3Dプリンターを活用するために必要なスキル

3Dプリンタースキルアップ

FDM方式の3Dプリンターを活用するためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか?

 

挙げればキリがありませんが、その中でも特に必要なスキルをピックアップしたいと思います。

 

① PDCAサイクルの考え方

PDCAサイクルという言葉をご存じでしょうか?

 

PDCAサイクルとは、「Plan(計画)、DO(実行)、Check(評価)、Action(改善)」を繰り返し行うという意味です。

PDCAサイクル

 

3Dプリンター活用のスキルを伸ばすには、このPDCAサイクルが必要です。

 

なぜなら、造形に失敗はつきものです。
そのたびに心が折れていたらスキルを伸ばす前に嫌になってしまうので、ある程度は「失敗ありき」で考えておくこと必要があります。

 

下記の記事は、トラブル対応をまとめたものです。こんな感じで失敗ともうまく付き合う必要があります。

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3Dプリンター造形失敗例、やきそば

 

そんな中で、一つおすすめしたい方法として「記録をとる」というのがあります。

 

下記は、私が造形するたびに記録しているメモです。

造形の記録例

 

このメモは「この条件でやったら」「どうなったか」を記録しています。

 

そうすることで、似たような症状が起きたときに役立ちますし、記憶にも残りやすいというメリットがあります。

 

面倒な作業ではありますので、「自分流に要点だけをまとめる」のが良いと思います。

 

② 3Dデータ作成スキル

設計画面

3Dデータを設計するスキルは非常に重要です。

 

設計ができないと3Dプリンターを活用する幅が大きく減ってしまうことになります。

 

中小企業でも、「3Dプリンターに興味はあるが、データを設計できる人材がいない」という声をよく聞きます。さすがに既成のデータをダウンロードしてばかりですと、行き詰ってしまいますよね。

 

しかしながら、安価なCADソフトやCGソフトが販売されつつありますし、フリーソフトでも設計はできます。もちろん複雑なものは知識と経験が必要ですが、「始めやすくなった」ことは間違いありません。

 

もしこれから始めるのであれば、無料で使い続けられる(非商用利用時)「Fusion360」をおすすめします。
Fusion360サイトへ

 

無料ながら、かなりの高機能なソフトを使用することができます。

 

一度試して、良いと感じれば有料版を購入するという流れが良いでしょう。

 

そして、教科書としておすすめしたいのが、下記の書籍です。
私も読んで実践しましたが、しばらく手放せなくなりました。

 

③ スライスソフトの操作スキル

3Dプリントする直前に「スライサーソフト」を使用します。

 

スライスソフトでは、主に「プリント条件の設定」と「プレビュー確認」を行います。

 

そこで特にどのような考え方が必要かをご紹介します。

 

イメージする力

スライスソフトで一番大切なのは「3Dプリントを頭の中でイメージすること」です。

 

  • 0.4mmの積層ピッチで積み上げると、横から見た時に、滑らかに仕上がるのかな?
  • 傾斜部分は、宙に浮いてしまうので、サポートがないと垂れ落ちちゃうかな?

などのように予めイメージすることです。

 

そして実際に造形してみて「答え合わせ」を行い、間違っていれば「修正・調整」を行います。

 

冒頭にも挙げましたが、ここで「PDCAサイクル」の考え方が必要になります。

 

置き向きを考える

下記の形状をプリントするとしたら、どのような置き向きにしますか?

造形

 

方法は、2つあります。

 

1つ目は、置き向きはそのままで、「サポートを建てて」造形する方法です。

近年の3Dプリンターは性能が良くなってきており、PLAABSなどはこれで問題ないかと思います。

 

ところが、サポートに向かない樹脂の場合はそうはいきません。

 

たとえば、エラストマーやPPなんかでは、サポートを使うと面が荒れやすくなります。

TPUサポートを剥がした面

 

そこで2つ目になりますが、「置き向き」を下記のように変更します。

 

FDM方式の3Dプリンターは、45度程度の傾斜であれば、比較的キレイに造形することが可能です。

 

つまり「置き向き」を考えることができれば、キレイに造形することができます。

 

それほど置き向きを考えるということは大切なスキルとなります。

 

④ 後加工スキル

よく行う「後加工」の作業には、「サポート除去」と「やすり掛け」があります。

 

失敗してしまうと、せっかくの造形が台無しになってしまいますので、ある程度のスキルが必要です。

 

サポート除去について

大きいモデルのサポートを除去することは簡単です。

 

例えば下記の写真は、手やラジオペンチで剥がすことが可能です。

大きいサポート除去

 

ところが小さい場合は注意が必要です。

 

下記の写真は、モデルが小さいのでサポート除去する際に折れてしまう可能性があります。

小さいモデルのサポート除去

 

このような場合は、サポートを一気にカットするのではなく、細かくカットしていく方が無難です。

 

また除去作業は、下記のような精密工具を使用する必要があります。

 

プリントされたら終わりと思いがちですが、サポート除去も丁寧に行う必要があります。

 

やすり掛けについて

やすり掛けを行うことで、表面を滑らかに仕上げることができます。

 

また、樹脂によっても仕上がりに違いがでますので、そのあたりの知識も必要になります。

 

やすり掛けは検証していますので、合わせてご覧ください。

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まとめ

項目 説明
PDCAサイクルで運用を行う 造形は失敗がつきもの。
そのつもりで運用するとスキルを伸ばしやすい
3Dデータ作成スキル フリーソフトや非商用利用無料などを利用して初めてみる
スライスソフトの操作スキル ・イメージする力
・置き向きを考える力
後加工スキル ・サポート除去
・ヤスリ掛け

 

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