ABS以外の造形物にもヤスリをかけてみたらどうなるのかを検証!!

ABSはもちろんですが、それ以外の樹脂にもヤスリをかけてみました。
果たして使えるのでしょうか?

ABS以外の樹脂にもヤスリをかけてみたらどうなるのかを検証!!

みなさんは紙ヤスリや耐水ペーパーを使ったことはありますか?

 

3Dプリンターでは、たびたび使う機会がありますので、今回はいくつかの樹脂で試してみます。

 

  • ヤスリの違いについて
  • どのようなヤスリを使うのが良いか
  • 色々な樹脂をヤスリがけしてみた結果

 

 

紙ヤスリについて

 

紙ヤスリは、目の粗さが数値化されており、それを「番手」と呼びます

 

目が粗い方が数字が少なくなり、目が細かいほど数値が多くなります。

 

最初は目の粗いのを使い、徐々に目の細かいヤスリに変えていきます。

 

名称 番手 備考
粗目 #40~#100 目がだいぶ粗いので、今回は使用しませんでした。
錆落としや、汚れ落としにも使用されます。
中目 #120~#240 今回は#120から使用しています。
細目 #320~#800 仕上げに良く、塗装前に使用することで塗装が剥がれにくくなるなどの
効果があります。今回も仕上げ用に使用してます。
極細目 #1000~#2000 プラスチック造形物ではあまり使用しなくても良いです。

 

種類について

紙ヤスリ

 

紙ヤスリとは、表面に研磨材をくっつけた工具の一つです。
使い易いサイズにカットして、プラスチックや木材をこすって使います。

 

ですが結果的には、造形物の研磨にはあまりおすすめしません。

 

というのも粗目の紙ヤスリをかけてみたのですが、強い力が必要な上、かなりの熱が発生しました。

 

とても削れる感じではありませんでしたし、ケガをしそうになります。

 

そこで、耐水ペーパーを使用することをおすすめします。

 

耐水ペーパー

耐水ペーパーはその名の通り、水に浸けながら研磨することができます。

 

その為、水が潤滑剤の役割をしてくれるので、強い力をかけずに研磨することができます。

 

ある程度の研磨は耐水ペーパーで行い、仕上げに紙ヤスリを使うのが良いですね。

 

また、紙ヤスリだと削ったカスを掃除するのに手間があるのに対し、耐水ペーパーは、水に沈んでくれるので、粉を掃除する手間が少なくて済みます。

 

少し余談ですが、冬場は水が冷たいので、温水でやりたいところだと思います。
ところが、あまり熱いとPLAの耐熱温度に近くなり、変形する可能性があるので注意してください。

 

検証する樹脂

今回は、下記の樹脂で造形したものを研磨してみました。

  樹脂 メーカー 商品名 商品
ABS Raise3D純正 プレミアムABS 商品はこちら
PLA Raise3D純正 プレミアムPLA 商品はこちら
PP(ポリプロピレン) BASF Ultrafuse PP Natural  
PA(ナイロン) Polymaker PolyMide CoPA 商品はこちら
PC(ポリカーボネート) Polymaker PolyMax PC 商品はこちら

検証開始

検証方法

予め、このようなモデルを樹脂の数だけ造形しておきます。

それを耐水ペーパーで研磨していきます。

 

ちなみに番手は、#120→#240→#400の順番で使用しました。

 

下記の項目で評価していき、最後に結果をまとめたいと思います。

  1. 研磨のし易さ
  2. 研磨後の効果
  3. 総合おすすめ度
  4. 補足

 

ABSを研磨

後加工に最も適していると言われるABSから始めます。
↓研磨前です。

まずは、#120からですね。

 

ファーストコンタクトは、「ゴリゴリ」した感触です。

 

水に浸けながらやれるというものあり、ストレスはそこまでありません。

 

そして、進めていくと「削れているなぁ」という手ごたえは非常にあります!

 

その証拠にABSの削ったカスが、桶の底に沈んでいます。

 

ぱっと見、滑らかなものが出来ました。

ほとんど#120を使用し、#240と#400は、最後に使用しました。

 

PLAを研磨

PLAだけなぜか赤色の樹脂で造形してしまいました。

PLAは後加工に向かないと言われていますね。

 

理由としては、硬いので削るのに不向きだからです。

 

では、実際のところはどうでしょうか?

 

これもやはり「ゴリゴリ」した感触ですが、表面が硬い感覚です。

 

本当に削れているのかよく分からず、あまり手ごたえがない感じです。

 

ただ、赤い色が水に付いているので、全く削れていないというわけではないようです。

 

そして、ふき取りをすると、なぜか表面が白くなってしまいました。

 

念のため、#240と#400を使用しましたが、表面は白いままとなりました。

 

PPを研磨

PPを研磨してみます。
↓研磨前です。

こちらも「ゴリゴリ」ではありますが、少し柔らかい樹脂の為、柔軟性が感じられます。

 

しかし透明な樹脂ということもあってか、削れているのかよく分かりません。

 

桶の中に沈んでいるのかも分かりませんでした。

 

見た目は変化はありませんでしたが、触った感触は滑らかになっていました。
 

 

PAを研磨

PAを研磨してみます。
↓研磨前です。

削っている感触としてはABSに近く、悪くありません。

 

ところが、ペーパーでふき取ったところ、表面が少しふやけた感触になりました。

 

おそらく吸水してしまいましたね。

 

PolymakerさんのCopaはナイロン6も含まれているので、吸水性はある程度あるのかなぁと思います。

 

削れることは削れますが、今回ばかりはサンドペーパーの方が良いかもしれません。

 

また、ふき取った後は、毛羽だってしまいました。

 

PCを研磨

これが、研磨する前です。

 

PCは、非常に強度があるため、研磨にむかないかな?と思っていました。

 

実際に削ると、「ゴリゴリ」した感触です。

 

感覚としては、ABSと非常に似ています。

 

研磨後は、非常に滑らかになりました。

 

強度など考えると、むしろABSよりも良い気がしてきました。

 

番外編:光造形品をヤスリがけする

ついでに、光造形機でつくったものもヤスリがけしてみました。

 

使った材料は、レジンを水で洗い落とすことのできる「水洗いレジン」です。

 

下の写真のようにサポート痕が目立つので、ヤスリで消したいと思います。

光造形 サポート痕

 

最初は300番の耐水ペーパーを使ったところ、ガンガン削れていきました。

 

結果は下記の通り。

造形やすりがけ

サポート痕は消えましたが、ヤスリのキズが残ってしまいました。

 

結果としては、削ることが可能です。
キズを残さないために、1000番以降の細かいペーパーを使用したほうがいいです。

 

結果

 

  ABS PLA PP PA PC
研磨のし易さ
研磨後の効果
総合おすすめ度 ×
補足 後加工向き 仕上がり悪い 意外と出来る 吸水する ABSに近い

当初の予想通り、ABSは非常に向いている結果となりました。
意外にもPCとPPは滑らかにすることができました。
PAは、サンドペーパーの方が良いと思います。

 

おすすめ耐水ペーパー

耐水ペーパーは、使い易くカットされていて、いくつかの番手がセットになっているものをおすすめします。

 

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同じ「後加工」の一つに、「接着」があります。
セメダインを使って、どの樹脂が接着に向いているのかを検証しましたので、ご覧ください。

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