この記事について
【3Dプリンターでねじを造形する】
今回はFDM方式の3Dプリンターで「ねじ」を造形したので、その際の経験談をまとめます。
- 3Dプリンターでねじは造形できるの?
- メリット、デメリット
- 実際に造形した結果やコツ
- まとめ
3Dプリンターでねじは造れるの?
実際のところ、FDM方式の3Dプリンターでねじは造れます。
ひきつづきメリット、デメリットを確認してください。
3Dプリンターで造るメリット・デメリット
- 手早く作れる
- 自由な設計が可能
- 強度が弱い
- 劣化が進む
- 精度が低い
実際に造形してみる
実際にねじを設計し、FDM方式の3Dプリンターで造形しました。
造形条件
まずは造形条件についてです。
項目 | 条件 | |
① | 樹脂 | ABS |
② | ノズル径 | 0.4mm |
③ | 積層ピッチ(レイヤーの高さ) | 0.2mm |
④ | 雄ねじ/雌ねじサイズ | 12mm(呼び径) 1.5mm(ピッチ) |
では、さっそく結果についてです。
結果① 雄ねじの仕上がり
最初に造形した雄ねじの仕上がりがあまりよくなくて、下記の写真のように、ねじ部の山に小さい「ダマ」が出来てしまいました。
もっと小さいねじだとさらに発生しやすくなります。
うーん。やはり入りが悪いですね。
むりやり回せば進みますが、結構大変です。
造形しなおした結果がこちら↓
ダマが減っていることがわかります。
なかなか回らずに、強引に回したらねじ切れました。
次は、雄ねじの呼び径を1mm減らして11mmにしたものを造形して、はめてみます。
※少し小さくします
結果は・・・
スムーズに入りました。多少「あそび」があるかなと言う感じです。
結果② きついと折れる
同じ呼び径・ピッチで設計したねじを造形して、取り付けてみると最初は特に回しにくいです。
折れないようにする為には、下記のことを試してみて下さい。
- 0.5mm~1mm程度のサイズ修正する
- 強度の高い樹脂をつかう
- 充填率を上げる
- 充填形状を選定する
結果③ 経年劣化に注意する
樹脂は、時が経つにつれて「劣化」が発生します。
今回のまとめ
FDM方式の3Dプリンターでねじを製作する場合は「使い道」が非常に大切です。
それ次第では有効に使用することができます。
ふりかえり | |
① | ダマを無くすには「シェル」の調整を行うと良い。 |
② | 同じ径では、はめ合いがきつくなり、割れる可能性があるので、0.5mm~1mm程度のサイズ修正すると良い。 |
③ | ねじ回しに負荷がかかると割れやすくなるので造形する時は下記に気を付ける。 ・強度の高い樹脂を選定する ・充填率を上げる ・充填形状を選定する |
④ | 長く使用するのであれば、耐久性のある樹脂を使用する。 |
おすすめ記事
もっと小さいねじを作成する場合の参考記事を記載します。
みなさんは小さい造形物をつくることはありますか? 近年は、3Dプリンターが高精度なため、小さいものも造形しやすくなってきました。 そこで今回は、造形のコツをまとめましたのでご覧ください。[…]