【失敗しない】Ender-3のノズルを交換する方法

Ender-3 S1 0.25mmノズル交換

Ender-3のノズル交換で、こんなお悩みはないでしょうか?

・ 失敗せずに交換したい。
・ どんな工具が必要?
・ 交換後のキャリブレーション(調整のやり方)が不安。

 

上記のような疑問を解消しておりますので、ぜひ参考にしてください。

 

私自身は、3Dプリンターのメンテナンス・修理・サポートを職業としていますので、その経験も参考になれば幸いです。

 

今回行うこと

今回は、Ender-3 S1という家庭向け3Dプリンターのノズルを交換します。

 

お使いの機種が違っても、流れは似ていますので参考になるかと思います。

 

以下のように、0.4mmノズルから0.25mmノズルに交換します。

Ender-3 S1 ノズルサイズ交換

ちなみにノズルは「Ender-3 S1」の国内代理店をしているサンステラさんで購入しました。安心して購入されたい方はこちらがおすすめです。→ サンステラモールへ

 

ノズル径を小さくすることで「造形線を細かくし、なめらかに見せる」効果があります。外観がとても良くなりますので、必要があれば交換することをおすすめします。

 

また、良いことばかりではなく、デメリットも知っておく必要があります。気になる方は0.2mmノズルの特徴をまとめています。→ 0.2mmノズルを実際に使ってみた結果

 

他のCreality製品のノズル交換について

 

関連記事:Ender-3 V3 SEのノズル交換

関連記事:Creality K1のノズルの交換・清掃方法

 

準備しておく工具

交換するには、工具が必要です。6点ほどご紹介しますので、確認しておいて下さい。

 


 

① 六角レンチ(必須)

六角ビスを取り外しする際に使用します。

 

また六角レンチを選ぶポイントを詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください→ 【おすすめ】六角レンチの選び方

 


 

② スパナ/めがねレンチ(必須)

ノズルを着脱するために使用します。

 

3Dプリンターの機種によって、サイズが異なりますので確認が必要です。ちなみに「Ender-3 S1」の場合は6mmのレンチを準備しておきましょう。

 


 

③ モンキーレンチ(必須)

ヒーターブロックを固定するために使います。

 

レンチが大きすぎると、他の部品に接触してしまうので、注意しましょう。ちなみにEnder-3 S1のヒーターブロックの幅が23mmほどありますので、それを挟めるくらいのレンチがあると良いです。

Ender-3 S1 ノズルを外す方法

 


 

④ ノズルクリーニングワイヤー(あると良い)

ノズルを掃除するために使用します。

 

Ender-3 S1プリンターには、0.3mmのクリーニングワイヤーが付属しています。0.2mm径のノズルを掃除する場合は、サイズが合いませんので準備が必要です。

Ender-3 S1 クリーニングワイヤー

 


 

⑤ ピンセット(あると良い)

ヒーターブロックカバーを外すために使用します。

 

本記事の手順では、ヒーターに温度を入れた状態で作業しますので、ピンセットがあると作業がしやすいです。

Ender-3 S1_シリコンカバーを取り外す

 


 

⑥ シックネスゲージ(あると良い)

ノズルとテーブルの高さ調整に使います。

 

普通紙で代用することが可能ですが、紙だとブレてしまうことがあるので、安定して調整したい場合はシックネスゲージを使うのをおすすめします。

Ender-3 S1_高さを確認する

 

ノズル交換方法

では本題ですが、工程を10個に分けました。多いように感じますが、1個1個は大したことはありませんので、安心してください。

 

1.フィラメントを引き抜く

まず最初に、フィラメントが挿入されている場合は、以下の手順で引き抜きます。

 


「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」を240℃にします。
※ABSの場合の温度です。

Ender-3 S1 「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」

 

フィラメントを一度押し出してから、引き抜きます。

Ender-3 S1_フィラメントを引き抜く

 

引き抜いたフィラメントは、次回使う時のために、ニッパーでカットしておきます。

Ender-3 S1_フィラメントをニッパーでカットする

 

2.ノズルを掃除する

温度はそのままの状態で、ノズルを掃除していきます。

 


「準備」→「軸移動」→「Z軸移動」を選択します。

Ender-3 S1_「準備」→「軸移動」→「Z軸移動」

 

「Z軸移動」を220にします。するとエクストルーダーのZ軸が移動します。

Ender-3 S1_「Z軸移動」を220

↑作業のしやすい高さに移動できれば大丈夫です。

 

付属のクリーニングツールを使って、ノズルを掃除しましょう。

Ender-3 S1_クリーニングツールでノズル掃除

 

3.温度を下げる

常温だと、ノズルが取り外しにくい場合がありますので、100℃に設定します。

 

今回は100℃に設定しましたが、熱すぎる場合は50℃~70℃でも問題ありません。

 



1.「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」を選択します。
2.ダイヤルを回し、240℃から100℃へ変更します。

Ender-3 S1_「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」

 

4.Z軸の高さを変える

作業がしやすい高さに変更します。

 



1.「準備」→「軸移動」→「Z軸移動」を選択します。
2.「50」に変更します。

Ender-3 S1_「準備」→「軸移動」→「Z軸移動」

 

5.ノズルの付け替え

工具を使って、ノズルの付け替えを行います。

 

※ ここからは、ホットエンドを触っていきます。ヒーター温度を100℃にしていますので、やけどに十分注意しましょう。(作業にあたっては自己責任でお願いします。)

 


六角レンチを使って、4点のビスを取り外します。

Ender-3 S1_ビスの取り外し

 

