そこで今回は、実際の使用感や細かいところをレビューしましたので、参考にしてください。
この記事で分かること↓
・ Saturn4の使用感、リアルな感想
・ Saturn4 Ultraとの違い
Elegoo Satun4について
精度や品質が安定している最もメジャーなシリーズで、人気の家庭向け3Dプリンターです。
「HALOT MAGE S」という近いスペックの3Dプリンターがあります。こちらの記事もご覧ください。↓
関連記事:Saturn 4 Ultra【VS】HALOT-MAGE Sの違いを徹底比較!
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大きな特徴【4選】
① オートレベリング
まずなんと言ってもオートレベリングに対応した点が、大きなメリットです。これまでの機種では、このように↓位置を調整を、手作業で行っていました。
ところがSaturn4では、手作業の調整をやる必要はなくなりました。Saturn4のビルドプラットフォームは、こんな感じでバネでテンションがかかっていて、パネルに押し当てることで、水平を出しているようです。
プリントを実行すると、毎回調整を行ってくれます。つまり普通に使っていれば、勝手に調整をしてくれるので、気にせずに使えばいいという感じです。
レベリングは、1分程度で終わるので、あまり気になりません。ありがたいですね。
実際に使ってみても、プリントの失敗が減った気がします。
オートレベリングは、FDMの方が、一足早く主流となりましたが、光造形も標準になっていきそうですね。この機能だけでも、この製品を買う大きな理由になると思います。
② センサー機能が豊富
特徴の2つ目は、センサー機能が充実している点です。
Saturn4では、「樹脂不足アラーム」「残渣検地アラーム」「レベリング不良アラーム」「セルフチェック機能」などの、センサー機能が充実しています。
樹脂不足アラームとは、バット内のレジンが少なくなると、自動で停止する機能です。試しに、レジンが無い状態でプリントを実行してみます。すると、このようなメッセージが表示されて、ちゃんと自動で停止しました。
↑最低限のレジン量がありません」という表示です音でも知らせてくれます。レジンを補充して再開することもできますし、中断することもできます。
「残差検地アラーム」とは、バット内に異物があると、停止してくれる機能です。試しにレジンバット上に物を置いて、プリントジョブを実行してみます。接触時に「ミシミシ」と音が鳴ったので、あまり試さないようにしてください。
すると異物を検知して、「プリントを中止しました」と表示され、印刷が中断されました。これもまた、音でお知らせしてくれます。
↑レジンバッドの底に失敗した造形物が残ることがありますが、そういった場合にも自動で検知してくれそうです。
またセルフチェック機能もあります。「LCDのモーターファン」「LEDライト」「LED温度検出」などの項目をチェックすることができます。
↑リリースフィルムの使用回数も確認できるので、使いすぎていないかどうかの判断もできそうです。
オートレベリングもそうですが、Saturn4では、センサー類の機能がしっかりと搭載されているようですね。
③ 使いやすい設計
特徴の3つ目は、「使いやすい設計」になっている点です。
まずビルドプレートは、レバーで解除・固定するタイプになっています。このようにレバー上げるだけで、アンロックをすることができます。
これまでの機種では、ノブダイヤルが一般的でした。
またレジンバッドは、こんな感じで、結構大きめです。レジンを戻す時に使う注ぎ口ですが、これが大きいです。雫がこぼれにくくなっていて、便利でした。ただ、バットの重量は重めなので、落とさないように注意しましょう。
表示パネルには、温度計の機能がありました。冬場なんかは、レジンを少し温めた方が失敗を減らすことができますので、参考になって便利です。
カバーはフリップカバーになっているので、手で押し上げるだけで簡単にカバーを開閉することができます。このように結構ガバッと開くので、ビルドプレートの交換作業はやりやすいですね。
↑ただ取手がついていないので、片手では開けにくいです。簡易的でもとっかかり部分は欲しかったです。
我が家でで使う時は、エンクロージャーに入れています。最大まで開けても問題はありません。
ちなみにエンクロージャー内で使うと、レジン臭が漏れにくくなったり、光の影響を受けにくくすることができるので、おすすめです。
④ 安い
特徴の4つ目は、安価な点です。
