浮いてしまう原因はいくつか考えられますが、スティックのりを使って解決できることがあります。今回は、おすすめできるのりをご紹介します。
ちなみに、スティックのりを使っても解決しないという場合は↓の記事もご覧ください。
造形物が剥がれてしまったとき「どのように対処して良いか」悩んでいませんか? この症状は、あらゆるところに原因が潜んでいますので、正しい順序で確認しないと解決することができません。 私は、い[…]
おすすめのスティックのり
1.Magigoo 3D PRINTING PEN PA
ナイロン(PA)系の樹脂に使うと、非常に効果的です。面積の広いものをプリントしましたが、反った形跡はほとんどなく、シワなしピットよりも薄く伸びてくれるので、厚塗りになりにくいです。
ちなみにナイロンにグラスファイバーやカーボンが混ぜ込まれた樹脂にも効果的でした。
2.シワなしピット
なんと言っても低価格ですし、ネットや文房具屋など多くの場所で入手可能です。コストパフォーマンスは最強のアイテムです。ABSにも効果的ですが、形状によっては難しい場合もあります。
3.Magigoo MO2016ペン
PLA、ABS、PETG、HIPS、TPUなどの幅広い樹脂に使うことができます。使用した感覚はシワなしピットと似ています。
そもそも何故のりを使うの?
切削加工や研削加工などは、1つの大きな材料を「削って」形を整えていきます。ところが3Dプリンターの場合は、材料を下から順番に付与して作りあげていきます。
つまり最初の層がしっかりしていないと、うまく積みあがらずに失敗してしまいます。
残念なことに、材料に使われる「樹脂」は、熱によって膨張や収縮が起きるため、プラットフォームの上ではジッとしてくれません。そこでスティック糊をプラットフォームに塗ることで、最初の層を安定させることができます。
ただし数ある樹脂の中には、「収縮力の非常に強いもの」があるので、糊を使えば全て解決するというわけではありませんので、注意が必要です。
プラットフォームに定着しない、剥がれる、浮く、ズレる症状は↓の動画で対策を解説していますので、参考にしてください。
スティックのりを使うメリット
1.手軽に使える
プラットフォームシートなどは、貼り方を誤ると気泡が入ってしまう事があります。
その点スティック糊は、失敗もなく簡単に塗ることができます。
↑はスティックのりを塗ったプラットフォームの様子。
2.コストパフォーマンスが良い
値段の高い糊もありますが、何十回~何百回と使えるので、遠慮せずに使うことができます。
スティックのりを使うデメリット
1.高さが変わる
重ねて塗ると厚みが増して、高さが変わってしまうことがあります。変わりすぎてしまうと、造形のクオリティに影響するので、たまにプラットフォームを掃除する必要があります。
↑厚塗りした例
2.プラットフォームを掃除する必要がある
プラットフォームに付着した糊を、掃除する手間があります。
※清掃方法は、メーカーの手順に従ってください。
↑のりを洗い流している様子。
3.底面に痕がつく
造形物の底面にのりの痕がついてしまいます。
↑底面に付いた痕。
糊の痕を付けたくない場合は、ラフトを利用します。
他に剥がれない対策はないの?
1.マスキングテープ
プラットフォームにマスキングテープを張り、その上にプリントすることで反りを抑えることができます。
2.プラットフォームシート
剥がれにくいプラットフォームを使用します。
まとめ
項目 | 説明 | |
① | おすすめのスティックのり | 1.Magigoo 3D PRINTING PEN PA 2.シワなしピット 3.Magigoo MO2016ペン |
② |
そもそも何故のりを使うの? | 土台を崩さないようにするため。 |
③ |
スティックのりを使うメリット | 1.手軽に使える 2.コストパフォーマンスが良い |
④ |
スティックのりを使うデメリット | 1.高さが変わる 2.プラットフォームを掃除する必要がある 3.底面に痕がつく |
⑤ | 他の方法はあるの? | 1.マスキングテープ 2.プラットフォームシート |
おすすめ記事
プラットフォームから剥がれてしまう原因は、他にもあります。
その対応をまとめましたのでご覧ください。
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