなと思いましたが、予想は外れました。

 


② ベンチマーク用モデル

続いて、ベンチマーク用のモデルです。

 

まず純正ノズルですが、綺麗にできています。オーバーハングの部分も、問題なさそうです。

 

kaikaノズルも、ほぼ同じぐらいいい感じです。ちなみに両方とも、同じスライスデータを使っています。

 

比べてみても違いはあまりなさそうです。こうやって見ると、純正ノズルの品質も、良い感じですね。

 


③ ベンチマーク用モデル(黄)

続いて、黄色のフィラメントでプリントしてみました。

 

色を変えると、見栄えが変わるので、どうなんだろうと思って試してみましたが、こちらもあまり大きな差は見られませんでした。

 


④ 花瓶

続いては、やや大きめの花瓶です。

 

ちなみに今回のプリントでは0.4mm系のノズルを使い、0.2mmの積層ピッチでプリントしています。

 

こちらは、純正ノズルでプリントしたものです↓

kaikaノズル

 

こちらは、kaikaのノズルでプリントしたものです。こちらも、あまり違いはありませんでした。

kaikaノズル

 

以上のように、今回のプリントでは大きな差は見られませんでしたが、これはこれでいい勉強になった気がします。

 

もしかすると、さらに稼働時間を重ねていったり、条件を変えると、違いが起きてくるかもしれません。

 

 

kaika1040は、Ender-3 V3 KEにも使えるの?

Ender-3 V3 KEにも使えるか?とコメントを頂きましたので、写真を載せておきますね。

 

↓の写真は、純正ノズルですが、ストロークの長さが違います。残念ながら付けることはできません。

keとseの違い

 

kaikaノズルは、こんな場合におすすめ

こんな場合には、kaikaノズルがおすすめです。

 


① 仕上がりにこだわりたい場合

kaikaノズルは、流出量が安定していて、ムラになりにくい特徴がありますので、キレイな作品を作れます。仕上がりを良くしたい場合は、おすすめです。

 


② 故障率を下げたい場合

流動性の高いため、焦げにくい特徴がありますので、トラブルを回避したい方にはおすすめとなります。

 


③ 安心して使いたい方

シリアルナンバーが刻印されていて、高い品質管理が行われていますので、「とりあえずいいものを使っておきたい」という方にもおすすめとなります。

 

1mm径のノズルを使ってみた!

kaikaには、1mmのノズルもあります。

 

1mmノズルのメリット

そもそも1mmノズルを使うメリットは、どういったところにあるのでしょうか?

 

 


① 短時間でプリントできる

最近はハイスピード機が主流となり、業界標準の0.4mmノズルでも、短時間で造形することができるようになりました。ですが、より大きいノズルを使うことでも、短時間でプリントすることができるようになります。

 

今回の1mmノズルは、さらに大きな時間短縮をすることができます。

 


② ノズルが詰まりにくい

ノズルの排出口が大きいと、コゲ・カス・ゴミなどが外に排出されやすくなり、詰まりが起きにくくなります。

 

特に木質・木粉フィラメントや、カーボンファイバーは、ノズル詰まりが起きやすいフィラメントなので、大きいノズルがおすすめになります。

 

 

1mmノズルのデメリット

1mmノズルにもデメリットがあります。

 


① 糸引きがおきやすい

ノズル径が大きくなると、引き戻しが弱くなり、糸引きが起きやすくなります。

 

ちなみに糸引きを減らすための対策には、以下の方法があります。

・ ノズル温度を下げる
・ 引き戻し(リトラクト)調整をする
・ 冷却力の強い3Dプリンターを使う。

 

※ 糸引きについては、↓こちらの記事もご覧ください。

関連記事:糸引き対処方法

 


② ディテールの再現性が低い

径の大きいノズルは、細かい造形が苦手です。1mmノズルは、1本1本の造形線が太くなるので、再現性が劣ります。表面・底面に文字やデザインが施されている場合は、つぶれてしまうこともあります。

つぶれた造形物

 

もしそのような場合は、0.6mmや0.4mm0.2mmなどの、もっと小さいノズルの方が向いています。

 


③ 積層痕が目立ちやすい

径の大きいノズルは、積層ピッチを厚めになるので、解像度が荒くなります。

 

厚めにすると、層が目立ってしまうので、見た目に影響してきます。

 

そのため3Dプリントしたものを、どのような目的で使うのかが、とても重要になります。

 


④ テンプレートが用意されていない

0.4mmや0.6mm・0.8mmのノズルは、パラメーター(ひな形)が用意されていますが、1mmノズルは無い場合があります。使っている3Dプリンターのスライスソフトを確認しておきましょう。

 

もし用意されていない場合は、メーカーに問い合わせたり・ご自身で調整するといったことが必要です。

 

 

kaika1mmノズルは、なにがすごいの?

kaikaの1mmノズルは、高度な技術が使われています。

 


① ダイスウェルコントール

ダイ・スウェル(Die Swell)とは、ノズルから「樹脂が膨らんでしまう症状」のことです。このダイスウェルを、しっかりコントロールできないと、線が太くなります。

 

そこでkaikaは、「2mm」の長いストローク(ストレート部)が設けられています。これにより安定した吐出が行えます。

 


② 砂時計

kaika1mmノズルでは、流動性が高くなっています。

 

これまでのkaikaでも、↓のように30℃のテーパー形状によって、流動性が保たれていました。

 

ところが、kaika1mmノズルでは、さらに滑らかな形状になっており、より流動性が保たれています。

 

ノズル詰まりなどの不具合が起きそうな箇所を、さらに発生しにくい形状に変更されていますね。これなら、まるで砂時計のように、サラサラと淀みなく落下していきそうです。

 

 

ラインナップ・価格について

「kaika 1mm」ノズルは、いくつかのラインナップが用意されています。

 

2024年7月31日より、販売が開始されています。

 

型番 材質 互換プリンター
kaika6a0 真鍮 Prusa・Ender他
kaika8a0 真鍮 Prusa・Ender他
kaikaS6a0 真鍮 Prusa・Ender他
kaikaS8a0 工具鋼 Prusa・Ender他

 

現在の価格は、↓からご確認ください。

 

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