3Dプリンターは、「家庭向け」と「業務向け」の2種類があります。
今回は、家庭向けと業務向け3Dプリンターの違いを、くわしく解説します。
主な違い一覧
項目 | 家庭用3Dプリンター | 業務用3Dプリンター | |
1 | 購入方法 | 家電量販店やネットショッピング | 専門サイトや法人へのお問い合わせ |
2 | 価格 | 数万円 | 数十万円~数百万円 |
3 | マニュアル・ アフターサービス |
やや弱い | 強い |
4 | 機能 | やや少ない | 多い |
5 | 造形できる大きさ | 小さい | 大きい |
6 | 組み立て | 手で組み立てる製品がある | 組み立て不要 |
7 | 使用できる樹脂 | ある程度限られる | 種類が多い製品もある |
8 | 外装カバー | 外装カバー無しのタイプがある | 外装カバーあり |
① 購入方法の違い
家庭用の場合
家庭用の3Dプリンターは、Amazonなどの「ネットショップ」で購入するケースがほとんどです。
<ここで買いたい!ネットショップ一覧↓>
● Amazon:安くて、購入のしやすさがメリット → 購入サイトへ
● SK本舗:サポート体制が充実、光造形多め → 購入サイトへ
● サンステラ:サポート体制が充実、FDM多め → 購入サイトへ
ネットショップで買うメリットは、「買いやすい」・「価格が安い」という点があります。とくにAmazonは、シーズンごとにセールをやっているので、そこがねらい目です。
一方でデメリットは、「商品を見ることができない」という点が挙げられます。
そのため、Youtubeや、ブログなどで、製品をしっかりと調べてから買う必要があります。
Youtube:P1S:3Dプリンターレビュー動画をみる
業務用の場合
業務用の場合は、以下の方法で購入します。
・ 法人へ問い合わせする
・ 展示会で申し込む
・ ショールームへ見に行く
業務用は、価格が高いので、より慎重になります。そのため、展示会やショールームへ足をはこび、見に行ってから購入するケースが多いです。
また、造形プリントのテスト(ベンチマーク)をやってもらうケースも多いです。オリジナルのデータで造形品を作ってもらい、仕上がり具合をみてから購入を検討することができます。
そして業務用では、「ものづくり補助金」を使うことができます。
「ものづくり補助金」とは、設備導入費の支援を受ける制度です。お得に機械を購入することが出来るので、是非利用したい制度ですね。
関連記事:ものづくり補助金サイト
② 価格の違い
家庭用の場合
家庭用は数万円から購入が可能です。また、フィラメントも安価なのが特徴です。
<おすすめの家庭用3Dプリンター>
近年では、3Dプリンターの「低価格化」と、「品質の向上」が、とても早く進んでいます。そのため、企業でも家庭向け3Dプリンターを購入するメリットは大きいです。
業務用の場合
業務用の場合は、およそ50万円からとなります。
ただ、3Dプリンターは、「価格が高いから性能が良い」とは言いきれません。
つまり、10万円くらいの3Dプリンターでも、100万円のものよりも性能が高いこともありえますので、購入前に、しっかり調べることが大切です。
またフィラメントは、家庭用よりも高くなるケースが多いですが、その分メーカーのサポートを受けれるケースが多いです。
③ マニュアル・アフターサポートの違い
マニュアルが日本語になっていないと、適正なセットアップができなくなります。また、日本人向けのサポート体制が整っていないとトラブルが発生した時に、困ってしまいます。
3Dプリンターのほとんどは、海外製なので、日本人向けに整備されているかが、ポイントとなります。
家庭用の場合
家庭用3Dプリンターの場合は、「どこから購入するか」によって、違いがあります。
安さだけで買ってしまうと、「マニュアルが英語のみ」「トラブルが起きた時の連絡先が無い」といったことも発生します。
しっかりとした日本の代理店から購入するのがオススメです。 その代理店が、マニュアルやサポート体制を整えているケースがあるからです。
<ここで買いたい!代理店一覧>
● SK本舗:サポート体制が充実、光造形に強い → 購入サイトへ
● サンステラ:サポート体制が充実、FDM強め → 購入サイトへ
業務用の場合
業務用の場合は、マニュアル・サポート体制が、整っていることがほとんどです。
3Dメーカーによっては、センドバックサービスや、オンサイト(訪問)サービスまで行っているところもあります。
「3Dプリントが停止するとまずい」「壊れたら、早くなおしてほしい」といった場合は、業務用3Dプリンターが良いです。
④ 機能の違い
近年では、家庭用3Dプリンターの方が多機能なな傾向があります。
ひと昔前までは、業務用3Dプリンターのスライサーソフトの方が多機能でしたが、最近は変わりつつありますね。
家庭用の場合
家庭用では、「マルチカラー」「マルチフィラメント」対応の3Dプリンターが主流です。
つまり、4種類から16種類のフィラメントをセットすることで、カラフルな作品を作ったり、剥がしやすいサポート材を使うことができます。
関連記事:【どんな機械?】Bambulab P1Sを徹底レビュー!
