3Dプリンターでよくある造形失敗例・対処方法【トラブル対応】

本記事では、3Dプリンターのあらゆるトラブル対処方法をまとめました。

 

お悩みの症状は、目次からご確認して下さい↓

 

私自身は、保守・サポートのお仕事をしておりますので、このような経験が参考になれば幸いです。

 

ちなみに本記事は「FDM方式の3Dプリンター」に特化した内容となっています。光造形方式のトラブル事例は、こちらをご覧ください。→ 3Dプリンターでよくある失敗例・対処方法【光造形】

 

剥がれる、浮く、反る、定着しない

熱可塑性樹脂フィラメントは、ノズルからプラットフォームテーブルへ排出された後に一気に冷えます。その後、樹脂が収縮し、テーブルから剥がれたり、浮いたりします。

 

これを解決するには、まずはお使いの3Dプリンターで「正しく設定できているか?」を再確認する必要があります。

 

いきなり「樹脂の収縮が強いのが原因」と考えてしまう人がいますが、それは間違いです。
まずは正しい設定が出来ているかどうかを疑ってみて下さい。例えば「ノズルとテーブルの間隔値(ギャップ値)は正しいか?」、または「テーブルは平面になっているか?」などです。

 

そしてその次に「部品の不良が発生していないか?」を確認します。例えば「テーブルにキズはないか?」「気泡が入っている場所はないか?」「ノズルから排出される吐出量が異常に少なくなっていないか?」などです。

 

それも問題がないとすると、ようやく「樹脂の収縮が強い」ということになり、剥がれない工夫を行っていきます。これらのプロセスを飛ばしてしまうと、トラブル対応が2度手間になりますのでご注意下さい。

 

上記の一連の確認プロセスやどうしても剥がれてしまう場合の対処方法を下記の記事にまとめてあります。
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また、Ender-3 S1という家庭向け3Dプリンターの調整例を↓にご紹介しています。

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ABSフィラメントを使って綺麗にプリントする方法

 

近年では、「すべての調整を自動で行ってくれる」3Dプリンターが主流となりつつあります。手動調整よりも高精度な調整をしてくれます。

 

家庭向けであれば、「Bambulab A1」や「Bambulab A1 mini」がオススメです↓。

 

また、安価な業務向けであれば、プリントエリアが広い「QIDI Plus 4」がオススメです。

 

剥がれる・定着しないトラブル対応の動画も参考にしてください↓

 

割れる、ヒビ・亀裂が入る

FDM方式の3Dプリンターは、高温のノズルヒーターで樹脂を溶解させて、樹脂と樹脂をくっつけます。そこで何かが原因して接着力が低下し「割れたり」「ヒビ」が入ります。

 

もちろん強度が弱くなり目的の造形が完成しません。

 

1つ上の項の「剥がれる、浮く、反る、定着しない」の項目でご説明した通り、まずは「機械や設定を正しく設定できているか?」「部品の不良が発生していないか?」を確認して下さい。

 

それでも起きる場合は?

 

<ノズルの温度を上げる>

ノズルの温度を、10度ほど上げてみて下さい。
高い温度で樹脂同士を塗り付けることで、接着力が強まります。

 

<庫内温度を保つ>

フィラメント排出後の冷却を抑えるために、庫内の温度を保てるようにして下さい。
外装カバーがないタイプの3Dプリンターでは、熱が逃げにくくする必要があります。

 

エンクロージャー(外装カバー)付きの3Dプリンター↓

 

<ヒートチャンバー機を使う>

庫内温度を保つ「ヒートチャンバー」搭載機を使うことをオススメします。

 

特にABSなどの収縮力の強いフィラメントを使う場合は、症状を緩和することができます。

関連記事:QIDI Plus 4でヒートチャンバーの効果を検証!

 

チャンバー搭載機は「QIDI Plus 4」がおすすめです↓。

 

<冷却ファンをOFFにする>

3Dプリンター冷却ファン

ノズルから排出されたフィラメントを冷やすためのファンが搭載されているモデルがあります。
一旦ファンをOFFにして、接着を優先させてみてください。

 

<印刷(造形)速度を遅くする>

印刷速度を遅くしてみて下さい。ゆっくり造形を行うことは、丁寧に積層していくことになります。造形時間は増えてしまいますが、しっかりと積層間を作り上げることで解消できる場合があります。

 

<押出幅(ライン幅)を増やす>

押出幅を増やすことで「線の太さ」を太くすることができます。

 

押出幅については↓の記事で詳しく紹介しています。

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ライン幅(押出幅)とは?

