ラフトが造形物から剥がせない場合の対処方法

PCラフトから剥がす

ラフトは通常「ペリペリッ」っとキレイに剥がれてくれるはずなんですが、ある理由で剥がしにくくなってしまうことがあります。

 

では何故剥がしにくくなってしまうのでしょうか?

 

今回は考えられる原因をまとめましたので、参考にしてみて下さい。

 

そもそもラフトとはなに?という方は、下記の記事をご覧ください。
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ラフトが剥がせない症状とは?

ラフトは、造形物とラフトの間に空白層(なにもない層)が設けられています。それによって通常であれば、手で簡単に剥がすことができます。

 

ところが何かしらの理由によって、空白層が押しつぶされてしまったり、樹脂同士の都合によって剥がれにくくなってしまいます。

 

もしラフトが剥がせないと、造形物ごと廃棄しなければならなかったり、無理に力を加えた時に「割れる」という症状も起きます。ケガをすることもありますので注意しましょう。

ラフトが剥がせない

 

原因および対処方法

ここからは原因および対処方法をご説明します。

 

1.樹脂の性質による原因

樹脂同士の接着性が高すぎると、ラフトが剥がしにくくなります。特に「TPU(ゴム系樹脂)」や「PP(ポリプロピレン)」に関しては、そもそもラフトの使用が困難となります。

 

ラフトの使用が難しい樹脂は、下記のものがあります。

・TPU(エラストマー樹脂)
・PP(ポリプロピレン)
・PA(ポリアミド、ナイロン)

 

この場合の対処方法は、スライサーソフト空白層を多めに設定することで、ラフトを除去しやすくします。

 

2.造形物とラフトの間隔が狭い

空白層がしっかり保たれていないと、剥がしにくくなります。

 

上記でご説明したとおり、造形物とラフトとの間には「空白層(スキマ層)」が存在します。その空白層がないと完全にくっ付いてしまい、ラフトを剥がすことが出来なくなります。

 

反対に空白層が広すぎると、造形物の1層目の仕上がりが悪くなってしまいます。
そのため「1層目の仕上がり」と「剥がしやすさ」とのバランスを見ながら調整する必要があります。

 

スライサーソフトによっては「ラフトとの距離(間隔)」を数値で調整することが出来ます。simplifyやideamakerというソフトではこの機能が搭載されており、ideamakerでは「0.01ミリ」単位で調整が出来ます。

<調整例>
・ABS:0.15mm~0.2mm
・PC:0.15mm~0.3mm
・PETG:0.18mm~0.3mm

 

3.1層目の流量・押出幅が多い

造形物の1層目の流量や押出幅が多いと、ラフトとくっついてしまいます。

 

ちなみに流量とは、ノズルから排出される吐出量のことで、押出幅とは造形線の太さのことを言います。これらはスライサーソフトで変更することが可能です。

 

定着性を良くしたい」場合や「底面を綺麗にしたい」という理由でこれらを上げることがありますが、上げすぎるとラフトへの接着性が高くなってしまい、剥がしにくくなることがあります。

 

そのため、数値を下げると非常に効果的です。

 

4.フィラメントが古い・吸湿している

フィラメントが古かったり、吸湿していたりすると割れやすくなることがあります。

 

フィラメントがこのような状態だと、強度が著しく低下します。それによりラフトを剥がす際に割れやすくなります。

 

試しにフィラメントを手で折ってみて下さい。
通常よりも簡単に折れてしまう場合は、新しいフィラメントに変えることをおすすめします。

フィラメントが折れやすくなっている

 

また、フィラメントを吸湿させにくくする防湿ツールを活用すると効果的です。

 

まとめ

原因 対処方法
1 樹脂の性質の違い ラフトに適した樹脂かどうかを確認する
2 造形物とラフトの間隔が狭い スライサーソフトの間隔値を調整する
3 造形物側の1層目の流量が多い 流量を調整する
4 フィラメントが古い・吸湿している フィラメントを除湿・交換する

 

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