0.8mmノズルを実際に使ってみた結果

0.8mmノズル

もっと早く造形を終わらせたい」と思うことはありませんか?

 

大きいサイズを造形するときに、一度は思うことですよね。

 

そこで今回は「サイズの大きいノズルを使うとどのような影響を及ぼすか」を確認しました。
もちろん造形時間を短くすることも可能です。

 

0.8mmノズルとは?

0.8mmノズルは、この写真のように「穴の径が0.8mm」のノズルのことです。

ノズルの穴のサイズ

一般的な穴のサイズは「0.4mm」ですので、倍の大きさになります。

 

0.8mmノズルはインターネットでも販売されており、格安で購入することができます。

 

今回は色々作ってみたので、仕上がりなどを確認したいと思います。

 

実際に造形してみる モデル①

下記のようなモデルを造ってみます。どのような仕上がりになるのでしょうか?

0.8mmノズルで造形するモデル

 

早速ですが、造形結果を記載していきます。 分かりやすいように0.4mmノズルで造ったものと比較してみます。


<底面部>

0.8mmノズルと0.4mmノズルの造形比較_底面

シェル(壁)の線の太さが明らかに違うことがわかります。

 

0.8mmノズルと0.4mmノズルの比較_表面

線が太いために、細かいところが塗りつぶせていません。

 

0.8mmノズルと0.4mmノズルの比較_表面

こちらも同様に線の太さが違います。

 

これくらい小さいモデルには向いてませんね。

 


<積層面>

続いて積層面です。

0.8mmノズルと0.4mmノズルの比較_積層痕

積層ピッチ(レイヤーの高さ)に違いがあるので、0.8mmノズルの方が積層痕がめだっています。ちなみに0.8mmノズルは0.3mmピッチで、0.4mmノズルは0.2mmピッチで作成しています。

 


<造形時間について>

 

上記のモデルを作る時間に、大きな違いがありました。

ノズル径 積層ピッチ 造形時間
0.8mmノズル 0.3mmピッチ 1時間3分
0.4mmノズル 0.2mmピッチ 4時間43分

3時間以上も早くつくることができました。

 

実際に造形してみる モデル②

せっかく0.8mmノズルを使うので、もっと大きい物を作ってみます。

 

工具などを収納する大きめのケースです。

大きめのケース

 

では造形結果です。

0.8mmノズルでつくった大きいケース

結構きれいに仕上がりました。

 

下の写真は横から見た積層部です。

0.8mmノズルでつくった造形物_積層痕

ちょっと見にくいですが、あまり積層痕はめだっていません。

 

積層ピッチは0.6mmで作成しています。この大きさで6時間10分で造れましたので非常に早いです。

 

0.8mmノズルを使うメリット

ここでメリットやデメリットをまとめたいと思います。

 

1.造形時間が短くなる

なんといっても短時間でプリントできるという点です。

 

この写真のように1本あたりの造形線が太いので、早く塗りつぶすことができます。

0.8mmノズルの造形線

 

2.定着が良くなる

1本あたりの線がすごく太くなるので、プラットフォームへの定着が良くなります。

 

そのため、プラットフォームから造形物が剥がれるのを防ぐ事ができます。

 

0.8mmノズルのデメリット

1.造形線が目立つ

仕上がり結果でも比較したように、底面部や上面部(表面部)の造形線が目立ちます。

 

ですが0.8mmノズルで早く造形を終わらせて、後でヤスリがけをした方がトータル時間は短く済むケースもあります。

 

2.積層痕が目立つ

ノズルが大きいと積層ピッチも厚くできるので、積層痕が目立つことがあります

 

積層ピッチに関しては、薄くしても良いですし、厚くすることもできるので選択の幅があります。

 

積層痕をめだたないようにするコツは下記の記事でご紹介しています。
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3.端部にスキマが発生する

この写真のように、端部が塗りつぶしきれない箇所が発生します。

0.8mmノズル_スキマができる

こういった小さいモデルは0.4mmノズルがいいですね。

 

まとめ

ある程度大きいモデルを作る場合は、非常に効果的でした。

項目 説明
0.8mmノズルとは? 穴が0.8mmのノズルのこと
メリット 1.造形時間が短くなる。
2.定着が良くなる。
デメリット 1.造形線がめだつ。
2.積層痕がめだつ。
3.小さいモデルは、端部にスキマができる。

 

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