 

<フィラメントを新品にする>

フィラメントが古い場合や湿気を帯びてしまっている場合は、交換をする必要があります。湿気を帯びているフィラメントを使用すると、ノズル排出後に「パチパチ」と音がして、積層に穴が空くケースがあります。

 

それでも、古いフィラメントを使用したい場合は、除湿対応をしてみて下さい。乾燥剤では、完全に除湿が出来ませんが、暫く保管することで多少の改善が見込めます。

 

なお新品開封後は、ドライボックスなどに保管しながらご使用することをおすすめします。

 

<フィラメントの商品・メーカーを変える>

私も経験がありますが、どんなにがんばってもフィラメントの成分によって割れやヒビが入ってしまう商品があります。

 

フィラメントには、ある程度の混ぜ物(フィラー)がされており、その成分や度合いはメーカーや商品によってさまざまです。どうしても改善されない場合は、メーカー・商品を変更してみて下さい。

 

積層間で割れる(クラックする)

積層割れ、クラック

大きいもの且つ、反りの力が強い樹脂でプリントしたときに起きやすい症状の一つです。積層間で大きく割れてしまうので、ほとんどのケースで使い物にならなくなってしまいます。

 

動画でも対処方法をご案内しています↓

 

対処方法は下記の通りです。

 

<ノズルの排出量を確認する>

ノズルから満足に樹脂が排出されているか」を最初に確認してください。パージ(試し打ち)ができるかと思いますので、「太さ」を確認してみてください。

 

排出量が少ないと積層間の接着力が弱まりますので、ノズルの清掃や交換をする必要があります。

ノズルの清掃方法は、下記の記事も参考にしてください。
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またノズルは、少しお値段はしますが、テクノダイヤ製のkaikaがおすすめです。

【高品質なノズル】kaika真鍮製0.4mmノズル(ネジ径、ノズル径には注意)
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<押出幅(ライン幅)を増やす>

積層間の接着力を強めるには、1本1本の線の幅を太くすると効果的です。

 

スライサーソフト上の押出幅の数値を0.4mm→0.48mmなどのように変更します。

 

Creality Ender-3 S1という家庭向け3Dプリンターを例に、調整のコツを↓にご紹介していますので参考にしてみて下さい。

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ABSを使って大きいモデルをプリントするコツ【Ender-3 S1】

 

<径の大きいノズルを使用する>

ノズル径にはいくつかのサイズがありますので「穴の大きい」ものを使用すると効果的です。

 

下記の記事で、大きいノズル径を使うメリット・デメリットを確認してみてください。
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0.8mmノズルを実際に使ってみた結果

 

ノズルは、品質の高いテクノダイヤ製のkaikaがおすすめです↓

【高品質ノズル】kaika 0.6mmノズル(ネジ径、ノズル径には注意)
created by Rinker

 

<プリント速度を遅くする>

大きい物をつくる場合は、速度を上げがちです。たしかに1回のジョブで何十時間と動かす場合にはよくあることです。

 

ところが、速度がはやいと樹脂同士の接着が甘くなってしまうというデメリットも起きえます。

 

そこで「径の大きいノズルに変更した上で、速度を落とす」ことをおすすめします。そうすることで時間も短くできますし、定着力にも期待できます。

 

<ヒートチャンバー機を使う>

庫内温度を保つことができる「ヒートチャンバー」搭載機を使うと、症状を抑えることができます。

関連記事:QIDI Plus 4でヒートチャンバーの効果を検証!

 

特に、エンクロージャー(外カバー)がないタイプの3Dプリンターだと、収縮の影響を受けやすくなります。

 

チャンバー搭載機は「QIDI Plus 4」がおすすめです↓。

 

ノズル詰まり

ノズル詰まりは、よく発生する症状の一つです。ノズルからフィラメントが排出されずに、送りギアで「カタン・・カタン・・」と音が鳴り、空回りします。その後、フィラメントの先端が変形しているためうまく除去できないこともあります。

 

ノズル詰まりは別の記事にまとめていますので、ご覧下さい。
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Ender-3での対処方法をまとめてみましたので、参考にして下さい↓

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ノズル詰まり回避方法を動画でもご紹介しています↓

 

糸引き

糸引きは、樹脂によって起きやすいものと起きにくいものがあります。例えば、PC(ポリカーボネート)TPU(ゴム系樹脂)では、比較的発生しやすくなります。

 

糸引き対策は、動画でも解説しています↓

 

糸引きは、ノズル内に残ったフィラメントが自重によって垂れ、その状態でトラベル(ノズル移動)することで発生します。基本的な対策は下記のとおりです。

 

<ノズル温度を下げる>

ノズルが高温すぎると垂れやすくなるので、10℃ほど下げてみて下さい。

 

