ブリム(BRIM)とは? 効果・メリット・デメリットのまとめ

この記事について 【ブリム(BRIM)とは?】

ブリム(BRIM)とは、もともと「帽子の鍔(ツバ)」という意味があります。

 

FDM方式の3Dプリンターで言うブリムも、形だけで言うと似たようなイメージを持って頂いて問題ありません

 

今回は、ブリムとはどのようなものなのかをまとめました。

  • ブリムとは?
  • ブリムとラフトの違いってなに?
  • ブリムの効果、メリット
  • ブリムのデメリット
  • ブリムが適さない場合

 

 

ブリム(BRIM)とは?

ブリム(BRIM)とはスライスソフトの機能の一つで、造形物の接地面を広げることが出来ます。

 

下記の画像は、左がブリム無しで右がブリム有りの状態です。

ブリム有りの方は、造形物のまわりに接地面が広がっているのが確認出来ます。

 

ブリムとラフトの違いについて

スライサーソフトには「ラフト」という機能があります。

 

みなさんはブリムとラフトの違いはお分かりでしょうか?

 

実は下記のような違いがあります。

テーブルから造形物が剥がれないようにするための役割
底面や層をきれいに仕上げるための役割

 

厳密には兼ねる部分もありますが、主たる役割の違いはこのとおりになります。

 

またラフトには上記以外にもメリットがありますので、詳しくは下記の記事をご覧ください。
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ブリムの効果・メリット

  1. 造形物が剥がれにくくなる
  2. 使用するフィラメントの量が少なくて済む

 

造形物が剥がれにくくなる。

テーブルから剥がれにくくする効果があります。

 

一般的に、はがれやすい樹脂は、接地面積が広くすると効果的です。

 

そのため、全ての樹脂で使う必要はありません。

 

例えば、ABSPA(ナイロン))などに使用すると効果的な場合があります。

 

使用するフィラメントの量が少なくて済む

スライスソフトで、似た機能の一つに「ラフト」があります。

 

そのラフトよりも、使用するフィラメントの量は少なくて済みます。

 

 

ブリムのデメリット

  1. 造形完成後にブリムを除去する必要がある
  2. 効果がうすい場合がある

 

造形完成後に除去する必要がある

完成した造形物には、ブリムがくっ付いています。

 

それを除去する必要があります。

 

例えば下記の写真のとおり、造形物の周りにはブリムがくっついています。

除去するには、精密ニッパーなどでカットする必要があります。
 
ちなみに精密ニッパーとはプラモデルでパーツをカットする「小さいニッパー」のことです。

 

またニッパーで除去しきれなかった場合は、紙ヤスリなどでバリを除去します。

 

そして、サポート部がある場合は、ブリムの除去が楽になります。

 

どういうことかというと、下図のようなモデルをスライスしたとします。


この場合、ほとんどのブリムがサポート部にくっ付いてくれるので、除去が楽になります。

 

効果が薄い場合がある

ブリムでも、反り・剥がれを抑えられない場合があります。

 

その際は、ブリムの範囲を広げることが可能です。

 

少し範囲を広げ、剥がれが解消するかを確認して下さい。

 

また、どうしてもテーブルから浮いたり、剥がれたりしてしまう場合は、下記の記事を参考にして下さい。
最下層部に樹脂の反り対策を掲載しています。
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逆効果となってしまう事例

PP(ポリプロピレン)で造形する場合は、注意が必要です。

 

PPは、テーブルに接着させることが非常に困難です。

 

その為、テーブル上にPPテープを張り、その上に造形をします。

 

フィラメントとテープが同じ素材(PP)の為、しっかり接着します。

 

ところが、PPの収縮力でテープごと剥がしてしまうことがあります。

 

この状態で、ブリムを追加すると、余計にテーブルから剥がれます。

 

ちょっとイメージし難いかもしれませんが、「剥がれる・浮く」=「ブリム」ではない例を挙げさせてもらいました。

 

PPについて、造形テストを行いましたので、ご覧ください。
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まとめ

  項目 説明
ブリムとは? 接地面積を広げる機能
ブリムとラフトの違い ブリム⇒剥がれないようにする役割
ラフト⇒底面や層をきれいに仕上げる役割
ブリムのメリット ・剥がれないようにする役割
・フィラメント量が少なく済む
ブリムのデメリット ・ブリムを除去する必要がある
・効果がうすい場合もある

 

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