冷却ファンは仕上がりに影響する!?【検証】

3Dプリンターには、排出された樹脂を冷やすためのファンが取り付けられています。

3Dプリンター冷却ファン

 

このファンが有るのと無いのとで、どのような違いが発生するのでしょうか?

 

今回は、いくつかの樹脂で実際に試してみます。

 

この記事で分かること

  • 冷却ファンの種類・役割
  • ファンをONまたはOFFにしたときの造形結果(PLA
  • ファンをONまたはOFFにしたときの造形結果(ABS
  • ファンをONまたはOFFにしたときの造形結果(PC

 

冷却ファンの種類・役割

3Dプリンターには、主に2種類のファンがとりつけられています。

 

1つ目が「フィラメントを冷やすためのファン」です。
これは固形フィラメントへ向けて送風しています。

ヒートシンク冷却ファン

フィラメントは、ある程度「硬く」なっていないと下へ送り込むことができません。もしこの冷却ファンがないと、ノズルヒーター部の熱が伝わってしまい「フィラメントが柔らかくなって」しまいます。

 

2つ目が、「排出後の樹脂を冷やすためのファン」です。
※今回は、こちらのファンのON/OFFを検証します。

樹脂冷却ファン

ノズルから排出されたばかりの樹脂は高温のため、これで冷やします。もし冷やさないと「表面が荒れる」などの症状がおきます。

 

検証の準備

モデル形状について

今回の検証で使うモデルです。

検証用の設計データ

オーバーハング部分と、横穴や表面を確認したいと思います。
ちなみに造形する際の置き向きは、写真のとおりです。

 

造形結果

それでは造形結果を、樹脂ごとに確認していきます。

 

PLAの場合

ファンをONにした場合とOFFにした場合の仕上がり

下から見たところは、光の加減で見え方が変わるため、2パターン撮っています。
ファンをOFFにしている方は、オーバーハング部分が荒れていることが分かりますね。

 

横から上からみたところ

横から見たところと上から見たところでは、あまり違いは感じられませんでした。

 

ABSの場合

ABSのファンをONにした時とOFFにした時の仕上がりの違い

ABSでも同様に、ファンがONになっている方がきれいに仕上がっています。

 

ABS横からと上から見た違い

こちらもPLAと同様で、表面の仕上がりに大きな違いが見られませんでした。

 

PC(ポリカーボネート)の場合

PCファンをONにした時とOFFにした時の違い

ポリカーボネートでは、あまり違いは見られませんでした。
※コゲているところは気にしないでください。

 

ポリカ横からと上から見た時

こちらも表面の仕上がりに大きな違いはありませんでした。

 

確認できたこと

  • 冷却ファンをOFFにしている場合は、オーバーハング部分が荒れやすくなる
  • 迷った場合は、とりあえずONにしておいた方が無難

 

冷却ファン不良で起こること

冷却ファンが機能していないと、今回試したような症状が起きます。

 

しかしさらにひどくなると、下記のような仕上がりになることもあります。

ファンを使用しなかった造形例PLA

表面が荒れていることがわかります。

 

そのため、冷却ファンの状態を定期的に確認することが大切だと感じます。

  • 羽に樹脂のカス、ゴミが絡まっていないか?
  • 回転速度が遅くないか?
  • 羽がまわっているか?
  • 異音が鳴っていないか?

上記のような場合は、「清掃」をしたり「交換」をする必要があります。

 

ファン自体は安いものが使われていることがほとんどなので、状況に応じて交換しましょう。

 

まとめ

項目 説明
冷却ファンの種類、役割 ① フィラメントを冷却するためのファン
② 排出後の樹脂を冷やすためのファン
PLAの場合 ・オーバーハング部分で違いがあった
※ONの方がきれいに仕上がる
ABSの場合 ・オーバーハング部分で違いがあった
※ONの方がきれいに仕上がる
PCの場合 ・あまり違いは見られなかった