QIDI Plus 4ってどんな機器?低価格なのに業務用!?【3Dプリンター紹介レビュー】

Qidi Plus4_どんな3Dプリンター?

QIDI Technologyより、QIDI Plus 4 が販売されました。

 

かなり低価格な機器にも関わらず、業務用レベルのパフォーマンスを兼ね備えているようです。

 

今回は、QIDI Plus 4 の特徴をまとめていきます。

 

この記事で分かること

・ QIDI Plus 4 の仕様、スペック
・ QIDI Plusの特徴

 

 

動画で見る

QIDI Plus 4は、動画でも視聴することができます↓

 

QIDI Plus4の仕様・スペック

仕様・スペックの一覧表です。

 

※ 赤字は特徴差

QIDI Plus 4 X-Plus 3
プリントサイズ
(幅×奥行き×高さ)
305×305×280 mm 280×280×270mm
プリンタ寸法 505×487×550 mm 511×527×529mm
重量 27kg 19kg
XY構造 Core XY Core XY
Z軸構造 デュアル独立リードスクリューモーター ダブルZ軸
水平調整 自動レベリング 自動レベリング
プリントヘッド温度 ≤370℃ ≤350℃
ベッド温度 ≤120℃ ≤120℃
最大速度 ≤600mm/秒 ≤600mm/秒
最大加速度 20000mm/秒² 20000mm/秒²
押出機ギア 直接押し出し硬化鋼ギア ハイフローダイレクトドライブ押出機
ノズル バイメタルノズル
ノズルサイズ 0.4mm(0.2/0.6/0.8mmオプション) 0.4mm(0.2/0.6/0.8mmオプション)
チャンバー循環ファン あり なし
活性炭エアフィルター あり なし
チャンバー温度 最大65℃ 最大65℃
フィラメント PLA、PETG、TPU、ABS、ASA、PC、PA、PA-CF/GF、PET-CF/GF、PPA-CF/GF、PPS-CF など PLA、ABS、ASA、PETG、TPU、PET-CF、PA12-CF、PC、UltraPA、ナイロン、PAHT-CF、PET-CF、PA12-CF
電圧 100-240 100-240
VAC 50/60Hz 50/60Hz
ディスプレイ 5インチ 800*480 タッチスクリーン 5インチ 800*480 タッチスクリーン
カメラ 低フレームレートカメラ(最大1080P)
タイムラプス あり
接続 Wifi 2.4G/イーサネット/USB Wifi 2.4G/イーサネット/USB
スライサー QIDI Studio および Orca、PrusaSlicer などのその他のサードパーティ ソフトウェア。 QIDI Studio および Orca、PrusaSlicer などのその他のサードパーティ ソフトウェア。
スライス用のファイル形式 STL、OBJ、3MF、STEP、STP STL、OBJ、3MF、STEP、STP

※ 公式サイト参照

 

 

QIDI Plus 4の特徴

QIDI Plus 4には、たくさんの特徴があります。順番に確認していきます。

 

広いプラットフォーム

プリントできるサイズは305×305×280mmとなっています。

 

およそ、ラグビーボールくらいのサイズのものをプリントすることができます。

 

このサイズは、一般的な業務用3Dプリンターと同じくらいの広さです。

 

これだけ広いと、小さいものを数多く並べることもできるので、生産性も良くなります。

 

多数のフィラメントが使える

数多くの種類の、フィラメントを使うことができます。

 

PLA、PETG、TPUなどの汎用プラスチックから、ABS、ASA、PC、PA、PA-CF/GFなどの高温フィラメントも扱うことができます。

 

また、さらに温度帯の高い、PPA-CF/GF、PPS-CFなどの樹脂を使うことができるようです。

QIDI PPS-CFフィラメント
created by Rinker

 

PPSは、ポリフェニレンサルファイドの略で、スパーエンジニアプラスチックのに分類される高性能な樹脂です。耐熱性や、耐薬品性、機械特性など、優れた特性を持っています。

 

PPA-CFは、ポリフタルアミドカーボンファイバーの略で、ナイロンに炭素繊維(カーボン)が混ぜ込まれた樹脂です。

 

通常のナイロンよりも剛性・強度が高いため、パーツなどに使うことができます。

 

PPSやPPAは、3Dプリントが難しく、プリント条件や環境、ノウハウが重要になりそうです。

 

 

アクティブチャンバー搭載

アクティブチャンバー機能が搭載されています。

 

アクティブチャンバーは、3Dプリンター庫内の温度を上げて、それを維持する機能です。

 

Qidi Plus4は、最大65℃の温度出力をすることができます。

 

このチャンバー機能が無いと、高温フィラメント、特にスーパーエンプラのプリントは不可能となります。その他にも、ABSやASA、PCなども、温度の維持はとても重要です。

 

失敗を防ぎ、品質の良い造形物を作るには、大切な機能となります。

 

また庫内は、空気循環設計になっています。

 

関連記事:反り・剥がれ・浮き・荒れ・割れを解決!QIDI Plus 4でヒートチャンバーの効果を検証!

