家庭向け3Dプリンター「Ender-3」で、こんな症状に困っていませんか?
・ 剥がれたとしてもモデル部の仕上がりが悪い。
もしかすると「Creality Slicer」で調整が必要かもしれません。
この記事では、実際に「Ender-3 S1」↓を使って症状を確認しました。
おすすめの改善方法をご紹介していますので、ぜひ参考にして下さい。
動画でもサポート材を剥がしやすくする方法をご紹介しています↓
サポート材が剥がれないってどういうこと?
↓は、スカートを有効にして、サポート有りでプリントした結果です。
↑こんな感じでサポート部もしっかりプリントされます。
ちなみにスカートとは、モデルの周りにプリントされている「試し書き」のことです。
詳しくは↓の記事も参考にして下さい。
FDM(熱溶解積層)の3Dプリンターでよく使用されるラフトやスカートという機能はご存じでしょうか? 今回は、それぞれの「役割」や「使いどころ」なんかを詳しく解説したいと思います。 ラフトと[…]
では早速サポート部を剥がしていきます。
↑すると顎(あご)の部分はすんなり取り除けましたが、胴体の部分はガッチリくっ付いてしまいました。
原因は「モデル部とサポート部が近すぎる」ためです。
このあたりをスライサーソフトで調整していきます。
サポートを剥がしやすくする調整方法
スライサーソフトってなに?という方は↓の記事を参考にしてみて下さい。
スライサーソフト(スライスソフト)について、こんな疑問はないでしょうか? ・ スライサーソフトってなに?・ スライサーソフトには、どんな役割があるの?・ スライサーソフトを使いこなしたい。 本記事では、スライサー[…]
① テンプレート部分をクリックします。
② 「サポート」の歯車マークをクリックします。
③ 以下の3点にチェックを入れます。
1.サポートZ距離
2.サポート上部距離
3.サポート底部距離
↑「閉める」をクリックします。
④ 「サポートZ距離」の「サポート上部距離」を0.2mm→0.3mmに変更します。
⑤ あとはスライス・プレビューをした後に、プリントを開始します。
「サポート上部距離」ってなに?
↓左側の画像は、距離を2mmにした場合と、0.3mmにした場合の比較です。
↑値が大きくなるほど、「モデルとサポートの距離」が離れていることが分かります。
つまり値が大きいほど「剥がしやすく」なりますが、その反面「モデルの底面が荒れやすく」なりますので、バランスが非常に大切となります。
PLAの場合は、0.3mmの調整値で特に問題はありませんでした。
プリントした結果
↓胴体の部分も、手で楽に剥がすことができました。
取れにくい場合や、モデルの底面が荒れる場合は、値を再調整してみて下さい。0.25mmなどのように、100分の1まで値を調整をすることができました。
おまけ(ラフト有りで調整しようとした結果・・・)
簡単にその経緯をまとめますので、ご興味のある方はご覧ください。
↓ラフト付きでプリントしてみたところ「サポート部にラフトが」しっかりとくっついてしまい、取れなくなってしまいました。
↑わんちゃんの手足のラフトは問題なく剥がれています。
つまり「サポート部分のラフトだけ」ががっちり付いているのです。
↓原因を探るためにスライスしてみてみます。
↑左の画像を見ると、「5層目でサポート部分の1層目」がプリントされます。
また右の画像を見ると、「7層目でモデル部分の1層目」がプリントされています。
つまり「サポート部分はラフトに近い距離」となっており、またモデル部分は「ラフトから遠い距離」になっていることが分かります。
その結果、「モデル部分は剥がしやすいが、サポート部分は剥がれにくく」なってしまったようです。
Creality Slicerの各項目を試してみましたが、残念ながら「サポート部分をラフトから離す設定」は見つかりませんでした。
よりカンタンに剥がせるようにする方法
専用サポート材とは、「サポートのための専用フィラメント」です。

特徴としては「カンタンに剥がすことができる」上に、「モデルとの接点部がキレイに仕上がる」という特徴があります。
ただし、「複数のフィラメントが使える」装置が必要となります。こんなやつですね↓
最近の機種であれば、Bambulab A1という3Dプリンターがとても使いやすいのでオススメです。
専用サポート材については、こちら↓の記事を参考にしてください。
関連記事:手でカンタンに剥がせる「専用サポート材フィラメント」を使ってみた!
今回使った3Dプリンター
この機種は、多くの最新機能が搭載されていることに加えて、同梱されているスライサーソフトでは、細かい調整をすることができます。
企業向けを取り扱ってきた私がこれを買った時は、「家庭向け3Dプリンターでこれだけのことができるの?」とすごく驚きました。
↓セットアップレビューもしていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
近年では、安価な3Dプリンターが販売されるようになってきました。 安いと言っても最新の機能が使えたり、精度も向上しているので驚かされる一方です。 そこで今回は、Creality Ender-3[…]
今回使ったフィラメントについて
インターネットでも一番安価に購入することができるフィラメントとなっています。