ホットエンドが丸ごと外れますので、フラットケーブルに注意しつつ「上下をひっくり返して」テーブルに置きます。

Ender-3 S1_ホットエンドを反対向きに置く

 

ピンセットを使って、シリコン製のヒーターカバーを取り外します。

Ender-3 S1_シリコンカバーを取り外す

 


1.モンキーレンチを使って、ヒーターブロックを挟みます。
2.スパナを使って、ノズルを挟みます。

Ender-3 S1_スパナとモンキーレンチで挟む

 

スパナを半時計まわし「ノズルを緩めて」いき、取り外します。

Ender-3 S1_半時計まわしでノズルを取り外す

 

もともと取り付けられていた0.4mmの純正ノズルは、サイズの刻印がありません。そのため、間違わないように分かりやすく保管しておきましょう。

Ender-3 S1_注意書き

 

今回は、0.25mmノズルを取り付けていきます。

Ender-3 S1_0.25mmノズル

 

ノズルを「時計まわし」で、取り付けます。
手でやったほうが、取り付けやすいのですが、高温のため注意しましょう。

Ender-3 S1_0.25mmノズル取り付け

 

モンキーレンチとスパナを使って、さらに締めつけます。
※締めすぎると、ねじ切ってしまう事がありますので、力加減には注意しましょう。

Ender-3 S1_ノズルをスパナとモンキーレンチで締める

 

ピンセットを使って、シリコンカバーを取り付けます。

Ender-3 S1_ピンセットを使ってシリコンカバーを取り付ける

 

ビス4点を取り付け、六角レンチで締めます。

Ender-3 S1_六角ビスで締め付ける

 

これでノズルの交換は完了です。引き続きキャリブレーションを行っていきます。

 

6.Z軸のキャリブレーション

以下の手順で、ノズルとテーブルの高さを決定させます。

 



1.「コントロール」→「工場出荷時状態にリストア」を実行します。
2.英字になりますので、「Back」を選択します。

Ender-3 S1_「コントロール」→「工場出荷時状態にリストア」を実行します。

 


1.「Prepare」→「Language selection」を実行します。
2.日本語に変わります。

「Prepare」→「Language selection」を実行します。

 

「元に戻る」を選択し、ホットエンドがホームポジションに戻ったことを確認します。

Ender-3 S1_「元に戻る

 


1.「軸移動」→「Z軸移動」を選択し、数値を「0」にします。
2.「戻る」を選択します。

Ender-3 S1_「軸移動」→「Z軸移動」を選択し、数値を「0」にします。

 

「Z軸補正」を選択しておきます。

「Z軸補正」を選択

 

⑥ 
1.用紙をノズルとテーブルの間に入れます。
2.パネルのダイアルをまわし「用紙がノズルに触れているかいないか」のところまでZ軸の高さを調整します。

Ender-3 S1_用紙を使って高さを合わせる

↑感覚の作業になります。迷う場合は「ゆるめに調整」しましょう。

 

用紙だとブレて調整しにくい場合は、シックネスゲージを使うことをおすすめします。↓

 

7.平面調整

プラットフォームが平面になるように調整していきます。

 



1.「モーター開放」を選択します。
2.するとエクストルーダーとテーブルを手で動かせるようになります。

Ender-3 S1_モーターを開放する

 


1.エクストルーダーとテーブルを「左手前」にもってきます。
2.紙を挿入し「用紙がノズルに少し触れている」程度になっているかを確認します。

Ender-3 S1_高さを確認する

 

もしキツすぎる場合は、テーブル下にあるダイアルを「時計まわし」すると、緩くすることができます。また緩すぎる(スカスカ)の場合は、「反時計まわし」にすると、キツくすることができます。

Ender-3 S1_ダイヤル調整

 

残りの3隅で、同様の調整を行います。

Ender-3 S1_残りの3隅で調整

 

これを「2周~3周」行います。

 

8.オートレベリング調整

オートレベリングを実行することで、ソフトウェア上で補正することができます。

 



1.「レベリング」を選択します。
2.すると自動的に動作しますので、暫く待ちます。

Ender-3 S1_オートレベリング調整

 

9.フィラメントを挿入する

以上で調整が終わりましたので、フィラメントを挿入します。

 



1.「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」を選択します。
2.温度を240℃に変更します。

Ender-3 S1_「コントロール」→「温度」→「ノズル温度」を選択

 

温度に達したら、フィラメントを挿入し、ノズルから排出されることを確認します。

Ender-3 S1_フィラメントを挿入する

 

10.テストプリント

正常にプリントできるかを確認します。

Ender-3 S1_0.25mmノズルでテストプリント

今回は、0.4mmから0.25mmノズルに変更しましたので、それに伴って、Creality Slicerのパラメータ値を調整する必要があります。

 

今回のまとめ・補足

詳細
必要な工具は、予め準備しておくこと。
ノズル取り外し時は、温度を上げた方が作業しやすい。
※温度を入れないと、樹脂のこびりつきが原因で、ノズルが回せない場合がある。
※やけどには十分注意し、自己責任でお願いします。
普通紙でレベリング調整しても良いが、シックネスゲージを使ったほうが安定する。

 

今回使用した3Dプリンターについて

使用した3Dプリンターは、Ender-3 S1と言う家庭向け3Dプリンターです。

 

この機種は、多くの機能が搭載されていることに加えて、同梱されているスライサーソフトで、細かい調整をすることができます。

 

私は、企業向けのプリンターを取り扱っていますが「家庭向け3Dプリンターでこれだけのことができるの?」とすごく驚きました。

 

 

↓セットアップレビューもしていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

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