今回は、実際に使ってみましたので、リアルなところが伝われば幸いです。
また、Revo Scanの「合成」「穴埋め」「カラースキャン」のやり方なども解説しているので、参考にしてみて下さい。
POP 3 Plusってどんな機械?
結論から言うと、POP3 Plusは、とても使いやすくて、失敗の少ないスキャナーだと感じました。
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POP3 Plusには「スタンダードセット」「アドバンスセット「プレミアムセット」の三つのパッケージが用意されており、今回使うのは一般的なスタンダードセットです。
れらはグレードによって、バッテリー・ターンテーブルが異なります。本体は同様のものになります。パソコンから離れた場所で使う場合や、ターンテーブルにこだわる方は、スタンダード以外を選びましょう。
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POP 3 Plusをセットアップしていく
同梱品はこんな感じです↓。スタンダードセットですが、マーカーも入ってます。
これがPOP3 Plusの本体です↓。コンパクトで良い感じですね。重さは190gなので、軽くて扱いやすいです。
操作ボタンがあり、スキャン開始、停止、Depthカメラの露出度を本体で操作することができます。
こちらは三脚です。高さは自由に変えられます。
ターンテーブルは、回転方向や回転スピードを変えることができ、付属のType-CのUSBケーブルを接続すると、回転し始めます。
マーカーパッドは、特徴の少ないモデルをスキャンするときに使います。シールタイプのマーカーも入っており、モデルに貼り付けて、より精度良くスキャンするのに使用します。
次に組み立て方ですが、スキャナーに三脚を取り付け、スライドしてセットします。
スキャナー本体に、付属のUSBケーブルを接続します。もう片方をパソコンのUSB端子に接続します。ネジを手回しすると、ケーブルが抜けないように固定できます。
ターンテーブルの端子にもUSBケーブルを接続し、反対側をパソコンに接続します。
次に、Revo Scanというソフトをダウンロードしてインストールします。Revopointのサイトにアクセスします。
OSはWindowsを使っているので、Windowsのダウンロードボタンをクリックします。ファイルが一つダウンロードされるので、完了するまで待ちます。完了したらダウンロードしたファイルを実行します。
英語か中国語のどちらかを選びます。インストールボタンをクリックして、しばらく待ちます。完了すると、デスクトップにRevo Scanのアイコンが作成されるので、実行します。
超簡単!1クリック編集でスキャンする
接続・画面の解説
Revo Scanを起動すると、このような画面になります↓。スキャナーを接続すると「スキャナー接続済み」と表示されます。
新規プロジェクトをクリックします。
すると、編集画面になります。まず、上のツールバーは主にスキャンしたデータの編集に使えます。
この部分↓は、スキャナーとモデルの距離が適正かどうかを表示します。「ベスト」が最適距離になります。
あと、左側にはDepthカメラというものがあり、これも距離感をサポートしてくれます。赤色や青色になっていると異常なので、なくすように位置調整をします。基本「Auto」で大丈夫ですが、Autoボタンをクリックするとオフになり、手動で調整することもできます。
RGBカメラは、カラースキャンを行う場合に露出の調整をします。基本的にAutoで大丈夫ですが、手動でも調整することができます。
右側にはスキャナーの設定があります。精度だったり、トラッキング方式、カラー・モノクロスキャンなどの切り替えを行います。
1クリックスキャン・編集方法
ターンテーブルにモデルを載せて、距離をベストになるように位置調整をします。
調整値はそのままで開始をクリックします。一周したら完了ボタンを押します。何周もスキャンしてしまうと誤差が増え、余計に精度が悪くなるようですので、一周で終わらせます。
すると、ロー形式で表示されます。つまり、データを取った後の生データの状態です。
そして、上のツールバーにある1クリック編集ボタンをクリックし、右側の適用をクリックします。1クリック編集は、融合やメッシュ化を自動で処理してくれるので、初心者には助かる機能です。
ちなみに、「融合」とはRAW状態を点群データに変換する機能です。点群データにすると、上のツールバーにあるアイソレーション、検出、スムーズなどの編集をすることができます。そして、1クリック編集を使わない場合は、手動で点群データをメッシュ化します。メッシュ化は、点群データを三角形で作られたメッシュデータに変換する機能です。
また、これらの変換処理は、かなりパソコンに負荷がかかるようで、この処理中はファンが高回転になります。できれば高スペックのパソコンを使いたいところです。
では話を戻して、とりあえずワンクリック編集が完了しました。これでメッシュ化まで完了しています。
ただ、スキャンしきれなかった部分が「穴開き状態」になっています。そこで、モデルを置き方を変えてスキャンを撮ります。次は、穴が開いていた部分が映るような置き方で取っていきます。
これも1周ぐるっと撮影してから完了ボタンを押します。すると、こんな感じでRAWデータが出来上がります。頭のテッペンや底面がしっかり撮れています。
このモデルも同様にワンクリック編集を行い、メッシュ化まで終わらせます。すると、このような感じになりました。すべて取り切れなくても大丈夫です。
合成機能
ツールバーにある合成ボタンをクリックします。
