今回はFDM方式の3Dプリンターで「とにかく頑丈なものを造形するコツ」をまとめます。
①樹脂を選ぶ
どの樹脂を使用するかが、一番重要なポイントになります。
強度を求める場合は、下記の特性が高いものを選ぶようにしましょう。
※リンクをクリックして頂くと樹脂例も表示されます。
強度が高いフィラメントも安価に購入することができるようになりました。
②充填形状を選ぶ
スライサーソフトで、充填形状を選ぶことによって、強度を高めることができます。
例えば下記のような「同心円状」という形状があります。
また一方で、下記のような「ジャイロイド」という形状があります。
またの名を「ジャイロイド構造」とも呼ばれますが、3方向に無限に連結する構造です。
層ごとに縦にも横にも自然な流れで連結しているので、非常に強度が高い形状です。
その他に強度が高いものに「ハニカム構造」や「格子状」などがありますので、目的に応じて選ぶようにしましょう。
3DプリンターのFDM(熱溶解積層)方式では、よく使用するワードとして、流量や充填率があります。それらの設定を調整することで、様々な種類の造形が可能になります。用語の意味や特徴などを、実体験の情報を元に解説したいと思います。 &nbs[…]
③充填密度を増やす
またの名を「充填率(じゅうてんりつ)」とも呼びます。この数値を上げることで、強度を高めることができます。
3DプリンターのFDM(熱溶解積層)方式では、よく使用するワードとして、流量や充填率があります。それらの設定を調整することで、様々な種類の造形が可能になります。用語の意味や特徴などを、実体験の情報を元に解説したいと思います。 &nbs[…]
- 造形時間が増える
- 重量が増える
- 使用するフィラメントの量が増える
- 造形難易度が高くなるケースがある
特に4つ目の「造形難易度が高くなるケースがある」という部分は、使う樹脂によって変わります。
④流量を増やす
3Dプリンターで造ったものに強い力を加えると「積層間で割れる」ということが起きます。
たとえば下の写真は、強い力を加えた結果、積層割れしたケースです。
3Dプリンターの構造上、上記の写真のように、線と線の接着部はどうしても弱くなってしまいます。
確かにその通りで、樹脂の限界があります。
通常、スライサーソフトでの流量は100%なので、それを110%~120%程度変更をします。
というのも「外壁」や「1層目」などの流量も増やしてしまうと、見栄えや定着具合に影響がでるためです。
⑤モデルの置き方を考える
上でも少しご説明しましたが、積層間は強度が低いため、力を加えると割れやすくなります。
たとえば板を造形する場合、どちらの方が割れにくいでしょうか?
まとめ
造ったものが脆い・割れやすいなどが起きる場合は、各項目を再確認してみてください。
項目 | 説明 | |
① | 樹脂を選ぶ | 強度特性の高い樹脂を選ぶ ・耐衝撃性 ・耐摩耗性 ・靭性 ・機械的特性 |
② | 充填形状を選ぶ | ハニカム構造やジャイロイド構造を選ぶ |
③ | 充填密度を増やす | 充填密度を増やすことで強度を高められる デメリットにも注意する |
④ | 流量を増やす | 1本あたりの線を太くして接着力を高める |
⑤ | モデルの置き方を考える | 積層割れに強い置き方をする |