レーザー彫刻機を使うと、手軽にデザインを付与できるので、ものの価値を高めることができます。
そこで今回は、「Laser Pecker 4」というレーザー彫刻機をご紹介します。
Laser Pecker 4ってどんな機械?
Laser Peckerは、中国の深センに工場があり、主に、家庭向け・教育機関向けのコンパクトなレーザー彫刻機の開発・製造を行っている会社です。
これまでに「Laser Pecker LP2」「Laser Pecker LP3」「Laser Pecker LP4」「Laser Pecker LP5」を販売しています。
動画で視聴する
本記事は、動画でも視聴することができます。
Laser Pecker 4を使ってみる
まず、組み立てはかなり簡単でした。ネジの本数は少なく、短時間で済みます。
完成するとこんな感じです↓。かなりコンパクトで、片手で持つことができますが、ズッシリ感はありますね。
台座には、木材やプラスチックなどの、素材を置きます。
位置決め治具が入っているので、直角に合わせたい時は、こんな感じでセットします↓
ちなみに、ワークサイズは「160mm×120mm」ありますので、およその小物は彫刻できます。
また、ワークサイズを広げたい場合は、追加オプションにスライドテーブルがあります。これは横方向にスライドするので、横幅を広げることができます。
回転台のオプションもあり、タンブラーやマグカップなどの、湾曲したデザインにも彫刻することができます。
レーザー部には、保護カバーが付属しており、マグネットで本体に取り付けられるようになっています。レーザーから目を守るために、オレンジ色になっていますね。
カバーを外しても彫刻することはできますが、代わりに付属しているゴーグルを、装着しておく必要があります。
電源コンセントを接続すると、画面が表示されます。この丸い部分が、タッチパネルになっています。
月のマークをタッチすると、スリープモードに移行します。ファンも停止します。
リストアイコンをタッチすると、実行ジョブの一覧が表示されます。ここから実行したいデータを選択できます。ただ、スマートフォンやパソコンでも実行できますので、ここはあまり使わないですね。
パネルをスライドすると、レーザーの種類を変更することができます。LP4は、2種類のレーザーを搭載していて、素材によって使い分けることができます。
まず青色の方が、10Wの450nmのブルーレーザーモードで、アクリル、ガラス、皮、セラミック、紙なんかを彫刻するのに向いています。
そして黄色の方が、2Wの1064nmの赤外線レーザーモードになります。ステンレス、アルミニウム合金、金、銀、プラスチックなどに彫刻するのに向いています。
3Dプリンターで作った造形物にも、レーザー彫刻することができそうです。
このボタンを押すと、高さを変更することができます。長押しすると自動で昇降することができ、もう1回押すと停止します。
この高さ調整は、レーザーと対象物の距離を合わせるのに使います。この辺りは3DプリンターのZオフセット調整に少し似ていますね。
ちなみに、この高さ調整では、2つの赤い点が1つに重なるようにします。
続いて、このダイヤルを解除すると角度を変えることができます。
こんな感じで、向きや角度を変えられるのはいいですね。
Laser Pecker 4の基本的な使い方
パソコンもしくはスマートフォンに「LaserPecker デザインスペース」をインストールする必要があります。
ダウンロードサイト:https://jp.laserpecker.net/pages/software
デザインスペースは、デザインを取り込んだり、モデルサイズや向き、配置などを調整できます。
今回はパソコン版を使っていきます。起動するとこのような画面になりますので、「新しいプロジェクト」をクリックします。
画面右上に「デバイスが接続されていません」と表示される場合は、LP4とUSBケーブルで接続し、「デバイスに接続」をクリックします。
対象のポートをクリックすると接続されます。
左のメニューでテキストを追加したり、画像を読み込むことができます。今回は元から入っているデータを呼び出しますので、「素材」ボタンをクリックします。
すると画像データがたくさん表示されますので、好きなものを選びます。
上の「位置合わせ」から「中央揃え」をクリックすると、画像を中心に配置することができます。
ついでにテキストも入れてみます。左のメニューから「テキスト」を選択します。