左側にある2つのオブジェクトにチェックを入れます。もし、合成したいモデルが2つ以上ある場合は、それにもチェックを入れます。
画面右側に、特徴と手動アライメントを選ぶところがありますので、今回は特徴を選択し、プレビューボタンをクリックします。特徴の方は、ソフトが自動で位置合わせをして合成してくれます。
また、手動アライメントは、3つの点を手動で指定して合成する機能です。まずは、特徴で一度やってみて、うまく合わなければ手動アライメントを使うといった流れがいいと思います。
では、プレビューした結果ですが、このように2つのデータがいい感じに重なってくれました。問題なさそうなので適用ボタンをクリックします。
すると、1つのデータとして合成され、合成後のオブジェクトが左側に追加されます。
合成後のオブジェクトを選択し、ワンクリック編集ボタンをクリックします。適用ボタンをクリックします。
これで、メッシュ化まで完了しました。操作方法を覚えてしまうと、かなりスムーズに作業できますね。まだ少し穴が開いてる部分がありますが、穴埋め機能で埋めることができます。後ほどご紹介いたします。
いろんなパターンをスキャンしてみた結果
エイサブスプレーで読み取り精度をアップ
3Dスキャナーは、読み取りやすい色とそうでない色があります。例えば、こんな感じの黒色は、基本的にスキャンに向いていません。
Revo Scanには、設定を黒色にすると、黒色の物体でもスキャンできる機能があります。試してみたところ、確かに読み取りは良くなりましたが、黒色のターンテーブルが影響して、うまく撮れませんでした。ターンテーブルは使わない方が良いかもしれません。
そこで、エイサブというスプレーを使います。エイサブをモデルにに吹きかけると、表面が白色の粉で覆われますので、読み取り精度がアップします。価格は400mlで5,500円くらいで購入できます。
白い粉は1日くらいで綺麗になくなってくれます。黒色や反射するもの、透明なものをスキャンしたい場合は利用してみてください。
では、スキャンしてみます。黒色の設定にしなくても、かなりいい感じで映りました。
不要なデータを消す
消したいところの上で右クリックし、「連結成分を選択」をクリックします。
すると、ポインターが丸い形状になりますので、消したい部分をクリックして選択します。デリートキーを押すと、削除することができます。
穴埋め機能で、穴を塞ぐ
上のツールバーにある穴埋めボタンをクリックします。メッシュ化の処理が終わっていないと、選択できないようですので注意してください。
右側にある検出ボタンをクリックします。
穴が開いてる部分を選択して、適用ボタンを押します。穴が塞がれたことを確認します。穴埋めする形状は、平面と曲面を選ぶことができます。
これで一通り完成になります。直感的に操作することができるので、とても使いやすかったです。
金属パーツをスキャンする
金属は、光が反射するので、基本的にはスキャンには向いていません。ですが、一度そのままスキャニングしてみます。
ほとんど映らないです。やはり、金属の光の反射があるのでこのようになってしまいます。
そこで、先ほどと同様にエイサブを塗布します。こんな感じになります。
では、スキャンしてみます。すると、点群が流れていってしまい、うまく取れませんでした。位置がうまく拾えていないようです。特徴の少ないモデルは位置が分からなくなり、このようになってしまいます。
そこで、付属されているマーカーシートを使っていきます。シートをターンテーブルの上に載せます。
トラッキング方式を「特徴」から「マーカー」に変更します。すると、マーカー部分が赤く表示されるので、この状態でスキャンを開始します。先ほどみたいに流れていかず、しっかり取れています。
ワンクリック編集して、メッシュ化が完了しました。キレイに撮ることができました。
別に、マーカーシールも付属されていますので、これを物体に貼り付けてスキャンすると、精度よくスキャンすることができそうです。
カラフルな色をスキャンする
続いては、このような黄色のモデルで試してみます。
ローデータだとこんな感じ。反射は問題ないみたいですね。
同じくワンクリック編集していきます。メッシュ化しました。いい感じに撮れていますが、表面の鮮明さが欠けています。
そこで、POP3 Plusはカラーモードが使えるので、それを試してみます。右側のカラースキャンのトグルをオンにすると、カラースキャンモードになります。
カラースキャンした結果がこちら。お腹周りにあるマークがしっかり映っていますね。カラースキャンはメッシュ以外に、テクスチャ処理ができるので、モノクロスキャンと違い、表面部分がしっかり再現されているようです。
同様のやり方で、青色のモデルで試すとこんな感じです。これもキレイに取ることができました。
POP3 Plusの良い点・注意が必要な点
POP3 Plusがいいと思った点
・本体がコンパクトサイズな上、軽量のため、とても扱いやすかったです。
・セットアップがとても簡単で、特に手間になるところはありません。ソフトのインストールも早く終わりました。
・ワンクリック編集、合成、穴埋め処理など、簡単に操作できて扱いやすかったです。
・精度が取れない場合でも、マーカーが同梱されているのですぐに試せるのはとてもいいと思いました。
・カラースキャンを使うことで、表面が鮮明にスキャンできます。小さいサイズのものから中規模サイズのモデルをスキャンすることができます。
POP3 Plusの注意しておきたい点
・モデルの形状や色、材質によっては精度が落ちてしまうので、エイサブなどのスキャンパウダーが必要となる場合があります。
・レボスキャンソフトは使いやすかったですが、最低限の機能は覚える必要があります。