造形物の表面をキレイに仕上げる重要なポイント

積層痕の色による見え方の違い

3Dプリントの仕上がりで、こんな悩みはありませんか?

・ 積層痕(横から見た時の痕)が目立ってしまう。
・ 造形の線が目立ってしまう。
・ 見栄えを良くしたい。
・ 見栄えにツヤがほしい。

 

このような場合は、それぞれの症状にあった対応が必要かもしれません。

 

この記事では、見栄えを良くするための方法をご紹介しています。

 

仕上がりが良くない原因

仕上がりが良くない原因は、3つあります。

 

① 積層の解像度が荒い

1つ目は、作品を「」から見たときに荒く見えるケースです。

 

3Dプリンターは、層を積み上げて形をつくっていく技術です。これをアディティブマニュファクチャリングと言いますが、この構造はどの方式であっても変わりません。そのため、層の継ぎ目は必ず生まれてしまいます。

積層痕の見え方

 

そこで、層の解像度を高くすることで、キレイに見えるようにします。このあたりはテレビやパソコンのディスプレイと同じ考え方ができますね。

 

② 線の解像度が荒い

2つ目は、作品を「上または下」から見たときに荒く見えるケースです。

 

3Dプリントでは、ノズルという「穴のサイズ」が決まっているパーツから樹脂が排出されます。径のサイズは、0.2mmや0.4mmや0.8mmのように違いがあります。

ノズル径の違い

 

このサイズが大きくなればなるほど、上から見たときに荒く見えます。

0.2mmノズルと0.6mmノズルの線の比較画像

 

③ バリや糸引きが残る

3つ目は、作品にバリや糸引きが残ってしまうケースです。

 

3Dプリンターの造形プロセスでは、バリや糸引きが残ってしまうことがあります。これを100%防ぐことはとても難しいため、少なからず「バリ取り作業」が必要になります。

エッジニッパー MEN-115_バリの例

 

引き続き、キレイに見せる対策をご紹介していきます。

 

表面をキレイに仕上げる対策

ここからは表面をキレイに仕上げる方法を、5つほどご紹介していきます。

 

1.ノズルサイズを変更する

サイズの小さいノズルに交換することで、仕上がりを良くすることができます。

 

サイズを小さくすれば、造形線をハードウェア(物理)的にしぼることができます。たとえば、細いクレヨンやペンを使うと繊細な絵を書くことができますよね。3Dプリンターでも同じことが言えます。

 

ノズルの交換方法は↓でご紹介していますので、ご覧ください。

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2.スライサーソフトで調整する

ソフトウェア的に調整することができます。ここでは2つほどご紹介します。

 

① 1層あたりの厚みを薄くする

1つ目は「1層あたりの厚み」を薄くすることです。

 

この厚みのことを「積層ピッチ」や「レイヤーの高さ」と呼ぶことがあります。スライサーソフトの中では、もっとも重要な設定項目のひとつですので、覚えておきましょう。

 

この積層ピッチの値を下げることで、積層痕(せきそうこん)を目立たなくすることができます。デメリットとしては、プリント時間が長くなります。

積層ピッチごとの積層痕の見え方の違い

 

② 押出幅の値を下げる

2つ目は「押出幅の値」を下げることです。

 

押出幅とは「ノズルから排出する線の太さ」のことです。つまり0.4mmのノズルを装着している場合は、基本的に押出幅は0.4mmになります。ところが、ソフトウェア上でこの値を変えると、実際の線の太さを変えることができます。

押出幅の違い

 

変更方法は、スライサーソフトによって異なります。たとえばパーセント表記のソフトの場合、100%から140%に変更することで、0.4mmノズルの場合であれば「0.56mm」の造形線がプリントされます。

 

押出幅について詳細が気になる方は↓の記事もごらんください。

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つまり、ハードウェア的に調整したい場合は「ノズルサイズ」を、ソフトウェア的に調整したい場合は、スライサーソフトの「押出幅の値」を変更します。

 

3.バリ取りをする

出来あがった作品に、ささくれのようなものが残っている場合は、除去します。

 

バリ取りは、スランターナイフやエッジニッパーなどの工具を使うことで、痕が残りにくくすることができます。手でムリヤリ除去してしまうと汚くなってしまうことがあるので、注意しましょう。

 

バリの取り方法は↓を参考にしてください。

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4.ヤスリ掛けをする

作品にヤスリがけをすると、キレイにみせることができます。

 

材料はプラスチックですので、削ったり・穴を空けるなどの加工をすることができます。下の写真は、ヤスリがけする前と後の比較ですが、とても滑らかに仕上がっていることがわかります。

ヤスリ掛けされた造形物とされていない造形物

 

ただし、全てのプラスチックに対して、研磨が効果的というわけではありません。たとえば、もっとも多く使われているPLAというフィラメントは、研磨には向いていません。その一方で、ABSやPC(ポリカーボネート)は研磨に向いています。

 

このあたりの「樹脂の特性」を理解した上で、使うフィラメントを決めると良いでしょう。

 

いろいろな樹脂にヤスリがけをしてみましたので、ご興味があればお読みください↓

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5.ラッカースプレーを使う

作品に、ラッカースプレーを吹きかけることで、光沢を出すことができます。

 

市販されているラッカースプレーを吹きかけると↓のようにになります。積層痕がなくなるわけではありませんが、光沢感がでて、見栄えがとても変わります。

ABS黒、ベンチマーク用船にラッカースプレー

 

いろいろな作品にラッカースプレーを使ってみましたので、ご興味がある方は↓をご覧ください。

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まとめ

本記事でご紹介した内容をまとめます。
項目 詳細
仕上がりが良くない原因 ① 積層の解像度が荒い
② 造形線の解像度が荒い。
③ バリや糸引きが残っている。
表面をキレイに仕上げる対策 1.ノズルサイズを変更する。
2.スライサーソフトで調整する。
3.バリ取りをする
4.ヤスリがけをする。
5.ラッカースプレーをする。

 

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対処方法を↓にまとまめましたので、ぜひご覧ください。

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