Saturn 4は、Ultraに比べて、安さにメリットがあります。Ultraは「速度が早い」「AIカメラ搭載」「Wi-Fi機能」などのメリットはありますが、その分価格は高くなります。
Saturn4にも、標準で「オートレベリング」「センサー検地機能」など最新の機能が搭載されているのに加えて、ウルトラよりも1万から1万5000円くらい価格が安いので、結構魅力的です。
テストプリントしてみた結果
今回は、ChituSystemsの水洗いレジン(グレー色)を使ってみます。ChituBoxを手掛けているChituSystemsが開発してるレジンです。IPAではなく水で流すタイプなので、手軽に使えます。
スライサー設定は、ボトルに表記されてる値を、参考に設定します↓。
また洗浄・2次硬化機は、CrealityのUW-03を使います、
今回初めて使ってみましたが、大容量なので、Saturn4のビルドプレートが、スッポリ収まります。高さの低いモデルであれば、丸洗いできますね。
まずは、ドラゴンのモデルをプリントしました。洗浄・2次硬化を終わらせている状態です。
サポートをプチプチと取っていきます。近くで見ると、細かいところまで、キレイに再現できています。さすが12Kですね。
ちょっとだけ、失敗事例もご紹介します。ドラゴンを2体作ったんですが、仕上がりに違いが出ちゃいました。
↓こっちは正常に仕上がったもの。
↓こっちは、失敗したもの。
これらの違いは、洗浄後の乾燥を、しっかり行っていなかったためです・・・。こんなこともあるんですね。
話を戻して、続いては、このようなフィギュアです↓。細かい装備アイテム部分が、しっかり表現されています。とってもキレイです。
Saturn4の注意点【4選】
① ネットワークに接続することができない
まず1つ目は「ネットワーク接続ができない」点です。
このようなUSBメモリが同梱されているので、データの受け渡しはこれを使います。
本体の右側面部にUSBポートがありますので、そこへ差し込んでデータを読み込みます。
Ultraには、Wi-Fiが搭載されていますので、もしネットワークを利用したい場合はそちらを検討するようにしましょう。
ただUSBメモリでの運用でもちゃんとプリントできますので、そこまで大きな問題ではありません。
② 日本語表示に対応していない
2つ目は、「日本語表示に対応していない」点です。
英語もしくは、中国語しか選択できません。とはいえ項目数は少ないですし、操作はそこまで難しくありませんので、慣れてしまえば特に問題ないと思います。
Ultraの方は日本語対応していますので、心配の方はそちらを選びます。
③ 空気清浄機・排出ファンが付いていない
3つ目は「空気清浄機・排出ファン」がついていない点です。
臭いや空気が気になるという方は、この辺りも注意が必要です。もし必要場合は、換気システムを整備すれば、臭いを外へ排出することができますので、そちらも検討してみてください。
換気システムについてはこちらの記事も参考にしてください。
関連記事:自宅に換気システムを作ってみた!
Saturn4 Ultraとの違い
Saturn4 Ultraとの違いを、解説していきます。
① リリース構造の違い
一つ目は、リリース構造の違いです。
リリース構造とは、レジンバッドから造形物を剥がしやすくする仕組みのことです。Ultraのチルトリリースは、レジンバット自体が昇降動作して、素早い剥離をすることができます。
この仕組みによってプリント速度が早くなります。
また、Saturn4はレジンバットは動きませんので、従来通りとなります。
② タッチスクリーンの違い
またタッチスクリーンのサイズが違い、Ultraの方が、やや大きめです。
タッチ方式も違っていて、Ultraの方はスマホに近い感覚です。抵抗膜式は使用環境によっても少し押し感が変わってきます。
③ AIカメラの有無
Ultraには、AIカメラが付いています。AIカメラでは、プリントの失敗や反りを検知することができます。
ただしカメラの見える範囲の検出はできても死角になっているところは難しいようです。
Saturn4 こんな人におすすめ
① 安いものを探している方
安い3Dプリンターを探している方です。
型落ちの安い3Dプリンターを買うのも手段ですが、この価格で最新機種を使うことができるのは、大きな魅力です。値引きをしていることもありますので、一度、現在の価格を確認してみることをおすすめします。
② プリント失敗の不安がある方
2つ目は、プリント失敗の不安がある方です。
センサー類が充実していますので、「手動でのレベリング調整に自信がない方」や「失敗した時のロスを減らしたい方」にはお勧めです。