好きな文字を入力できるようになるので、適当に書いていきます。
上のバーでは、フォントの種類やサイズを変更することができます。
画面右側のレイヤータブには、追加したテキストと画像の情報が表示されます。
それぞれクリックすると、彫刻する条件を決めることができます。
たとえば「素材」欄をクリックすると、「アルミニウム」や「ABS樹脂」といったテンプレートを呼び出すことができます。また、出力や深さもカスタマイズすることが可能です。
今回はクラフト紙で設定します。条件が決まったら「プレビュー」をクリックします。
すると、「青い枠」と「2つの赤い点」が露光されます。赤い点が1つになるまで高さを下げます。
「次へ」「確認」をクリックすると、レーザー彫刻が始まります。
まずはテキスト部から書き始めて、その次に画像の部分を彫刻していきます。トータルでおよそ3分くらいで出来上がりました。
仕上がりはこんな感じです。しっかり掘られていて、キレイに出来上がっています。ちょうどいい出力量だったようです。
オリジナルのノートが作れて、ちょっと嬉しくなりますね。
色々な素材にレーザー彫刻してみる
木材に彫刻
続いては、刷毛の絵の部分にもレーザー彫刻してみました。
絵の部分は木材となっています。「ブナ材」という素材があるので、それを選択します。
仕上がりはこんな感じになりました↓。なかなかいい感じです。
テンプレートが揃っていますので、覚えてしまえば、かんたんにレーザー彫刻することができます。
ダンボールに彫刻
ダンボールのテンプレートも用意されているので、それを使ってみました。
こんな感じになりました↓。最近は、メルカリ販売なんかでダンボールを使って発送することも増えているので、オリジナルのロゴの刻印にも使えそうですね。
ステンレス(金属)に彫刻
こんな感じの、「ステンレス製」のトレーに印字したいと思います。
ところが、保護カバーをつけた状態で焦点合わせをしようとすると、ステンレストレーに接触してしまいました。そこで保護カバーを取り外して、フリーモードに変更します。
ちなみに、フリーモードは「右上の歯車マーク」→「モード設定」→「フリーモード」で変更することができます。こうすると保護カバーを外してもジョブを実行することができます。
ジョブが終わって見てみると、全く刻印されませんでした・・・。失敗です。
Laser Peckerデザインスペースの右側の設定が「線」になっていたので、これを「画像」にして再チャレンジしてみます。
では印字してみます。すると、こんな感じになりました。ちょっと見にくくて申し訳ないですが、いい感じにできています。
彫刻中は意外と匂いはしなかったので、その点もうれしいですね。ステンレス彫刻ってもっと大変なイメージがありますが、かんたんにできてしまいます。
カッティング
続いて、カッティングを試してみます。
丸い円の中に星形をセットして、ジョブを実行します。
レーザー中、一時的に火が出ることもありましたが、少しでしたので、特に問題なさそうです。
こんな感じで出来上がりました。ちゃんとカットされています。いい感じです。パズルなんかも作れそうですね。
あと注意点ですが、レーザー光が貫通したため、下の土台に跡が残ってしまいました。カッティングは、素材の下に当て木をした方がいいですね。
Laser Pecker4の注意点
臭いについて
レーザー彫刻する際は、素材によっては独特の匂いを発します。
今回試した素材だと、このような結果でした↓。
素材 | 臭いの程度 | |
① | ノートの表紙(厚紙) | 〇 |
② | 木材 | × |
③ | ダンボール | 〇 |
④ | ステンレス | 〇 |
⑤ | プラスチック(ABS) | △ |
この中で一番匂いが強かった素材は木材でした。それ以外はそこまで強い臭いはしませんでしたが、プラスチックなどは有害物質が排出されるので注意が必要です。
レーザーペッカーでも、卓上の空気清浄機が販売されているので、気になる方はそれを併用するといいです。
レーザー光について
レーザーの光についてです。
言うまでもありませんが、レーザーが手に触れるととても危険です。
LP4では、脱着可能なカバーが付いていますが、これを取り外して使うこともできてしまいます。その際、手が触れてしまう可能性があるので、取り扱いには十分注意が必要です。
また、レーザーの光は直接見ないようにする必要があります。ゴーグルが付属しているので、しっかりと装着しましょう。