<フィラメントが吸湿している>

使用しているフィラメントが吸湿(湿気を帯びている)状態の場合も糸引きが発生しやすくなります。新品のフィラメントに変更したり、乾燥機や防湿ツールで対策を行います。

↓乾燥機については以下の記事を参考にしてください。

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乾燥機を使って吸湿したフィラメントを復活させる【Tiertime製】

 

<リトラクトを調整する>

リトラクトとは、フィラメント垂れを防止する機能のことです。

 

下記の記事で詳しく説明していますので、ご確認をお願いします。
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<トラベル(移動)ルートを調整する>

スライサーソフトによっては、ノズルのトラベル(移動)時の「通り道」を調整・変更できるものがあります。ideamakerであれば「中空部分を通るのを避ける」という機能があったりしますので、モデルの形状によっては対応が可能です。

 

<複数個造形している場合は、1個ずつ造形する>

複数のモデルを一括で造形している場合は、モデルの移動間で糸引きが起きることがあります。モデルを1個ずつ造形してみて下さい。ideamakerでは「順番造形」という1個ずつ造形を行ってくれる機能があります。

 

糸引きについて、家庭向け3DプリンターのEnder-3 S1で、調整例を↓でご紹介しています。

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TPU(ゴム)を使って綺麗にプリントするコツ【Ender-3 S1】

 

糸引きの防止は、こちらの記事にもまとめています。→ 【解決法】糸引きが起きる原因はなに?防止・処理方法

 

<冷却力の高いプリンターを使う>

冷却力の高い3Dプリンターは、樹脂を急速に冷やしてくれるので、垂れを防止する効果があります。

 

Creality K1Cは、モデルファン、サイドファンを搭載しているので高い冷却効果があります↓

 

<トラベル(ノズル移動)の速いプリンターを使う>

ノズル移動が速い3Dプリンターは、糸引きを起こしにくい傾向があります。

 

近年のプリンターであれば、高速化が主流になってきているので、自然と効果を期待できます。

 

↓Creality K1は糸引き対策がされています。原因・対処・防止の参考になるかと思います。詳しくは↓の動画も参考にしてください。

 

波打つ、ただれる

波打つ、ただれる

表面部が「波打つ」ことがあります。とくに面積の広い形状でおきることがあります。以下の4点をご確認下さい。

 


① Z軸のキャリブレーションを行う

ノズルとテーブルのスキマが適正でない可能性があるので、「高さ調整」を行います。一般的には、シックネスゲージを用いて調整を行います。Amazonなどで購入することが可能です。

Ender-3_用紙がノズルに少し触れている

 

自動でキャリブレーションすることができる3Dプリンターは、精度が高く、調整の手間もかからないのでおすすめです↓

【関連記事】:Ender-3 V3 SEを徹底レビュー!

【関連記事】:Ender-3 V3 KEを徹底レビュー!

 


② 平面調整およびオートレベリングを行う

ベッドが平面になるように「四隅」で高さ調整を行います。これもシックネスゲージを使うことが多いですが、コンシューマー向けでは「普通紙」を使うことがあります。

Ender-3_四隅でプラットフォームの高さを調整

 

その後、平面を自動で「測定」および「補正」をしてくれるオートレベリングを実施します。

 

オートレベリング・オートキャリブレーション搭載の3Dプリンターがおすすめです↓

 


③ 流量を下げる

スライサーソフトの「流量(フロー)」の値を下げます。可能であれば、上面部(ソリッドフィル・表面部)を下げます。初期値が100%であれば、90%~96%程度に変更し、変化があるかを確認します。

 


④ 押出幅を下げる

スライサーソフトの「押出幅(ライン幅)」の値を下げます。こちらも可能であれば上面部の値を下げます。たとえば0.4mmであれば0.32mm~0.36mmあたりに変更して、変化があるかを試します。

 


⑤ フィラメントを変える

私の経験上、波打つ場合はフィラメント自体が問題のこともありました。試しにフィラメントを変更してみることを検討してください。

 

近年、PLAフィラメントは、数多くの種類が出ています。これを機に少し変わったものを試すのはいかがでしょうか?以下の動画も参考にしてください↓

 

バリが残る

プリントしたものに「出っ張り」や「突起物」、「ささくれ」ができることがあります。

このままでは、ケガをしたり見栄えが悪くなってしまいます。

 

自重による垂れ落ち

<原因>

ほとんどのケースで「ノズルから垂れた樹脂」がバリの原因になります。

この場合は、スライサーソフトで調整をするのが効果的です。

 

<対処①:書き出し位置を変える>

各レイヤーの書き出し位置を、固定からランダムに変更します。

するとバリやダマが散らされるので、目立たなくなります。

 

<対処②:書き出しタイミングを変える>

各レイヤーの書き出しタイミングを遅らせます。

するとバリやダマが小さくなる場合があります。

 

