フィラメントが出ない!ノズル詰まりの対処法【Ender-3】

Ender-3 ノズル取り外し

ノズル詰まりが起きたとき、このような疑問はありませんか?

・ どうやって対処して良いか分からない。
・ 分解には、どんな工具が必要なの?

 

本記事では、Ender-3 S1でノズルが詰まった時の、分解・対処方法をご紹介します。もしお使いの機種が違っても、対処の流れは似ていますので、参考にしてみて下さい。

 

私自身は、3Dプリンターの保守・修理サポートのお仕事をしておりますので、このような経験が参考になれば幸いです。

 

症状

Ender-3 S1でプリントしていたら、樹脂が途中から出てこなくなりました。

 

こうなってしまうと樹脂を出力せず、ひたすらウロウロする状態が続きます。

中空でノズル詰まり

 

ジョブを停止します。その後フィラメントを押したり引いたりしますが、ビクともしません。ムリに引っ張ってしまうと↓のようにフィラメントが切れてしまいます。

フィラメントが動かない、折れてしまった

 

必要な工具

ひきつづき原因を探っていきますが、その前に必要な工具を5点ほどご紹介しておきます。

 


① 六角レンチ

ヒーターの分解に使用します。サイズは、1.5mmと2mmと2.5mmを使います。

 

② ラジオペンチ

ヒーターを引き抜く時などに、ラジオペンチを使います。

 

③ モンキーレンチ

ヒーターブロックを挟むのに使います。

 

④ スパナ/メガネレンチ

ノズルの着脱に使います。サイズは6mmを使います。

 

⑤ プラスドライバー

ヒーターを抑えているビスを外すのに使います。

 

原因調査

ここからは部品を分解をしていきますが、大まかに13の工程に分けました。

 

多いかと思われるかもしれませんが、1つ1つは簡単ですので、ご安心下さい。

 

1.ノズル温度を上げる

温度を上げ、ノズルを外しやすくしておきます。

 


操作パネルで「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」を100℃に設定します。※熱い場合は、80℃前後でも大丈夫です。

「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」

 

2.エクストルーダーキットを取り外す

熱に気を付けて、エクストルーダーキットを台座から取り外していきます。

 


六角ビスを4点取り外します。2.5mmのレンチを使います。

Ender-3 S1 ビス4点取り外し

 

エクストルーダーキットが丸ごと外れますので、天地をひっくり返してテーブルの上に置きます。※ フラットケーブルに注意して下さい。

Ender-3 S1 エクストルーダーをひっくり返しておく

 

ピンセットを使って、シリコンカバーを外します。

Ender-3 S1 シリコンカバーを外す

 

3.ノズルの取り外し

熱に気を付けながら、ノズルを外していきます。

 


ヒーターブロックをモンキーレンチで挟み、固定します。
スパナでノズルを挟み、反時計まわししてノズルを外します。

Ender-3 S1 ノズルを外す

 

 ノズルを確認すると、樹脂がこびりついていました。
後で掃除することにします。

Ender-3 S1 ノズルに樹脂がこびりついている

 

4.ノズル温度を下げる

無事ノズルが外れたら、温度を下げていきます。

 


操作パネルで「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」を0℃に設定します。

「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」

 

温度が下がったら、本体の電源をOFFにします。

 

5.ヒートブロックキットを取り外す

原因だと思われる、ヒートブロックキットを取り外していきます。

 


コネクタ部に「透明なホットメルト接着剤」が付いているので、それを剥がします。
※接着剤は、ラジオペンチで剥がしました。

Ender-3 S1 透明なホットメルト接着剤を剥がす

 

「ヒーターコネクタ」と「センサーコネクタ」を抜きます。
※ケーブルが切れないように注意して下さい。

Ender-3 S1 「ヒーターコネクタ」と「センサーコネクタ」を抜く

 

六角レンチで、イモビスを緩めます。
※ビスは取り外す必要はありません。

Ender-3 S1 イモビスを緩める

 

六角レンチで、ビス2点を取り外します。

Ender-3 S1 ビス2点と外す

 

ラジオペンチで、ヒーターブロックを取り外します。

ヒーターブロックを取り外し

 

この時、フィラメントのカスがありましたので、ラジオペンチで引っこ抜きました。

フィラメントのカス

 

6.ヒーター部を丸ごと交換する

この段階で、ヒーター部を丸ごと交換しても良いです。

 

サンステラさんやAmazonで、ヒートブロックキットを購入することができます。

 

今回はせっかくなので、部品を清掃して再利用したいと思います。

 

7.ヒーターブロックを分解する。

さらに、ヒーターブロックを分解していきます。

 


ヒーターブロックをモンキーレンチで固定して、スロートチューブを回して取り外します。※ もし固まって回らない場合は、ケーブルを再接続し、ノズル温度を上げると回しやすくなります。

スロートチューブを回して取り外します。

 

スロートチューブの中を見てみると、フィラメントが詰まっています。またテフロンチューブが焦げています。原因はこれですね。

テフロンチューブが焦げている

 

六角レンチでヒーターブロックのイモビスを緩めます。

六角レンチでヒーターブロックのイモビスを緩める

 

