家庭用と業務用3Dプリンターは何が違う?違いを徹底比較

家庭用・業務用3Dプリンター

 

家庭用と業務用3Dプリンターは何が違う?
違いを徹底比較

家庭用3Dプリンターは、気軽にネットショッピングで購入することができるようになりました。加えて手頃な価格になっており、少しずつ身近な存在になってきていますね。

 

対して業務用3Dプリンターは、購入方法が違ったり、価格が高いなどがありますが、他にどのような違いがあるのでしょうか? 今回は一番身近なFDM方式の3Dプリンターにターゲットをしぼり比較します。

 

主な違い一覧

項目 家庭用3Dプリンター 業務用3Dプリンター
購入方法 家電量販店やネットショッピング 専門サイトや法人へのお問い合わせ
2 価格 数万円 数十万円~数百万円
3 マニュアル・
アフターサービス
弱い 強い
4 機能 少ない 多い
5 造形できる大きさ 小さい 大きい
6 組み立て 手で組み立てる製品がある 組み立て不要
7 使用できる樹脂 ある程度限られる 種類が多い製品もある
8 外装カバー 外装カバー無しのタイプがある 外装カバーあり

 

① 購入方法の違い

<家庭用>

家庭用の3Dプリンターは、Amazonや楽天などの「ネットショップ」で購入するケースがほとんどです。ところがネットショップだと実際に「モノ」を見れないので、購入に踏み切りにくい面もあります。

 

そこで近年、数は少ないですがビックカメラなどの「店舗」でも販売されてます。
店舗によっては置いていないところもありますので予めお問い合わせすることをおすすめします。

 

 

<業務用>

業務用の3Dプリンターでは主に「専門ネットショップ」や「販売会社への問い合わせ」で購入します。価格帯が高いことや、さまざまな機能の違いがあるので「展示会」や「ショールーム」に足を運び、実際にモノを確認することが多々あります。

 

そして企業ならではというものに「ものづくり補助金」を利用するケースがよくあります。
「ものづくり補助金」とは、中小企業などで設備の導入を支援する制度です。お得に機械を購入することが出来るので、是非利用したい制度ですね。

 

② 価格の違い

<家庭用>

本体は数万円から購入が可能で、フィラメントも安価なのが特徴です。家庭用とは言え、業務用で使われているフィラメントも条件が合致すれば使用することができます。※専用カートリッジは除く

 

<ネットで買える3Dプリンター例>

 

<業務用>

本体の価格は、数十万円~数百万円の価格幅があります。そしてフィラメントは、家庭用よりも高くなるケースが多いですが、安定して造形できる等のメリットがあります。

 

そして家庭用と業務用で共通して下記のような「本体以外の費用」が発生します。

  • フィラメント
  • プラットフォームシート
  • 糊(ノリ)
  • フィラメント保管ボックス
  • 工具一式

 

さらに詳しく購入と同時に必要な備品は、下記を参照下さい。
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③ マニュアル・アフターサポートについて

<家庭用>

3Dプリンターは業務用も含めて海外製品がほとんどです。そのため家庭用は特に日本語化されていないマニュアルのものがあります。日本語マニュアルが付属しているかを確認しましょう。また人気の3Dプリンターは、購入者が使い方をまとめているサイトがありますので、そういった視点で購入するのもありだと思います。

 

<業務用>

マニュアルは日本総代理店が、日本語化しているケースがよくあります。またアフターサポート(電話やメール対応、センドバック、オンサイト)が整っていることが多く、購入後も安心して使用することができます。

 

④ 機能の違い

業務用の方が「機能」が多くなります。

 

業務用は、機能が多く高精細で安定した造形を行うことができます。そして、機能が多いか少ないかは、「使用するスライサーソフト」と「機械のハードウェアの構成」によって変わります。

 

<家庭用>

スライサーソフトは、フリーソフトが使われていることが多く、基本的な機能に留まっています。特に微調整をする項目が少ないため、精細度に関わることもあります。

 

また、安価なものは1つのエクストルーダー(ノズル)しかないタイプも多いので、違う樹脂を組み合わせた造形ができないものも多数あります。

 

<業務用>

スライサーソフトの機能が豊富なため、微調整や便利な機能をつかうことができます。

  • サポート材を好きな場所に設定できる
  • 細かい場所の流量や押出幅などを調整できる
  • モデルをカットできる
  • モデルを修復できる

 

また、2つのエクストルーダー(ノズル)が搭載されている機種も多いので、サポート材専用樹脂を使えたり、2色造形を行ったりすることができます。

 

⑤ 大きさの違い

<家庭用>

造形できるエリアが小さいため、小物や組み合わせパーツなどに向いています。

 

<業務用>

大きいサイズの造形を行うことが出来ます。またそれに伴い筐体も大きくなりがちです。置台も揺れに強くて頑丈なものを用意しておく必要があります。

 

⑥ 組み立ての違い

家庭用は本体を手で組み上げるものもありますが、業務用は手で組み上げる必要はありません。

 

⑦ 樹脂の違い

<家庭用>

家庭用は、使える樹脂の種類が少ない傾向にあります。購入前に必ず確認しておきましょう。

 

<業務用>

業務用は、扱える樹脂の幅が広くなります。ですが、特定の樹脂しか使用できない製品もありますので確認が必要です。

 

⑧ 外装カバーの違い

<家庭用>

家庭用は、造形部分がむき出しの製品も多く販売されています。基本的にむき出しの3Dプリンターは、扱えるフィラメント樹脂の種類が少なくなります。

家庭用3Dプリンター

 

樹脂は、冷えると収縮する性質を持っており、その度合いはさまざまです。PLAとTPU(ゴム系樹脂)は、収縮する力が弱いため、むき出しの状態でも使えることが多いです。

 

<業務用>

業務用はカバーに囲われている製品が多くなります。カバーに囲われていることで、庫内温度をある程度維持できるため、収縮力の強い樹脂も使用することができます

業務用3Dプリンター

 

例えばABS樹脂は、収縮力が強いため、外装カバーがないと造形することが非常に難しくなります。 外装カバーがないまま造形すると、プラットフォームから剥がれてしまったり、クラック(積層割れ)などの症状が発生してしまいます。

 

3Dプリンターのオススメの選び方

家庭用・業務用と呼ばれていますが、その枠にとらわれる必要はないと思います。

扱う方の目的・スキルや性格などで検討すると良いでしょう。

重視項目 タイプ 注意点
低価格重視 家庭用 ・WEBサイトで、情報量の多い機種を選ぶと良い
・細かい設定はできない
・問い合わせ対応が難しい
精度重視 業務用 ・購入前にテスト造形を依頼すると良い
・価格が高い
サポート重視 業務用 ・問い合わせ窓口の確認
・トラブル発生時に訪問してくれるかの確認

 

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主に業務用の3Dプリンターは、今回ご紹介したFDM方式以外にも「光造形方式」や「インクジェット方式」などがあります。方式の違いを解説していますので、合わせてご覧ください。

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