<対処③:リトラクト設定を見直す>

リトラクトの引き戻し距離の値を増やします。

するとノズルから樹脂が垂れにくくなるので、バリの発生を抑えることができます。

 

<対処④:バリを除去する>

工具を使い、バリを除去します。

おすすめ工具をまとめましたので↓の記事も参考にして下さい。

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また、リューターを使えば電動でバリを除去することができます。

格安リューターを実際に試してみましたので、参考にしてください↓

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格安リューターを使って仕上げ処理した結果【Ginelson】

 

ダマになる・玉になる

↓の写真のようにダマ・玉ができてしまう原因は2つ考えられます。

3Dプリンターダマになる、玉になる

 

① 自重による垂れ落ち

<原因>

ノズルが移動した際に、樹脂が垂れおちてしまうことで発生します。

移動中は、排出や引き戻しをしないため、重力によって下へ落ちてしまいます。

<対処>

リトラクト(引き戻し)量を増やすことで、下へ垂れるのを防ぐことができます。

引き戻し量は、樹脂によって大きく異なりますので、注意が必要です。

 

② 調整値のバランスがとれていない

<原因>

外壁をプリントした際、樹脂が外側にあふれることで発生します。

この場合は、ノズルや積層ピッチ、流量などの設定バランスが崩れることで発生します。

<対処>

積層ピッチ(レイヤーの高さ)や、流量の値を大きく変えていないかを確認します。

もし変えている場合は、一旦デフォルト値にもどして、症状が治まるかどうかを確認します。

参考に、ノズル径と積層ピッチのバランス値を記載します。

ノズル径 積層ピッチ
1 0.4mm 0.18mm~0.3mm
2 0.2mm 0.1mm~0.16mm

 

それでも治まらない場合は、オーバーハングがきつい形状かもしれません。

その場合は「ライン幅」の値を増やすことで緩和されるケースがあります。

ライン幅については、↓の記事を参考にしてください。

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ライン幅(押出幅)とは?

 

空中(中空)造形、焼きそば・ぐちゃぐちゃ・モジャモジャ状態

下記の写真のような状態になることがあります。私も何度も経験しました。
夜中に造形をかけて、朝見たらこの状態だった時はがく然とします。

造形失敗、焼きそば状態

 

<原因>

定着不良が原因で、造形物がテーブルから剥がれることによって発生します。

その状態でもプリントは進みますので、空中に書き続けた結果「やきそば状態」が出来上がります。

 

<対処>

テーブルから造形物が剥がれないようにする。
※本ページ上部の「剥がれる、浮く、反る、定着しない」を参照して下さい。

 

プリント中の造形物の表面が反ってしまい、ノズルと接触することがあります。
それにより造形物がノズルに引きずられて、テーブルから剥がれてしまいます。
サポートを正しく設定し、反りが起きないようにします。

 

造形物が途中からずれる

写真がないですが、これも何度も経験しました。
下記はイメージ図です。途中の層からズレて造形されてしまうことがあります。

造形物のズレの説明画像

 

<原因その1>

ボビン内でフィラメントが絡まっている可能性があります。

 

その結果、エクストルーダーの駆動部でギアの目飛びが発生し、座標軸がズレてしまいます。そうすると「エクストルーダーが実際にいる位置」と「制御上(ソフト上)にいる位置」とで誤差が起きます。

 

その結果、上記の画像のような、途中から造形物がズレるという症状が発生します。
タイミング良くその場にいれば、「ガガガ」という異常音を聞くことができます。

 

フィラメントの絡まりを直すか、フィラメントを交換する必要があります。

 

メーカーによっては、絡まりやすいものもあります。私の経験上では、eSUNフィラメントは少なかったです↓

 

<原因その2>

造形物が反ってしまい、ノズルと接触した可能性があります。

 

収縮力の強い樹脂を使用したり、面積の広い造形をすると、プラットフォームから剥がれたり・浮いたりします。
浮いた箇所にノズルが接触することで、エクストルーダーの移動の妨げになってしまいます。

 

浮きが軽度であれば問題ありませんが、ある程度接触してしまうと「座標ズレ」が起きます。

 

  • プラットフォームの定着力を上げる。※「剥がれる、浮く、反る、定着しない」の項目を参照下さい。
  • 樹脂を変更する。※反りにくい樹脂など

 

<原因その3>

エクストルーダーの駆動部にギア・プーリーなどが故障していると、座標軸がズレてしまいます。

原則的には、メーカーの修理対応が必要となりますが、事例としては、下の写真のようにプーリー部のビス締め直しで復旧した事例もあります。

3Dプリンター プーリー

また、駆動ベルト部にゴミや埃が挟まっている場合やベルト自体が劣化している可能性もあります。

 

音がする(パチパチ音、ガガガ音、カタカタ音、キーキー音、キュッキュ音)

異音にも種類があります。起きやすい音の種類とその対策を記載します。

 


<キーキー音・キュッキュ音>

この音が鳴る場合は、「プーリー」や「軸受け」から鳴っている可能性が高くなります。

 

グリスや消音潤滑油をさすと、改善することが多いです。

 

BambuLab A1 miniでこの症状が起きました。対処方法は↓の記事を参考にしてください。

関連記事:【Bambu Lab】A1 mini combo(AMS Lite)を徹底レビューした!

