今回はいくつかの樹脂を使用して、実際に試してみます。
この記事で分かること
冷却ファンの種類・役割
↓1つ目が「フィラメントを冷やすためのファン」です。
フィラメントは、ある程度「硬く」なっていないと下へ送り込むことができません。もしこの冷却ファンがないと、ノズルヒーター部の熱が伝わってしまい「フィラメントが柔らかくなって」しまいます。
↓2つ目が、「排出後の樹脂を冷やすためのファン」です。
↑今回は、こちらのファンを検証します。
ノズルから排出されたばかりの樹脂は高温のため、これで冷やします。冷やされない場合は「表面が荒れる」などの症状がおきます。
↓は、家庭向けEnder-3の冷却ファンです。
↑プリンターのメーカー・機種によって、取り付け場所に違いがあります。
検証の準備
モデル形状について
今回の検証で使うモデルです。
オーバーハング部分と、横穴や表面を確認したいと思います。
ちなみに造形する際の置き向きは、写真のとおりです。
造形結果
それでは造形結果を、樹脂ごとに確認していきます。
PLAの場合
ファンをOFFにしている方は、少しオーバーハング部分が荒れている気がします。
ABSの場合
PC(ポリカーボネート)の場合
※コゲているところは気にしないでください。
確認できたこと
- 冷却ファンをOFFにしている場合は、オーバーハング部分が荒れやすくなる。
- 迷った場合は、とりあえずONにしておいた方が無難。
冷却ファン不良を未然に防ぐために
さらにひどくなると、↓ような仕上がりになることもあります。
↑表面が荒れていることがわかります。
定期的にメンテナンスをする
冷却ファンの状態を定期的に確認することが大切です。
チェック項目
① 羽に樹脂のカス、ゴミが絡まっていないか?
→ もしファンの羽に絡まっている場合は、機械を停止させ、ピンセットで除去しましょう。
② 回転速度が遅くないか?
→ ファンが壊れかかっている可能性があります。交換しましょう。
③ 羽が回転しているか?
→ 機械を停止させ、コネクターの再接続を行います。復旧しない場合はファンを交換する必要があります。
④ 異音が鳴っていないか?
→ ゴミやホコリを除去し、異音が治まるか確認します。復旧しない場合はファンを交換する必要があります。
ファンを交換する
ファンを清掃しても復旧しない場合は、交換となります。
ファン単体で交換できない場合は、エクストルーダーでの交換になります。
あると便利な工具
ファン清掃や交換によく使用される工具をご紹介します。
まとめ
項目 | 説明 | |
① | 冷却ファンの種類、役割 | ① フィラメントを冷却するためのファン ② 排出後の樹脂を冷やすためのファン |
② | PLAの場合 | ・オーバーハング部分で違いがあった ※ONの方がきれいに仕上がる |
③ | ABSの場合 | ・オーバーハング部分で違いがあった ※ONの方がきれいに仕上がる |
④ | PCの場合 | ・あまり違いは見られなかった |
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