カーボンファイバー(炭素繊維)フィラメントの特徴

この記事について
【カーボンファイバー(炭素繊維)フィラメントの特徴】

3Dプリンターでも使われるようになったカーボンファイバー。

 

この記事では、そもそもカーボンファイバーとはどのような物質なのか、3Dプリンターで扱うにはどのような点を注意すべきかなどをまとめています。

 

※難しい用語等がでてきますが、リンクをクリックしてもらうことで解説ページへ飛びます。必要に応じてどうぞ。

 

カーボンファイバー(炭素繊維)とは?

カーボンファイバーとは、有機繊維を加熱処理した結果「炭素が90%以上含まれる繊維」を指します。

 

炭素繊維は「PAN系」と「ピッチ系」の2種類があり、これらは主に原材料に違いがあります。

 

<特徴の違い>
PAN系は「ポリアクリロニトリル」という物質が原料となっており「軽量な上、強度が高い」特徴があります。またピッチ系は「石油ピッチ」という物質が原料で「軽量な上、剛性が高い」という特徴があります。

 

カーボンファイバー(炭素繊維)の特徴

カーボンファイバーは「軽い」「強い」「硬い」という特徴があります。

 

比重は鉄のおよそ1/4、比強度は鉄の10倍、比弾性率は鉄の7倍あります。
また導電性耐熱温度耐摩耗性、耐酸性が高いという特徴があります。

 

要は、軽いわりに強度が非常に高いということになります。

 

強度が高いので、通常のノズルを使っていると「ノズルが削れて」しまいます。

 

そのため、タングステンノズルなどの素材が強いパーツを使うことがあります。

 

またカーボンは、金属特有の「錆び」や「腐食」の心配がないので、金属に置きかわる素材として注目されています。

 

使われている物

カーボンファイバーは、その性能の高さゆえに、さまざまな物に使用されています。

 

例えばスポーツ用具であればゴルフクラブや卓球のラケット、テニスラケットなどがあります。

 

スポーツ用具は、スイングスピードを上げるために「軽さ」が求められることに加えて、ボールを「強く反発させる」必要があります。そういう意味では、非常に適した素材です。

 

また宇宙ロケットや航空機では、少しでも機体を軽くすることで「燃料の節約」「速度アップ」に繋げることができます。

 

  • 自動車部品
  • 医療機器
  • グラウンドアンカー

 

3Dプリンターでの動向について

FDM方式の3Dプリンターでもカーボンファイバーが混ぜ込まれたフィラメントが販売されるようになってきました。

 

安い物であれば3000円~5000円あたりから購入が可能で、かなり身近な素材になっています。

 

近年では、低価格でも高性能なフィラメントが販売されています。

 

業務用プリンターで有名なのが「Markfoged製」の3Dプリンターで、造形物の内部にカーボンファイバーを編み込ますことによって金属に匹敵するほどの強度を出すことができます。

またこの製品はFDM方式とは思えないほど、高精度な造形ができます。
→ MarkforgedのWEBサイト

 

3Dプリンターで使用する際の注意点

① ノズルの削れ

カーボンファイバーは硬く耐摩耗性が高い素材のため、真鍮ノズルだと内部が削れてしまいます。

 

そこでタングステンやステンレス製のノズルを使用する必要があります。タングステンノズルは「熱に強く、硬くて、重い」金属ですので、カーボンファイバーの摩耗にも耐えることができます。

 

ノズル径の大きさ

カーボンファイバーでの造形は、「ノズルの削れ」や「詰まり」がおきやすい素材です。

 

その為、0.6mmや0.8mmなどのように径が大きいノズルを使用することをオススメします。

 

③ 搬送ギアへの負担

通常フィラメントは、搬送ギア(送りギア)によって先へ送られます。

 

カーボンファイバーは材質が硬いため、搬送ギアに負担がかかってしまいます。それにより駆動部などのパーツが壊れやすくなる可能性があります。

 

カーボンファイバーを使用する際は、メーカーと情報共有をしながら判断することをオススメします。

 

④ ベッドへの接着

フィラメントによっては、樹脂をベッドへ接着させるための糊(ノリ)を使って定着させる必要があります。

 

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実際にカーボンファイバーフィラメントを使って造形をしてみました。
仕上がり具合や、注意点などを参考にしてみて下さい。

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