 

<パチパチ音>

プリント中にノズル付近から「パチパチ」と音がすることがあります。
これは、フィラメント内に含まれる水分が蒸発する音です。

 

音だけなら良いのですが、水分が蒸発した箇所に小さい穴が空いてしまい、仕上がりや強度に影響します。

 

フィラメントを新品に交換するか、PolyBoxなどの防湿ツール、乾燥機を使います。

 

乾燥機については↓の記事も参考にして下さい。

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乾燥機を使って吸湿したフィラメントを復活させる【Tiertime製】

 

 

<ガガガ音>

エクストルーダーなどの駆動部に負荷がかかっている音です。

 

フィラメントがボビン内で絡まっていないかを確認して下さい。絡まっているとフィラメントがエクストルーダーを引っ張ってしまい、駆動部に負荷がかかってしまいます。

 

また、造形物にノズルが接触していないかを確認して下さい。反りかかった造形物にノズルが当たっている場合があります。

 

・ フィラメントの絡まりを直すか新品を使用してください。
・ 造形物が反らないように定着力を上げて下さい。
・ 破損箇所の修理をしてください。

 

<カタカタ音>

ノズル詰まりが発生している可能性があります。

 

ノズルからフィラメントが排出されずに負荷が上流にかかっています。
そうなるとギア部が空回りを起こし、カタカタ音がなります。

 

ノズルやヒーターブロック内に樹脂やゴミが蓄積している可能性があります。
対応としては、ノズル、ヒーターブロック等を清掃するか、交換する必要があります。
プリント速度が適正になっていない可能性があります。あまり速すぎると送りと排出のバランスが取れずに詰まりが発生します。速度を遅くして下さい。
フィラメントの通り道にカスや異物が残っている可能性があります。
一度掃除してみる必要があります。

 

それでも詰まる場合は、

 

・ フィラメントを新品に交換する
・ ノズル径を少し大きめ(0.6mm)にすると効果的です。ノズル径が広いと排出されやすくなるので詰まりが解消する場合があります。

 

ノズルは高品質なテクノダイヤ製がおすすめです↓

【高品質なノズル】kaika真鍮製0.4mmノズル(ネジ径、ノズル径には注意)
created by Rinker

 

表面・上面が汚い

3Dプリンター_上面_表面が汚い

上の写真のように「表面部」が汚くなることがあります。コゲができるケースもあります。

 


① Z軸のキャリブレーションを行う

まずは、正確なZ軸のキャリブレーションを行う必要があります。これは他の項目でもよく出てきますが、とても大切な作業です。一般的には、シックネスゲージを使います。Amazonなどで購入することが可能です。→ シンワ測定シックネスゲージ

Ender-3_用紙がノズルに少し触れている

 

自動でキャリブレーションすることができる3Dプリンターは、精度が高く、調整の手間もかからないのでおすすめです↓

【関連記事】:Ender-3 V3 SEを徹底レビュー!

【関連記事】:Ender-3 V3 KEを徹底レビュー!

 


② 設計にムリがないかを確認する

たとえば肉厚が0.2mmのところに、0.4mmの線をプリントしようとするとムリが出てきます。以下の例では、1.1mmの肉厚だと0.4mmで割り切れないので、難しいプリントとなります。

スライサーソフト_押出幅

 

スライサーソフトは、この辺りの出力を計算してくれるので便利ですが、設計段階で加味しておくと良いです。特に薄壁のプリントには注意が必要です。

 


③ 押出幅を下げる

スライサーソフトに「押出幅」「ライン幅」という項目があります。この値を少なくすることで表面部をシャープにすることができます。

押出幅の違い

 

設定例として、0.4mmの場合は0.36mmあたりに変更してみます。(ソフトによっては「%」表記になっています)大幅に下げると別の症状が起きますので、注意しましょう。

 

またソフトによっては、表面部のみの押出幅を変更できるものがあります。

 

【関連記事】  ライン幅(押出幅)とは?