また家庭用であれば、光造形機もよく使われています。
光造形機は、レジンと言う液体の材料を使う方式ですが、近年では、オートレベリング機能や、ヒーター機能が搭載されたものなどがあります。

業務用の場合
業務用のFDMプリンターの場合は、マルチカラーはあまり普及していませんね。
100万円以下の3Dプリンターであれば、家庭用でもそこまで大きな差はありませんし、逆に家庭向けよりも機能が少ないこともあります。
⑤ 大きさの違い
プラットフォームのサイズは、とても大切です。
造形できるサイズが大きく変わりますので、購入前には必ず確認をしておきましょう。
家庭用の場合
業務用とくらべて、小さいものが多いです。
主流は、256×256×256mmのサイズですね。またそれよりも小さい3Dプリンターもあります。
関連記事:【どんな機械?】Bambulab P1Sを徹底レビュー!
ところが近年では、400×400×400mmのものも出てきていますので、大きいものを作りたい場合はこちらの方が良いです。
関連記事:【Creality Ender-5 MAX】どんな機械?
業務用の場合
業務用3Dプリンターの場合、さらに大きいものもあります。
1m角のものや、高さが2mまでプリントできるものもあります。
当然、価格は高くなりますので、企業が購入することがほとんどです。
⑥ 組み立ての違い
3Dプリンターは、筐体を組み立てなければならないものと、すでに組みあがっているものがあります。
家庭用の場合
数万円の3Dプリンターの場合、筐体を組み立てるものが多いです。
組み立ての手間はかかりますが、その分、割安に買うことができるので、家庭向けでは大きなメリットです。
<格安!組み立てする3Dプリンター↓>
・ Bambulab A1 : Amazonで見てみる。
・ Creality Hi Combo : Amazonで見てみる。
家庭用の場合でも、すでに組みあがっているものもありますので、面倒な場合はそちらがオススメです。
業務用の場合
業務用3Dプリンターの場合は、すでに組みあがっていることがほとんどです。
付属品をとりつけることもありますが、それらが心配な場合は、セットアップサービスを行っている販売店もあります。
⑦ 樹脂の違い
業務用3Dプリンターの方が、取り扱えるフィラメントの種類は多いです。
ですが、近年では、家庭用3Dプリンターでも多種多様なものが扱えるようになってきています。
家庭用の場合
家庭用の場合は、基本的に以下フィラメントを扱えます。このタイプは、エンクロージャー(外装)がなく、オープンフレームタイプのものとなります。
・ PLA/PET-G/TPU
<オープンフレームタイプのおすすめ3Dプリンター>
・ Bambulab A1 : Amazonで見てみる。
・ Bambulab A1 mini : Amazonで見てみる。
・ Creality Hi Combo : Amazonで見てみる。
また、エンクロージャーやチャンバー付きの3Dプリンターであれば、以下のフィラメントも扱えます。
・ ABS/PC/PLA-CF/ASA/PA
<エンクロージャータイプのおすすめ3Dプリンター>
業務用の場合
業務用の場合は、ピンキリまであります。
50万~100万くらいのものであれば、ABS/PC/PLA-CF/ASA/PAといったフィラメントでプリントできることが多いです。
また、それ以上のものであれば、より難易度が高い「エンジニアプラスチック」をプリントできるものもあります。
3Dプリンターのオススメの選び方
家庭用・業務用と呼ばれることもありますが、その枠にとらわれる必要はありません。
扱う方の目的・スキルや性格などで検討すると良いでしょう。
重視項目 | タイプ | 特徴 | |
① | 価格 | 家庭用 〇 業務用 △ |
・WEBサイトで、情報量の多い機種を選ぶと良い ・以前よりは、問い合わせ・サポートの品質は上がっている。 ・サポートを考えて、国内販売店から購入するのがオススメ。 |
② | 精度・品質 | 家庭用 △~〇 業務用 〇 |
・機種の選定がとても大切。 ・業務用であれば、購入前にテスト造形を依頼すると良い ・価格が高い |
③ | マニュアル サポート体制 |
家庭用 △~〇 業務用 〇 |
・問い合わせ窓口の確認 ・トラブル発生時に訪問してくれるかの確認 |