PLAフィラメントの特徴とは?

この記事について 【PLAフィラメントの特徴とは?】

FDM方式の3Dプリンターでよく使われるPLAの特徴をまとめます。

 

形状確認には非常に向いていますが、耐衝撃性耐熱温度が低く、後加工には不向きな樹脂です。

 

樹脂選定の参考になれば幸いです。

 

PLA樹脂とは?

<バイオマスプラスチックに分類>

PLA樹脂とは、別名「ポリ乳酸」と呼ばれています。ポリ乳酸は、植物(トウモロコシやじゃがいも等)から抽出されたデンプンや糖が原料となっており、「バイオマスプラスチック」に分類されています。

 

そのため微生物により分子レベルまで分解すること(生分解)ができます。
最終的には水と二酸化炭素となり環境循環させることが可能な樹脂です。

 

よってABSなどの合成樹脂は石油が原料となっているのと比較すると、環境循環にやさしい天然由来の樹脂と言えます。

 

<カーボンニュートラルなうえに二酸化炭素排出量が少ない>

上記の通り、ポリ乳酸は微生物が存在する堆肥であれば、分解することが可能です。

 

そのため、環境に良いことは間違いありません。

 

ところが実際には、ABSなどの合成樹脂とおなじように燃焼して廃棄されています。

 

そこもポリ乳酸は優秀で、焼却されたとしても二酸化炭素排出量が少ない樹脂となります。

 

そして原料の植物は大気中の二酸化炭素を吸収しているので「カーボン(炭素)ニュートラル)」と言われています。

 

<PLAが使われている物の例>

食品包装・・・果物や野菜の包装フィルム、弁当のトレイなど

 

各樹脂の特徴一覧

ここで比較用に、他の樹脂フィラメントの特徴一覧を掲載しておきます。

  項目 ABS PLA PP PC PETG TPU PA 木質
1 全体的な造形のし易さ
2 テーブルの定着性
3 他の樹脂との相性 × ×
4 後加工のし易さ
5 匂いの無さ
6 湿気に対する強さ ×
7 価格
8 強度
9 耐熱温度

 

3Dプリンターで使用した際のPLAの特徴

ここからは、3Dプリンターを使用した際の各特徴について挙げていきます。

 

1.全体的な造形のし易さ ◎

PLAは使いやすく成功率も高い樹脂となります。

 

その為、形状確認のみであればPLAで作成することがおすすめです。
下記の点も使いやすい点です。

  • 庫内温度はあまり気にする必要がない
  • テーブル温度は低くて良い(60℃前後)
  • ノズル詰まりが比較的少ない
  • 反りがあまり無く、失敗が少ない

 

2.プラットフォームの定着性・反り ◎

プラットフォームの定着性は非常に良いです。

 

機器の設定・使用方法を間違えていなければ、テーブルから剥がれることはあまりありません。もし剥がれてしまう場合は、下記の記事を一度ご覧ください。

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また、冷却後の収縮力も弱い為、積層間で割れたりする症状が少なく、大きい物の造形にも向いています

 

 

3.他の樹脂との相性 ◎

他の樹脂との相性が良いため、サポート材を選ぶことができます。

 

PLAで使用できるサポート材は下記の通りです。

  • 手で剥がしやすいサポート材(Polysupport)
  • 水で溶けるサポート材(PVA)

 

手で剥がしやすいサポート材(Polysupport)は下記の記事をご覧ください。

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また、水溶性サポートについては下記の記事をご覧ください。

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もちろんPLAでサポートを建てることも可能です。冷えると硬くなる樹脂のため、サポートを除去する際は「パリパリ」とした感触で、簡単に剥がせます。

 

4.後加工のし易さ ×

PLAは、硬い樹脂のため、削って加工するにはあまり向きません。よって、サンドペーパーなどのヤスリ掛けには向きません。

 

興味本位で、PLAも含めてヤスリを行ってみました。下記記事をご覧ください。

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5.匂い ◎

匂いが気になるようなことはあまりありません。

 

PLA樹脂(ポリ乳酸)は、デンプンを元にした植物由来のプラスチック樹脂で、少し甘い匂いがします。

 

6.湿気に対する強さ 〇

湿気による影響が発生します。

 

フィラメントが古くなってくると、少し曲げただけでも「パキッ」と割れたりします。使用していない時はそのまま置かずに除湿剤が入った保管BOXやPolyBoxなどで保管するようにしましょう。

 

7.価格 ◎

価格は非常に低価格です。

 

コンシューマー向けであれば2000円~4000円あたりで購入でき、業務用であれば4000円~6000円程です。
非常に割安なので、失敗してもダメージが少ないのはうれしいですね。

 

低価格帯のPLAフィラメントは多数のメーカーから販売されています。

 

8.強度 △

PLAの強度は弱い部分があります。

 

  • 樹脂が硬い為、落下などさせると割れる場合がある。
  • 長期間経つと変色や、変形などが発生する場合がある。

 

長期間使用する物を造形する場合は、注意しましょう。

 

9.耐熱温度 ×

耐熱温度非常に低いです。

 

大体60℃以上の状況で力をかけると曲がってしまいます。

 

特に夏場は、造形物を置いておく部屋の温度が上昇して変形したという話もあります。

 

造形時の樹脂の選定も気を付けるようにしましょう。

 

その他の特徴

PLAは非常に使い易いですが、強度や耐熱温度が低い樹脂です。

 

そのため近年ではガラス繊維や炭素繊維(カーボン)を混ぜて作られることで、高耐熱性・高強度のPLAフィラメントが販売されています。今後もさまざまなPLAが販売されると思います。

 

まとめ

PLAは環境にも初心者にも易しく、形状確認には非常に優秀な樹脂です。また、良く使われる樹脂の一つにABSもがあります。この樹脂もまとめていますので参考にして下さい。

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