 


④ 流量を下げる

流量とは、ノズルから排出される樹脂の量です。この値を下げることで、表面を滑らかにできる場合があります。

 

設定例として、100%から98%などのように刻みながら様子を見ると良いでしょう。押出幅と同様に表面部のみ調整できるソフトウェアがあります。

 

【関連記事】  流量(FLOW・吐出量)とは?

 

底面が汚い

造形物の底面が汚くなってしまうことがあります。

 

ノズルとプラットフォームの間隔(すき間)が適正になっていない可能性があります。
シックネスゲージですき間を調整しなおして下さい。
または、ラフトを設定することで多少のすき間の誤差を緩和してくれるので、仕上がりが綺麗になります。

 

例えば↓の写真は「1層目」のプリントが失敗した例と成功した例です。

1層目の成功と失敗

↑1層目は、造形物の底面になります。

 

この場合は、やはり「ノズルとプラットフォームの高さ調整」ができていませんので、再調整する必要があります。

 

↓Ender-3をお使いの場合は、ラフトを使った設定のコツをご紹介しています。

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底面の仕上がり・剥がれをラフトで改善【Ender-3 S1】

 

↓Creality Ender-3 S1を例にした「高さ調整方法」もご紹介しています。

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Creality Ender-3 S1をレビュー

 

また本記事の「オーバーハング(アンダー)が汚い、荒い」の項目も確認してみてください。

 

サポートと接するモデルの底面が汚い・荒い

サポートと接するモデル面が汚くなってしまうことがあります。

Creality Ender-3 S1_モデル面の仕上がりが良くない例

 

この仕上がり具合は、3Dプリンターによって大きく異なります。ポイントとなるのが、「オートZオフセット」「自動レベリング」と言った自動で調整できる機能です。手動調整だと、機器によってバラツキが起きるため、不安定な仕上がりになります。

 

サポート部の設定方法に関しては、こちら↓の記事を参考にしてください。

関連記事:サポートをキレイに剥がす!最強設定はこれ!【BambuStudio/Cura/Creality Print】

関連記事:手でカンタンに剥がせる「専用サポート材フィラメント」を使ってみた!

 

1層目の線と線の間隔が広い

下記の写真のように1層目をプリントした時に「線と線の間隔」が広くなってしまう場合があります。

1層目の造形時に線と線の間隔が広い

樹脂によっては、あまり問題にはならない事もありますが、TPU(ゴム系)樹脂の場合は問題になります。TPUは柔らかい為、造形線を触ると分離してしまいます。そのため隣り合った線がしっかりくっついている必要があります。

 

<原因と対処>

 

1層目の厚さが厚めに設定されていると線が細くなる場合があります。

1層目の厚さを薄めに変更してみて下さい。TPUの場合はあまり薄めにするとノズル詰まりの原因になるので、その場合はノズルの径が大きい物に変更すると効果的です。

ノズルとテーブルの間隔が開きすぎている可能性があります。
シックネスゲージなどを使用して、正しくギャップ調整を行います。
ノズル径が小さいと1本1本の線が細くなります。
ノズルを0.5mm以上に変更すると効果が高いです。
スライサーソフトの押し出し幅の設定値が高いと線が細くなります。
押し出し幅設定箇所がある場合は低く設定します。(通常100%を98%などに変更する)

 

シーム・継ぎ目が目立つ

Orca Slicer_シーム・継ぎ目、シルバーフィラメント

FDM方式の3Dプリンターでは、「シーム」と呼ばれる、継ぎ目が目立つことがあります。

 

シームの対処方法は、↓の記事でもまとめていますので、参考にしてください。

関連記事:シーム・継ぎ目を解決する方法!

 

動画でもご覧になることができます。

 

対処方法を簡潔に書いておきます↓。

 

<シームの位置を設定する>

スライサーソフトには「最寄り」「整列」「背面」「ランダム」と言った、シームを開始する位置を調整することができます。目立たない場所にシームを設定すれば、目立ちにくくなります。

 

<シームペイントを利用する>

スライサーソフトによっては、「手動でシームの位置を指定」することができます。↑のやり方で思った場所にシームが設定されない場合は、シームペイントを使うことをオススメします。

 

<フィラメントの種類・色を選択する>

例えば、フィラメントを白や黄色などの、明るい色を使うことで、シームを目立たせなくすることができます。また大理石(マーブル)やカーボンフィラメントを使うことで、目立ちにくくすることができます。

 

<スカーフジョイントシーム機能を使う>

「スカーフジョイントシーム」機能を使うことで、劇的にシームを目立たせなくすることができます。

Orca Slicer_シーム・継ぎ目、スカーフジョイントシームとの比較

 

「Orca Slicer」や「Bambu Studio」などのスライサーソフトで利用することができるので、オススメです。

関連記事:Bambu Studioの基本操作・使い方を解説!