プラスビスをドライバーで外します。

プラスビスをドライバーで取り外す

 

ヒーターを引き抜きます。

ヒーターを引き抜く

 

センサーケーブルは、しっかり固められている為、抜くことができませんでした。

 

ひととおり分解できました。

ヒーターブロック、スロートチューブを分解

 

8.清掃・再生する

ここからは、各部品を清掃していきます。

 


テフロンチューブは焦げているため、さすがに再生できません。チューブのサイズを確認すると、長さはおよそ18mm、外形は4mm、内径はおよそ2mmでした。

テフロンチューブのサイズ

 

今後また起きる可能性があるので、Amazonでチューブを注文しておきました。

 

ちなみに専用のカッターがあると、目的の長さに切断しやすいです。

 

ノズルとヒーターブロック、スロートチューブは、アセトンを使って清掃していきます。※アセトンは人体や環境への影響が強いため、取り扱いには十分注意が必要です。

アセトン

 

液体を容器にそそぎ、ノズルやスロートチューブ、ヒーターブロックを浸します。

Ender-3_ノズル詰まり対処_部品を清掃する

 

↓のような工具をうまくつかって、小さいゴミやコゲを少しずつ除去していきます。

Ender-3_ノズル詰まり対処_清掃工具

 

掃除できたら、しっかり洗浄・乾燥・ふき取りを行って完了です。

Ender-3_ノズル詰まり対処_清掃済

 

ノズルを完全に清掃するのは難しいので、このタイミングで新品にしても良いです。

 

9.組みつけ

逆の手順で、組みつけていきます。

 


ケーブルやノズルを元の通りに組みつけていきます。

Ender-3_組みつけ

 

組みあがったら、本体の電源をONにします。

 

10.Z軸のキャリブレーション

Z軸キャリブレーション(調整)を行います。

 


「準備」→「元に戻る」を選択します。すると自動でホームポジションに移動します。

Ender-3_「準備」→「元に戻る」

 


1.「軸移動」→「Z軸移動」を選択し、数値を「0」にします。
2.「戻る」を選択します。

Ender-3_「軸移動」→「Z軸移動」を選択し、数値を「0」

 

「Z軸補正」を選択しておきます。

「Z軸補正」を選択

 


1.普通紙を、ノズルとテーブルの間に入れます。
2.パネルのダイアルをまわし「用紙がノズルに触れているかいないか」のところまでZ軸の高さを調整します。

Ender-3_用紙がノズルに触れているかいないか

 

↑これは感覚の作業になります。普通紙でブレてしまう場合は、シックネスゲージを使うと安定します。

 

11.平面調整

プラットフォームが、平面になるように調整していきます。

 


「準備」→「モーター開放」を選択します。するとエクストルーダーとテーブルを手で動かせるようになります。

Ender-3_「準備」→「モーター開放」

 


1.エクストルーダーとテーブルを動かし、「左手前」にもってきます。
2.普通紙を挿入し、「用紙がノズルに少し触れている」程度になっているかを確認します。

Ender-3_用紙がノズルに少し触れている

 

もしキツすぎる場合は、テーブル下にあるダイアルを「時計まわし」すると、緩めることができます。また緩すぎる(スカスカ)の場合は、「反時計まわし」にすると、キツくすることができます。

Ender-3_ダイヤルをまわしてプラットフォームを調整

 

残りの3隅で、同様の調整を行います。

Ender-3_四隅でプラットフォームの高さを調整

 

これを「2周~3周」行います。

 

12.オートレベリング調整

オートレベリング調整をすることで、Z軸の補正を入れてくれます。

 


「レベリング」を選択します。すると自動的に動作しますので、暫く待ちます。

Ender-3_「レベリング」

 

13.フィラメントを挿入する

フィラメントを挿入し、正常に排出されるかを確認します。

 


「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」を選択します。温度を240℃に変更します。(PLAであれば210℃)

Ender-3_「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」

 

温度に達したらフィラメントを挿入し、ノズルから排出されることを確認します。

Ender-3_ノズルから排出されることを確認

 

13.テストプリント

テストプリントを行い、問題がないかを確認します。

Ender-3_プリント確認

 

まとめ

ちょっと長くなってしまいました。本記事の内容をまとめます。

 


項目 内容
症状 プリント途中から、フィラメントが排出されなくなる。
原因 テフロンチューブの詰まり・コゲ
対処方法 1.ノズル温度を上げる。
2.エクストルーダーキットを取り外す。→高温に注意。
3.ノズル温度を下げる。
4.ヒートブロックキットを取り外す。
5.ヒートブロックキットを丸ごと交換するか検討。
6.ヒートブロックキットを分解する。
7.清掃する。→アセトンの取り扱いに注意。
8.組みつけ。
9.Z軸のキャリブレーション。
10.平面調整。
11.オートレベリング調整。
12.フィラメントを挿入する。
13.テストプリント

 

今回は、ヒーターを高温にして作業を行いましたが、状態がキレイであれば温度を上げる必要はないと思います。また、部品の清掃に使ったアセトンですが、廃棄方法についても十分確認した上で購入する必要があります。

 

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