3Dプリンターについて、こんな疑問はないでしょうか?
・ 役立つツールを知りたい
本記事では、このような疑問にお答えしています。
私自身は、3Dプリンターの保守・サポートのお仕事をしておりますので、このような経験が参考になれば幸いです。
使用環境によって受ける影響
① 重力の影響
3Dプリンターは「重力の影響」を受けます。
ノズルから樹脂が排出される瞬間に、重力が働きます。もし土台が傾いていると「ナナメに造形される」可能性があります。このあとご説明しますが、平面の測定をしておくことをおすすめします。
② 振動の影響
3Dプリンターは「振動の影響」を受けます。
たとえばプリント中に強い振動が加わると、形が定まっていない部分は歪んでしまうことがあります。また、本体が発する振動を受けてしまうこともあります。
③ 湿度の影響
3Dプリンターは「湿気の影響」を受けます。
材料は「プラスチック」を使います。プラスチックは吸湿する性質を持っているため、湿度によって以下のトラブルを起こすことがあります。
・ 仕上がりが悪くなる。
・ 材料の劣化が早まる。
・ 故障しやすくなる。
どんな環境で使うのが理想?
1.水平な場所を選ぶ
可能であれば、本体を置いてプリントしてみるのが良いのですが、むずかしいですよね。そこで「水平器」という、傾きを測定するツールを使います。
水平器は、以下の2つの種類があります。
① アナログ水平器
アナログ水平器は「液体中の気泡の位置」によって測定する方法です。安価で買えるということもあり、3Dプリンターの置き場所えらびに最適です。
② デジタル水平器
デジタル水平器は「数値で表示される」ので、正確なデータがほしい場合に便利です。建築・土木などの商用に使われることが多く、きっちりと計測したい場面におすすめです。
2.揺れにくいところに置く
以下の2つのポイントを参考にして下さい。
① 振動の少ない立地を選ぶ
説明不要かもしれませんが「振動の少ない場所」を選びましょう。
たとえば、トラックや重機が近くを通るたびに揺れる環境などは、おすすめできません。液体を硬化するプリント方式は、特に影響を受けてしまう可能性があります。
② 頑丈な机に置く
「頑丈な机」に置きましょう。
3Dプリンターの振動を防ぐために、骨組みが太く、頑丈な机をおすすめします。弱い机は、転倒しやすくとても危険なので安全面でも注意が必要です。
3.低湿度の環境を用意する
フィラメントのことを考えると、およそ20%~30%の湿度が理想的です。ですが、そこまで低湿度な部屋を用意するのは、むずかしいと思います。
そこで、以下の2つのポイントで運用するのがおすすめです。
① フィラメントドライヤーを使用する
フィラメントドライヤーは「乾燥しながら、プリントすることができる」商品です。
高温のボックス内にフィラメントを入れることで、水分を蒸発させたり、吸水を予防することができます。庫内は低湿度を保つことができるので、環境の影響を受けにくくすることができます。
SUNLU FilaDryer S2は、シングル乾燥機のため、温度の上昇が早く、コンパクトな設計なのでとても使いやすいです↓
また、レビュー記事を用意しましたので、参考にして下さい。→ 【レビュー】フィラメント乾燥ドライヤーSUNLU FilaDryer S2
② 使っていない時は保管する
フィラメントを適正に保管することで、長持ちさせることができます。
掃除機やポンプを使って、簡単に空気を抜くことができる真空パック使うことをおすすめします。
またシリカゲルよりも、強力乾燥剤を使うとさらに効果的です。
真空パックを使うメリットをまとめましたので、気になる方はこちらもご覧ください。→ フィラメントの保管に真空パックを使うべき理由【おすすめ】
4.換気の良い場所を選ぶ
フィラメントやレジンは、においを発します。程度の差はありますが、換気できる場所を選びましょう。
・ 換気扇の近くに置く。
換気ができない場合は脱臭機を使う
ペット用の脱臭機を使うと、匂いをおさえることができます。
もちろん100%無くなるわけではないですが「換気ができない環境」「他の人と共用している環境」「匂いが強い場合」などは、利用すると良いでしょう。
5.直射日光があたらない場所
たとえばレジンは光で固まってしまう性質があります。またフィラメントを直射日光に晒してしまうと、変色したり強度が低下してしまいます。
以下のような対策をしましょう。
・ エンクロージャーやダンボールなどで、光を遮断する。
まとめ
項目 | 詳細 | |
1 | 使用環境によって受ける影響 | ① 重力の影響 ② 振動の影響 ③ 湿度の影響 |
2 | どんな環境で使うのが理想? | ① 水平な場所を選ぶ。 ② 揺れにくい場所を選ぶ。 ③ 低湿度の環境を用意する。 ④ 換気の良い場所を選ぶ。 ⑤ 直射日光の当たらない場所を選ぶ。 |
理想の環境を準備するのはとても難しいと思います。市販されているツールなどをうまく活用して、失敗の少ないプリントにつながれば幸いです。
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