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Creality K1という3Dプリンターで、ナイロンを造形しました。こちらも参考にしてください↓
ナイロン(ポリアミド・PA)で造形
今回はナイロン(別名:ポリアミド・PA)を造形しました。難しい樹脂でしたが最終的には安定して造形することができました。なかなか造形がうまくいかない方へ、何かヒントがあれば幸いです。
今回使用するフィラメント
今回使用するのは、Polymaker製のPolyMide CoPAです。
ナイロンとは・・・
ナイロン6やナイロン66、ナイロン12などの種類があり、ナイロン6の場合は衣類に使用されるケースが一番多く、耐薬品性や柔軟性があります。さらに強度や耐熱性を加えたものがナイロン66になります。吸湿性が高いので、フィラメントの保管状況は非常に大切になります。
今回使用したフィラメントは、PolymakerのPoly Mide COPA(Nylon)です。これは、ナイロン6とナイロン66がベースになっているフィラメントとなります。
開始時パラメーター
初期パラメーターは下記の通りです。
開始時パラメーター
ノズル : 0.4mm
積層ピッチ : 0.2mm
ノズル温度 : 265度
テーブル温度 : 80度
1層目流量 : 110%
1層目高さ : 0.2mm
1層目速度 : 15mm/s
造形速度 : 40mm/s
庫内温度 : 40度
ラフト : 無し
スカート : 有り
造形 その①(テーブルに定着しない)
まずは上記のパラメーター通りに開始します。
ところが開始して早々、テーブルにフィラメントが定着してくれません。
直ぐにはがれてしまいました・・・
ノズルから排出された、フィラメントを追って剥がれていく感じになってしまいました。
直ぐに造形を停止。
念のため100度にして実施します。
しかしながら、同様にテーブルから剥がれてしまいました。
ノズルとテーブルの間隔は適正になっており、特に不備は見当たりません。
続いてスティックノリを使用して造形開始します。
スティックノリは、テーブルの造形範囲に5回ほど厚塗りしました。
ノリはシワなしピットを使用しました。
→シワなしピット
造形 その②(ノズル詰まり発生)
再度ジョブを実行し、しばらく席を外してから戻ってみると、ノズルが空中で動いています。
10層目あたりまで造形されていましたが、それ以降は何も出来ていません。
よく見ると、造形途中でノズル詰まりが発生していました。
このノズルはABSやPLAなどの色々な樹脂を使用していました。
不要なフィラメントのカスが詰まりの原因と考えました。
ノズルを清掃後、再度造形開始します。
ところが、再度詰まってしまいました・・・。
詰まった箇所を確認してみます。
すると、ノズル周りではなく、もっと上のヒートシンク部(フィラメントを冷やす部分)で樹脂が変形していました。
変形したフィラメントを除去し、再度実行すると。
エクストルーダー冷却ファンが回っていません・・・。
冷却ファンが動作しないと、ノズルより上のフィラメントにも熱が伝わってしまい、やわらかくなってしまいます。
ファンを交換し、再度造形を実施しました。
冷却ファンって非常に重要なパーツなんです。
造形 その③(スカスカな造形物)
テーブル剥がれやノズル詰まりも解消し、造形が完了しました。
しかし、造形物がスカスカで極端に水分がない感じになってしまいました。
しかし再度造形してみましたが、あまり変化は感じられません。
造形を見ていると、ノズルからフィラメントが排出されるタイミングで「パチ・・・パチ・パチ」と音がします。
フィラメントは、開封してから少し時間が経っていました。
PolymakerのPolyBox(フィラメント防湿BOX)があるので、今思えば使用すればよかったです。
今回は、新しいフィラメントを開封して使用しました。
ナイロンは湿気は大敵です!
最終パラメーター
最終パラメーター
ノズル : 0.4mm
積層ピッチ : 0.2mm
ノズル温度 : 250度
テーブル温度 : 80度(もっと低くても良い)
1層目流量 : 110%
1層目高さ : 0.2mm
1層目速度 : 15mm/s
造形速度 : 40mm/s
庫内温度 : 40度
ラフト : 無し
スカート : 有り
テーブルノリ : 有り
まとめ
- 定着させるには糊を使用する
- フィラメントが吸湿しないように対策をする
ナイロンは、難易度の高いフィラメントです。フィラメントの保管状況に注意しないと、ノズル詰まり・造形品質に影響を及ぼします。さらに造形物の仕上がりをより良いものにするには、細かい微調整(流量や速度)が必要です。
今回使用したフィラメント
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