3Dプリンターでよくある失敗例・対処方法【光造形】

本記事は光造形向けです。
FDMの「造形失敗例・対処方法」は、こちらの記事も参考にして下さい。
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3Dプリンター造形失敗例、やきそば

 

この記事について

光造形の3Dプリンターでは、さまざまなトラブルが発生します。

 

そこで今回は、よくある造形の失敗例および対処方法をまとめました。

 

症状によって、目次からお探しください

 

 

プラットフォームに何もできていない

光造形、何もできていない

ジョブが完了した後に、プラットフォームに何もできていないということがあります。一瞬故障かと思ってびっくりしますよね。

 

考えられる原因と対処方法は下記の通りです。

 

<露光部品が故障していないか確認する>

発光部は、急に故障することもあります。
露光テストをする機能があるかと思いますので、確認してみましょう。

elegoo mars 2 pro UVライトテスト

 

<レジンタンクに造形物が残っていないか確認する>

レジンタンク内のフィルムに、不要な造形物が張り付いていることがあります。
その場合は、フィルムを傷つけないように「ゴム製やプラスチック製のスクレーパー」を使って、除去しましょう。

光造形レジンタンク内に残っている様子

 

<プラットフォームの位置調整が正しいか>

プラットフォームの「Z位置」が上にズレてしまっている可能性があります。
極端にズレていると、層が厚くなってしまいプラットフォームに定着してくれません。

 

機械の手順に則り、原点合わせをするようにしましょう。

 

<初期層(低層部)の露光時間を長くする>

スライサーソフトの「初期層の露光時間」は、もともと長く設定されているはずですが、改めて確認してみましょう。もし時間が短い場合は、30秒程度に変更してみて下さい。

 

<プラットフォームまたはレジンを温める>

レジンは、温めることで接着力が上がります。
基本的に、水洗いレジンは温めなくても問題ありませんが、通常のレジンであれば多少温めた方が良い場合があります。

 

対処方法は、40℃ほどの温水にボトルを浸します。
※実施する際は、必ずメーカーの説明書や注意点を確認してください。

 

モデル部が何もできていない

サポート部はできているが、モデル部分が何もできていないということもあります。

光造形、モデル部分が造形できていない

 

考えられる原因と対処方法は下記の通りです。

 

<露光時間を長くする>

露光時間を少し長くすることで、解決する場合があります。

 

2,3秒程度長くしてみましょう。

 

<サポートの密度を上げる>

サポート密度が低いと、症状が発生することがあります。
扱う機種や形状によりますが、密度を50%~60%程度にすることをおすすめします。

光造形サポート密度50%

 

<モデルを回転させる>

形状によりますが、サポートが極力つかない角度に回転させることをおすすめします。

モデルを回転させてサポートを付ける

 

 

プラットフォームから造形物が落ちる

規制液面法は、宙づり状態で造形されます

規制液面法

そのため、大きい造形物などは自重によって落下してしまう事があります。

 

基本的な対処方法は下記の通りです。

 

<プラットフォームの原点調整を行う>

Z軸の位置がズレていると、プラットフォームとの接着が弱まることがあります。
改めて、原点調整をしなおしてみましょう。

 

<初期層(低層部)の露光時間を長くする>

露光時間を長くすることで、硬化が進み、剥がれにくくなります。
スライサーソフトで初期層を「+10秒~+20秒」ほど長くしてみましょう。

 

<プラットフォーム、レジンを温める>

プラットフォームやレジンを温めることにより、接着力が増します。

 

40℃ほどで湯煎を行ってみましょう。
※実施する際は、必ずメーカーの説明書や注意点を確認してください。

 

プラットフォームから剥がれにくい

プラットフォームテーブルに「ガチガチ」にくっついてしまうことがあります。

elegoo mars 2 pro造形物取り外し

 

基本的な対処方法は下記の通りです。

 

<プラットフォームの原点調整を行う>

Z軸の位置がズレていると、不要にプラットフォームと発光部が近づいてしまいます。

 

その結果、強力に硬化してしまいます。

 

改めてZ軸のホームポジションを正しい位置に設定しなおしましょう。

 

<初期層(低層部)の露光時間を短くする>

露光時間が長いと、不要に硬化され、プラットフォームと造形物が接着してしまいます。
初期層の露光時間を短くしてみましょう。

 

 

造形物にサポート痕が残ってしまう

サポートを建てると、どうしても除去した痕が残ってしまいます。

光造形サポート痕

 

基本的な対処方法は下記の通りです。

 

<モデルを回転させる>

そもそもサポートを付けなければ、サポート痕は残りません。

 

光造形は、モデルを斜めに配置してもきれいに造ることができますので、その特徴を活かし「極力サポートがつかない置き方」をしましょう。

モデルを回転させてサポートを付ける

 

<サポートの設定を調整する>

スライサーソフトで、「サポートのサイズ」や「接触部のサイズ」を小さくすることができます。
小さくすることで、サポート痕を目立たなくすることができます。

光造形サポートおおきさの変更

 

積層痕が荒い

光造形は、積層痕は目立たないことが多いです。

 

しかし、設定次第では肉眼でも積層痕が見えることがあります。

 

より目立たなくしたい場合は、下記の設定を確認します。

 

<積層ピッチ(レイヤーの高さ)を下げる>

積層ピッチ(レイヤーの高さ)を0.05mm以下にしてみましょう
下記は、レイヤーの高さの違いです。

光造形積層ピッチ(レイヤーの高さ)の見え方の違い

 

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