 

<スパイラルモードを利用する>

多くのスライサーソフトには、「スパイラルモード」という一筆書きをするモードが搭載されています。一筆書きをするので、継ぎ目は発生しません。

Orca Slicer_シーム・継ぎ目、スパイラルモードでカーボンプリント

 

<ギャップ値(gap)を調整する>

シームのギャップ値とは、書き出しと書き終わり部分のギャップ(隙間)を調整する項のことです。

 

ギャップのパーセンテージを変更して試してみたところ、若干ですが、値が少ない方が目立たなくなりました。

Orca Slicer_シーム・継ぎ目、seam ギャップ値の違い

 

積層痕が目立つ

FDM方式の3Dプリンターは、原則的には積層痕が残りますが、目立たなくすることが可能です。

 

詳しくは↓の記事にまとめていますので、参考にしてください。

関連記事:積層痕とは?滑らかに見せる5つのコツ

 

動画でもご覧になることができます↓

 

詳しくは、上の記事や動画を見て頂きたいですが、対処方法を簡潔に書いておきます↓。

 

<積層ピッチを調整する>

0.1mmのように積層ピッチを「薄く」調整することで、積層痕を目立たなくすることが可能です。

 

<目立ちにくい色のフィラメントを使う>

フィラメントの色を選ぶことは、とても重要です。積層ラインが目立たない色を選びましょう。

 

<目立ちにくい種類のフィラメントを使う>

フィラメントは、多くの種類があります↓。これによっても見え方が大きく異なります。

・ カーボンフィラメント
・ シルクフィラメント
・ 木質フィラメント
・ 大理石(マーブル)フィラメント

 

<ファジースキン機能を利用する>

ファジースキンというスライス機能を利用すると、「外壁がテクスチャー模様になる」ので、積層痕が見えにくくなります。

 

<ヤスリで削る>

ABSやPC等はヤスリで表面を削ることで、積層痕を目立たなくすることが可能です。

 

いろいろな樹脂をやすり掛けしてみましたので、下記の記事を参考にして下さい。

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また、ABSを研磨してピカピカに仕上げてみましたのでこちらも参考にして下さい。

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【3Dプリント】ABSを研磨してピカピカに仕上げてみた

 

<Polysherを使用する>

造形物の表面の積層痕を綺麗にしてくれるPolymaker製のPolysherというツールが販売されています。樹脂は限られますが見た目を重視したい場合は効果的です。→ Polysherについて

 

積層痕を目立たせなくするコツをまとめましたので、参考にして下さい。
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積層痕とは?滑らかに見せるコツ

 

積層が荒い、汚い

積層が荒れる

ender-3_crealitySlicer_オーバーハングが荒れてしまう

↑このように積層面が荒れてしまうことがあります。

 

<原因>

熱の影響を受けている可能性が高いです。

 

例えば、造形物を冷ますための冷却ファンが付いていると思いますが、「ファンが回っていない」「回転量が少ない」「スライサーソフト上でOFFにしている」などによるものです。

 

また、PLAで庫内を密閉する必要がないのにしてしまっている場合や、周辺環境温度が高い、プラットフォームテーブルの温度が高い等も影響します。

 

<対処>

ファンが回っているかどうかを確認し、必要に応じて部品交換などを行います。

 

また、Ender-3 S1という家庭向け3Dプリンターの調整例を↓にまとめています。

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ABSフィラメントを使って綺麗にプリントする方法

 

また、冷却力の高い3Dプリンターを使うことをおすすめします↓

 

オーバーハング(アンダー)が汚い、荒い

オーバーハング部が汚い、荒い

FDM方式の3Dプリンターではよくあることで、オーバーハング部分の積層が荒くなってしまうことがあります。サポートを設定すれば必ずしも綺麗になるわけではないので非常に悩まされます。

 

<ノズル不良を起こしていないかを確認する>

ノズルが古いと、造形線が細くなってしまうことがあります。

 

細い線だと積み上げが不安定になり、オーバーハング部分が汚くなってしまいます。この場合はパージ(試し出力)で線の太さを確認します。細い場合は、ノズルを交換して下さい。

 

<ノズル径と積層ピッチのバランスを確認する>

「ノズル径だけを小さく」とか「積層ピッチだけを薄く」すれば良い訳ではありません。

 

例えば0.4mmノズルを装着したままで積層ピッチを0.05mmにしても綺麗に出力されないことがあります。「ノズル径」と「積層ピッチ」はセットで調整することで、オーバーハング部を綺麗に出力することが可能です。

 

・ノズル径:0.4mm 積層ピッチ0.18mm~0.3mm
・ノズル径:0.2mm 積層ピッチ0.1mm~0.16mm

 