 

高温出力ノズル

ノズルは、最大370℃まで出力することができます。

 

ABSやPPA、PPSを使うには、ノズルを高温まで昇温させる必要があります。

 

またノズルは、バイメタルノズル(2つの金属を使ったもの)が使われており、先端部は、硬化された材質になっています。

 

それにより、炭素繊維(カーボン)のような硬い材質のフィラメントにも対応しています。

 

ノズルは、スロートモデルになっていて、取り外しは容易に行えるようになっています。

 

高性能ビルドプレート

プラットフォームは、自動でレベリング調整を行います。

 

6mmのアルミプレートが使われています。それにより、平滑性が保たれやすくなっています。

 

最大120℃まで昇温することができるので、いろいろな樹脂を使うことができます。

 

ロード・アンロードがやり易い

フィラメントを3Dプリンターにセットすることを「ロード」、取り出すことを「アンロード」と言いますが、これがやり易いです。

 

一般的な3Dプリンターでは、エクストルーダーの挿入口にテフロンチューブをハメる形式が多いです。ただこの仕組みだと、これがなかなか抜けない時があります。

QIDI PLUS4_テフロンチューブを取り外す

 

ところがQIDI Plus 4では、フィラメントを送り込むだけでセットできます。先ほどのようなストレスはなく、これがうれしいポイントです。

QIDI PLUS4_フィラメントロード・アンロード

 

フィラメントのゴミを排出する機能

どの3Dプリンターでも、フィラメントをロードした時には、テスト排出をします。一般的には、これは手で除去し、廃棄します。

QIDI PLUS4_フィラメントロード・アンロード

 

ところがQIDI Plus 4は、それを自動で回収し、本体の外に排出してくれます。ただ、そのままだと散らかるので、受け皿だけ用意しておけば楽に回収することができます。

QIDI PLUS4_フィラメントのゴミを排出してくれる

 

2025年に、QIDIボックスというマルチカラー化できるオプション品が、販売予定とされています。

QIDI PLUS4_QIDIボックス

 

マルチカラー化すると、多くのゴミが出ますので、この排出システムが活躍しそうです。

 

ノズル自動清掃

経験ある方も多いと思いますが、しばらく3Dプリンターを使っていると、ノズルの周りが汚れることがあります。

QIDI PLUS4レビュー_ノズル汚れ画像

 

シリコンカバーをしていれば良いんですが、しないで使うとコゲができてしまいます。

 

そこでQIDI Plus 4には、ノズルを掃除してくれる場所があります↓。

QIDI PLUS4レビュー_ノズル掃除・清掃・メンテナンス

 

自動で掃除をしてくれるので、ノズルがキレイに保たれます。

QIDI PLUS4レビュー_ノズル掃除・清掃・メンテナンス

 

ノズルの状態が良いと、レベリングやZオフセットにも影響しにくくなるので、メリットは多いと思います。

 

また、掃除用のパーツはゴム製なので、長期的に使うと、交換が必要になってきます。

 

 

強力な冷却ファン

QIDI Plus 4には、多くのファンが搭載されています。

QIDI PLUS4レビュー_冷却ファン

 

それぞれ重要なファンですが、その中でも造形物を冷やすための冷却ファンの効果は大きいです

 

試しに、100%の回転数で稼働させたところ、かなり強力な風が、横から排出されました。

QIDI PLUS4レビュー_補助冷却ファン

 

それにより造形物をキレイに仕上げてくれたり、糸引きを抑える役割があります。

 

その他の特徴

それ以外にも多数の機能があります。

 


① 入力シェービング機能

入力シェーピング機能は、振動制御を行い、少ない振動で動作させる技術です。この機能によって、造形品への影響を抑える効果が期待できます。

 

② マルチカラー対応

今後販売予定の、自動供給ボックス(QIDI BOX)と互換性があるとのことです。多色プリントできると、バリエーションも増えますね。

 

④ 簡単セットアップ

およそ組み上げられた状態で配送されるので、セットアップは簡単です。固定されているプラットフォームのビスを外したり、初期立ち上げ作業は必要ですが、およそ10分程度で完了します。

 

 

QIDI Plus 4の注意点

予め「注意しておきたい点」をご紹介します。

 

臭い・換気対策

最初のうちだけかもしれませんが、チャンバーのヒーターのためか、独特な機械の臭いがありました。

QIDI PLUS4レビュー_チャンバーファン

 

また、この機器に限った話ではありませんが、3Dプリント中は、有害物質が排出されるという懸念もあります。特にABSなどは、より有害という情報もあります。

 

そこで私の場合は、大きいカバーの中に機械を入れ、ファンダクトを通じて、外に排出するようにしています。

QIDI PLUS4レビュー_ファンダクト

 

この仕組みを作った際の動画もありますので、気になった方は参考にしてください。

関連動画:自宅に換気システムを作ってみた!

 

動作音・機械音

最大600mm/秒の高速プリンターなので、ある程度の動作音あります。

 

試しにカバーを開けた状態で、音量を計測してみます。すると、65dbから70dbの騒音値でした。

QIDI PLUS4レビュー_騒音計・騒音量

 

慣れればそこまで気にはならないですが、気になる場合は対策が必要です。PLAでプリントする場合は、カバーを分けた方がいいので、これくらいの想定をしておいた方が良いです。

 

続いて、カバーを閉めた状態で計測してみます。およそ60dbら65dbくらいになりました。

QIDI PLUS4レビュー_カバーを閉めて音量を計測

 

ABSやASAなどは、カバーを締めた方がいいので、この状況で想定しておくといいです。

 

続いて、さらに外にエンクロージャーをした状態でプリントしてみます。すると、56dbから59dbくらいに収まりました。

QIDI PLUS4レビュー_エンクロージャーを閉めて音量を計測

 

これくらいだと、かなり軽減できるので、夜中でもプリントできます。

 

大きさ・重量

QIDI Plus 4は、大きくて重いです。開梱時も重たすぎたので、2人でやりました。

 

プリント可能サイズは、最大305×305×280mmと広いので、その分サイズも大きくなります。重量も重く、27kgあります。

 

1人で機械を移動しようとすると怪我をする原因になりますので、2人以上で行うようにしましょう。

 

YouTubeで、本ブログの内容を分かりやすくを解説しています

 

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