ナイロンは曲げに強く、強度も高いことから身近でもよく使われています。
ナイロン(PA、ポリアミド)とは?
FDM方式での利用はまだまだ少なく、主に粉末積層で造られることが多いです。
とは言えFDM方式でも、形状を選んでしまうものの使いやすくなってきています。
使用するフィラメントについて
今回は、PolymakerさんのPolyMide Copa(黒)を使います。
造形するモデル・条件について
下記のモデル達をつくっていきます。
また、造形の条件は下記の通りです。
項目 | 数値 | |
① | ノズル径 | 0.4mm |
② | 積層ピッチ(レイヤーの高さ) | 0.2mm |
③ | ノズル温度 | 260℃ |
④ | プラットフォーム温度 | 50℃ |
⑤ | 充填率 | 10% |
⑥ | サポート | なし |
造形した結果
1.全体的な仕上がり
仕上がり直後の写真です。
表面は光沢が強くでており、PETGみたいな仕上がりです。
また糸引きがもっと起きるかなと思いましたが、意外にもほとんどありませんでした。
プラットフォームへの定着も非常に良く、剥がれたり・浮いたりすることはなかったです。
2.オーバーハング部の仕上がり
PA(ナイロン)のオーバーハングは少し荒くなっていました。
仕上がり具合は、PETGやABSのが良い感じですね。
3.ラフトが剥がれにくい
モデルからラフトを剥がそうとしたところ、全然はがれません。
無理に剥がそうとしたところ、割れてしまいました。
なんとかラフトを剥がしてみましたが、底面部を見てみると汚くなっています。
これはラフトとモデルの間隔が空きすぎているためですね。
ちょっとここで整理すると・・・
底面がきたない → ラフトとモデルの間隔が空きすぎている為。
という矛盾が起こってしまいました。
ひとまず、「ラフトとモデルの間隔」をさらに広げ、0.3mmから0.45mmに変更してみます。
※ 0.3mmでもかなり空いている方ですが、樹脂間の接着がそれだけ強いということかと思われます。
結果は、下記のようになりました。
ラフトは少し剥がれやすくなりましたが、やはり底面がイマイチです。
<ラフトを使わずに造形してみる>
ラフトを使わずに造形してみました。
非常にきれいに仕上がりました。プラットフォームからも簡単にはがれました。
この樹脂は、ラフトは設定しない方がよさそうです。
4.曲げた時の反応
試験棒を曲げた感じを見てみます。
力を強く入れると、パキッとはいかずに「ゆっくりしなる」感じになりました。
このあたりはさすがナイロンですね。
タイラップも造形しました。
ラフト無しで造形したところきれいに仕上がりました。
タイラップを留めてみたところ一応形になりました。
ちなみに折れることはありませんでした。
まとめ
特徴 | |
① | 表面の仕上がりは光沢がある。 |
② | プラットフォームからは剥がしやすい |
③ | ラフトを使用すると樹脂同士がくっついてしまう。調整しても効果がうすい。 |
④ | オーバーハングは荒れやすい |
⑤ | 曲げても折れにくく柔軟性が高い |
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