「サポート材の除去」について、こんなお困りごとはありませんか?
・ 工具の選び方がわからない。
この記事では「サポートの除去に必要な工具」をご紹介しています。
私自身、3Dプリンターの修理・サポートのお仕事をしておりますので、少しでも参考になれば幸いです。
サポートを除去する3つの方法
① 水で溶かす方法
1つ目は、水で溶かす方法です。
PVA(ポリビニルアルコール)という樹脂をサポート部に使うことで、水で溶かすことができます。手で除去しにくい形状に使うと効果的です。
ところが「デュアルノズルのプリンターを使う必要がある」「調整難易度が高い」「PLAにしか使えない」というデメリットがありますので、商用3Dプリンターで使われることが多いです。
② 溶剤で溶かす方法
2つ目は、溶剤で溶かす方法です。
水溶性サポート材が「水で溶かす」だったのに対し、こちらは「溶剤で溶かす」方法です。たとえば、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)という樹脂をサポート部に使い、それをリモネンという「溶剤」で溶かすことができます。
こちらは、ABSにも使えるというメリットがありますが「溶剤は扱いにくい」「造形物の内部(インフィル部)に入り込むと除去が困難」と言ったデメリットがあります。
③ 手や工具で除去する方法
3つ目は、手や工具で除去する方法です。
これが最もポピュラーな方法です。「コストが安い」「精度が高い」「短時間」というメリットがありますが、「ケガをし易い」「複雑な形状に向いていない」というデメリットもあります。
本記事では③の方法について、便利な工具をご紹介していきます。
おすすめ工具5選
1.精密ニッパー(エッジニッパー)
① 精密ニッパーを選ぶ
精密ニッパーを選びましょう。
精密なニッパーは、先端の刃が小さくなっているので、サポート材とモデルのすき間に入れやすいです。サイズの大きいニッパーは選ばないようにしましょう。
② 刃がフラットなものを選ぶ
刃がフラットになっているものを選びましょう。
サポートを取ったあとは「細かいバリ」が残るので、これらを除去する必要があります。刃の部分が湾曲していると、除去しきれないことがあります。
そのため、刃が「フラットになっているもの」を選ぶようにするのがポイントです。フラットになっているとバリを根元からカットしやすくなります。
おすすめは「ツノダのエッジニッパー」という商品です。商品レビューしましたので、↓の記事を参考にしてください。
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2.精密ラジオペンチ
① 先端が細いもの
先端が細いものを選びましょう。
先端が細いと、サポート部のすき間に入れやすくなります。奥まった形状にもアクセスしやすくなりますので、気にすべきポイントです。
② 軽量で、動きが滑らかなもの
軽量で、動きが滑らかなものを選びましょう。
工具の中は、ラジオペンチは重くなりがちです。片手で「開く・閉じる」の動作をしなければならないので、軽量なものを選ぶようにしましょう。 また動作が滑らかな方が、圧倒的に使いやすいのもポイントになります。
3.バリ取りナイフ(スラントナイフ)
① 力を入れやすい
力を入れやすいグリップになっています。
バリを除去するには、しっかりと力を入れる必要があります。スラントナイフは、えんぴつのように握りやすいグリップをしていることに加えて、カッターナイフのようなガタツキがありません。
② 先端が鋭利になっている
先端が鋭利になっています。
バリ取りにも向いていますが、プラットフォームに張り付きすぎた造形線を剥がすのにも使えます。スクレーパーよりも鋭いので、その代わりにすることもできます。
③ 価格が安い
価格が安いです。
カッターナイフと比較しても低価格な割に、「バリ取り」や「造形線はがし」にも使えるので、コストパフォーマンスに優れたツールです。
4.ハンダ作業補助器具(ソルダーエイド)
① 1本で二役こなす
1本で2つの役割をこなします。
片方は「ナイフ」、もう片方は「スクレーパー」として使うことができます。刃はスラントナイフの方が鋭いかと思いますが、この価格で2役こなすのでコストパフォーマンすは良いと感じます。ただし、サイズは細めなので使いどころを選びます。
5.ピンセット
① 精密ピンセットを選ぶ
精密ピンセットを選びましょう。
精密ピンセットとは、プラモデルや医療現場で使われているような、先端の鋭いピンセットのことです。カットした後のバリや、糸引きの除去に使用します。
② ストレートタイプを選ぶ
ストレートタイプを選びましょう。
ピンセットは「ストレートタイプ」や「ツル首タイプ」などがあります。ツル首タイプは、先端が曲がっている形状ですが、造形物によっては、奥まったところにアクセスしにくくなってしまうため、ストレートタイプをおすすめします。
もし迷った場合には、セットになった商品を選んでも良いでしょう。
これだけは揃えておきたい工具
私の経験では、以下の2点です。
② エッジニッパー
ラジオペンチは、サポート材を「ひっぺがす」場合にほぼ必須です。また剥がした後のバリ取りに、エッジニッパーが必要となります。
つまりこの2つは使う頻度が高いため、良いものを準備しておきましょう。
また、安価なものを使ってしまうと、あまり良くありません。以下の写真は、刃がかみ合っていないニッパーの例です。これを使うと中途半端にバリが残ってしまいます。
もちろん資金に余裕のある方は、ご紹介したような工具を使うことをおすすめします。ですが優先的に揃えたいという方は、参考にしてみてください。
どれを選んでいいか分からない場合
そこで、HOZAN(ホーザン)が、3Dプリンター向けの工具セットを販売しています。私もこのメーカーを使っていますが、品質が良いので、迷ってしまう方にはおすすめです。
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