<押出幅を増やす>

オーバーハング部分は、「土台の積み上げの安定度」が如実に表れてしまいます。

 

そこで、押出幅(1本あたりの線の太さ)を増やしてあげることで、安定感が良くなることがあります。※スライサーソフトによってはライン幅と呼ぶ場合もあります。

 

通常、0.4mmノズルを使用している場合の押出幅は0.4mmだと思いますが、これを0.48mmや0.5mmに変更します。そうすることで、ノズルを変えなくても全体的に太い線で出力してくれます。

 

デメリットとしては、造形物全体にも影響してしまいますので、注意が必要です。
※たとえば、線を太くしたことによって、ラフトに密着しすぎてしまう等。

 

また、オーバーハングの記事も参考にしてみてください。
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スカスカな造形・排出が弱い

下記の写真のような症状が発生することがあります。これはTPE(ゴム系樹脂)で造形した際の写真で、ノズルから十分なフィラメントが排出されていない場合に発生します。

1層目スカスカな造形

 

まずはノズルから試し打ち(パージ)をを行って、目視で十分にフィラメントが排出されているかを確認しましょう。

 

この時点で線がいつもより細い場合は、ノズル詰まりを起こしかけている可能性があります。

 

ノズル詰まりの対処方法は下記の記事を参照下さい。
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ちなみに上記の写真の症状は、ノズル径を0.4mmから0.6mmに変更したことで解消しています。TPUはノズル詰まりが発生しやすい樹脂の為、ノズル径を太くして使用することをおすすめ致します。

 

プラットフォームテーブル(ベッド)から剥がせない

いくつかの原因によって「テーブル(ベッド)から造形物が剥がせない」という症状が起きます。

 

下記に対処方法をまとめていますのでご覧ください。
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ラフトが造形物から剥がせない

ラフトが造形物が剥がせなかったり、割れてしまったりする場合があります。

 

下記に対処方法をまとめていますのでご覧ください。
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ラフトが剥がれない

 

サポート材が造形物から剥がれない

サポート材が造形物にくっつきすぎて剥がれない場合があります。

 

下記に対処方法をまとめていますのでご覧ください。
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また↓では、Ender-3 S1という家庭向け3Dプリンターを例にして、調整方法をご紹介しています。

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↓ではTPU(ゴム・エラストマー)を使うと、サポート材が剥がれない場合の対処方法をご紹介しています。

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サポートが必要なモデルをTPUでプリントするコツ

 

動画でも対処方法をご紹介しています↓

 

造形物が歪む、楕円になる

下の写真のように、正円をプリントしたはずが、「楕円」なることがあります。

正常な円と異常な円(楕円)

 

また人によっては、「3Dプリンターを購入した当初よりも精度が下がってる気がする」というような感じ方をすることもあります。

 

<原因>

これらは、「X軸」もしくは「Y軸」が歪んでいる可能性が高いです。

 

どういうことかというと、下の写真は、よくあるFDM3Dプリンターを上から見た図です。

FDMの3Dプリンターを上から見た図

通常、Y軸モーターやX軸モーターが駆動し、それに伴ってエクストルーダーが動きます。

 

ところが長い間つかっていると、下の写真のように軸がズレてきます。

こうなってしまうと、円をプリントすると楕円になったり、歪んだりと言う症状がおきます。

 

上記の図は、分かりやすくするために極端にずらしていますが、数ミリという単位で起きることが多いです。

 

<対処>

※下記の対処方法は、あくまで例ですので、詳しくはお使いのメーカーに確認して下さい。

 

まずは、本当にズレているかを確認します。

 

全く同じ形のブロックを2個用意します。

ブロック

材質はプラスチックでも問題ありません。

 

両面テープを使い、ブロックを本体に固定します。

ブロックを両面で貼る

 

貼る場所は、Y軸調整であれば下記の2点です。

ブロックを張る場所

 

エクストルーダーを手前に移動したときに、ブロックと接触する場所に貼り付けます。

 

2か所にブロックを貼り付けた状態で、エクストルーダーを手前に持ってきます。
ブロックに接触させて、もう片方のブロックに隙間があったら、軸ズレを起こしています。

 

軸ズレの補正する際は、各軸のプーリー部分のビスをゆるめます。

3Dプリンター プーリー

 

エクストルーダーを先ほどのブロックに接触させ、プーリーのビスを締めなおします。
先ほどのように軸ズレの確認を行って完了です。

 

よく使っている機械ほど起きやすいので、定期的に確認することをおすすめします。

 

YouTubeで、本ブログの内容を分かりやすくを解説しています

 

3Dプリンターを、どれにするか迷っていませんか?

 

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