家庭向け3Dプリンター「Ender-3」で、こんな症状に困っていませんか?
・ 1層目の仕上がりが良くない。
もしかすると「Creality Slicer」で調整が必要かもしれません。
この記事では、実際に「Ender-3 S1」↓を使って症状を確認しました。
おすすめの改善方法をご紹介していますので、ぜひ参考にして下さい。
サポート接触面の仕上がりが悪い例
例えば↓のモデルをプリントするとします。
↓このままプリントすると中空の部分は、樹脂が垂れ落ちてしまいます。
↑※写真は、垂れていません。
そのため通常であれば↓のように「サポート」を建てます。
↓そしてサポート部を取り外して、完成となります。
↓ところが、サポートと接触していたモデル面の仕上がりが良くないことがあります。
↑造形線が乱れています。
モデル面をキレイにプリントする方法
1.「サポート上部距離」を調整する。
Creality Slicerというスライサーソフトには、「モデルとサポートの距離」を細かく調整することができます。
この値を適正にすることで、モデル面をキレイにプリントすることができます。
詳しい調整方法は↓の記事にまとめていますので、参考にして下さい。
家庭向け3Dプリンター「Ender-3」で、こんな症状に困っていませんか? ・ サポート材がうまく剥がれない、剥がしにくい。 ・ 剥がれたとしてもモデル部の仕上がりが悪い。 もしかすると「Creality […]
2.「サポートルーフ密度」を調整する
Creality Slicerでは、「サポート部の上面の密度」を調整することができます。
この調整項目を「サポートルーフ密度」と言いますが、その役割をご紹介します。
サポートルーフ密度の役割
例えば↓のモデルをプリントするとします。
↑モデルを支えるサポート部が存在します。
↓スライス処理をして、断面図を見てみます。
↑途中の層までは、サポート部は20%の密度でプリントされるので、比較的スカスカです。
↓そのまま上層部にスライドさせていくと、サポート部の密度が濃くなります。
↑今回の例では、密度を80%を設定しています。
これによりサポートの最上面が高密度になるため、「モデルの底面が安定して」プリントされます。また、サポート低層部の密度は少ないままですので、フィラメントの無駄遣いを防止できるというオマケ付きです。
設定手順
それでは、サポートルーフ密度を設定する手順をご紹介します。
① 「準備する」→テンプレートをクリックします。
② 「サポート」の歯車マークをクリックします。
③
1.「サポートルーフを有効にする」にチェックを入れます。
2.「サポートルーフ密度」にチェックを入れます。
3.「閉める」をクリックします。
④
1.「サポートルーフを有効にする」にチェックを入れます。
2.「サポートルーフ密度」を値を書き換えます。
↑PLAであれば、サポートルーフ密度を60%~80%程度にするのがおすすめです。
⑤
1.「スライス」ボタンをクリックします。
2.「プレビュー」ボタンをクリックします。
⑥ 層を下げ、高密度になっていることを確認します。
実際の画像
↓はサポートルーフ密度を比較した写真です。
↑サポートの表面の密度が違うことが分かります。
↓は、サポート部分が接するモデル面の写真です。
↑80%密度のほうが、仕上がりが少し良い気がしますね。
PLAを使いましたが、サポート部の剥がれやすさにあまり違いはありませんでした。
3.サポート水平展開を有効にする
サポート水平展開を有効にすると、「サポート面の範囲を広げる」ことができます。
サポート水平展開の役割ってなに?
↓通常どおりにサポートを建てた状態です。
↓は、サポート水平展開を有効にした状態です。
↑通常のサポートと比較すると、サポートの広さがXY軸に広がっていることが分かります。
この設定を行うことで、モデル面の精度が上がります。
例えば↓は、設定をしていないものとしたもので比較した写真です。
↑左の写真では、一部の造形線が浮きましたが、右はキレイにまとまっています。※モデルの形状によって仕上がりは変わります。
設定手順
それではサポート水平展開の設定手順です。
① 「準備する」→テンプレートをクリックします。
② 「サポート」の歯車マークをクリックします。
③
1.「サポート水平展開」にチェックをいれます。
2.「閉める」をクリックします。
④ 「サポート水平展開」の値を0mmから0.7mmに変更します。
↑PLAであれば0.7mm前後で良いかと思います。
フィラメントについて
インターネットでも一番安価に購入することができるフィラメントとなっています。
使用した3Dプリンター
この機種は、多くの最新機能が搭載されていることに加えて、同梱されているスライサーソフトでは、細かい調整をすることができます。
今まで企業向けのプリンターを主に取り扱ってまいりましたが、「家庭向け3Dプリンターでこれだけのことができるの?」とすごく驚きました。
↓セットアップレビューもしていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
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