3Dプリンターでは、残念ながら「造形に失敗する」ということがよく起きます。なぜなら樹脂にはたくさんの種類があり、特性がそれぞれ異なるからです。
そこで、失敗しにくい樹脂の一つである「PETGフィラメント」を使ってみました。
実際にいくつかのモデルを作りましたので、少しでも参考になれば幸いです。
目次
PETGフィラメントの特徴
簡単に特徴をまとめます。
1.作りやすい・失敗がすくない
プラットフォームの温度は60℃くらいで問題ないので、PLAに近い感覚で作ることができます。
2.表面に光沢がある
造形物の表面には強い光沢がありますが、ヤスリ掛けをするとなくなります。
3.糸引きが発生しやすい
糸引きが発生しやすいので、あまりひどい場合は1個ずつ造形したり、温度調整の対応がおすすめです。
4.価格が安い
コンシューマー向けのフィラメントは、1000円台~2000円台で購入することができます。
ABSやPLAとあまり変わらない価格帯で販売されています。
今回試すフィラメント
今回はその中でも評判の良い、TINMORRYのPETGフィラメント(黒)を使っていくつか造形してみます。
造形するモデル
下の画像のようなモデル達を、一括で造形したいと思います。
条件は下記のとおりです。
項目 | 設定値 | |
① | ノズル径 | 0.4mm(真鍮) |
② | 積層ピッチ(レイヤーの高さ) | 0.2mm |
③ | ノズル温度 | 220℃ |
④ | プラットフォーム温度 | 60℃ |
⑤ | 充填率 | 10% |
⑥ | サポート材 | なし |
造形結果
造形中は詰まりや失敗は起きずに、安心して見ていられました。
では早速、造形結果をみていきます。
1.オブジェ
簡単な形状でしたので、特に問題なく作れています。
やはり強い光沢がでています。
やはり強い光沢がでています。
2.ブロック
ABSの樹脂だと表面部が盛り上がることもありますが、PETGでは問題ありません。
隙間なく合体できます。樹脂の膨張なども特に見受けられませんでした。
3.試験棒
割れ方や曲がり方を確認するために、棒を造形しました。
バキッっと割れるかなと予想しながら曲げてみます。
結果は、そのまま曲がりました。パキッと割れる感覚はありませんでした。
充填率は10%で作っていますが、結構頑丈です。
4.船
次はベンチマーク用の船です。
これが非常に良くできていました。細部を見ていきます。
船首のオーバーハング部は、きれいに造形されています。
またブリッジ部は、樹脂ダレもなく仕上がっていました。
またブリッジ部は、樹脂ダレもなく仕上がっていました。
底面部の文字もきれいに造形されていました。
他のモデルも一括で造形しましたが、糸引きの症状はほぼありませんでした。
糸引きは、ある程度は覚悟していましたので意外でした。
試したフィラメントの結果
糸引きもなく、造形物の表面もしっかりと再現されていたので、正直驚きました。
価格もリーズナブルなので、非常にコスパの良いフィラメントだと感じました。
まとめ
項目 | 説明 | |
① | PETGフィラメントの特徴 | ・作りやすい、失敗がすくない ・表面に光沢がある ・糸引きが発生しやすい ・価格が安い |
② | TINMORRYのPETGフィラメントで造形した結果 | ・失敗しにくい ・光沢がある ・糸引きはほぼ発生しなかった ・オーバーハングやブリッジがきれいにできた |
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