Anycubic Kobra 2 NEO完全・徹底レビュー!【初心者へおすすめ】

anycubic_kobra2 neo_完全・徹底レビュー

Anycubicさんからは「Kobraシリーズ」、光造形機の「Photonシリーズ」が販売されています。

 

リーズナブルな製品が多いので、初心者の方でも始めやすいメーカーです。

 

そこで今回は「Kobra 2 NEO」の特徴やセットアップ方法などをまとめました。

 

Anycubic Kobra 2 NEOについて

低価格ながら、最新の機能が搭載された3Dプリンターです。

 

動画で見る

本記事の内容は、動画でも見ることができます↓

 

Kobra 2 NEOの特徴・メリット【6選】

Kobra 2 NEOの特徴を、ご紹介いたします。

 


① 高い冷却力

まず1つ目は「高い冷却力」です。

kobra2NEO_プリントヘッド

 

近年は、質の良いプリントをするために、どのメーカーさんも冷却力をアップさせています。

 

もちろん高価格のプリンターであれば、冷却力が高いのは頷けます。ですがKobra 2 NEOのモデリングファンは、低価格帯の3Dプリンターの中でも、特に大きめです。

kobra2NEO_プリントヘッドのファンを分解

 

プリントヘッド部を分解するとこのようになっていて、モデリングファンは1つ搭載されています。風が抜ける道は2つに分かれてますね。

kobra2NEO_風の経路が分かれている

 


② オートレベリング・スマートZオフセット

2つ目は「オートレベリング・スマートZオフセット」機能です。

 

LeviQ2.0というオートレベリング機能が搭載されていて、テーブルに歪みがないかを測定します。その結果をもとに補正を行ってくれます。

kobra2NEO_オートレベリング・スマートZオフセット

 

↓の画像ように、プラットフォーム接触せずに測定します。この価格帯で、非接触はあまりないんじゃないかなと思います。

kobra2NEO_非接触

 

ちなみに、この黄色いパーツが、高さを見てくれているセンサーです。

kobra2NEO_高さセンサー

 

試しに、このパーツのケーブルを抜いてレベリング動作をさせてみたら、ノズルがテーブルに刺さりかけたので緊急停をさせました。そんな感じで、このパーツはとても重要みたいです。

 

またZオフセットは、テーブル奥にある↓このようなスイッチにノズルを押し当て、測定を行っています。

kobra2NEO_レベリングスイッチ

 

白い四角の方は、ノズルを掃除する場所です。ノズルを綺麗にしてから、丸い方で測定をするという流れです。

kobra2NEO_ノズルの掃除・清掃

 

レベリング調整の操作方法はとても簡単で、パネルで「Auto Level」を選択するだけで、全て自動で調整してくれます。

kobra2NEO_Auto Level

 

また、後半でも解説しますが、フレームに関してはあまり頑丈とは言えなさそうです。しかし、このような優秀なオートレベリング機能・スマートZオフセットがあるおかげで、多少のハードウェア的な歪みが起きても、精度の高いプリントができそうです。

 


③ プリントスピード

3つ目は「最大250mm/sの速度でプリントができる」点です。

 

ただ、Anycubicのスライサーソフトで確認した数値は「速度が150mm/sで、加速度は2000mm/s2」となっていました。

 

数値が控えめだったのでちょっと残念ですが、それでも3DBenchyを「約30分」でプリントすることができます。

kobra2NEO_テストプリント

 

昔のプリンターでは、1時間30分ぐらいかかっていたので、買い換える方は、いい感じにスペックアップできると思います。

 


④ 操作パネル

4つ目は「シンプルな操作パネル」です。

 

皆さんはパネルの好みはありますか? 個人的にはタッチパネルよりも、こちらのダイヤル式の方が好きだったりします。

 

タッチパネルは、感度が良ければいいのですが、うまく反応してくれないと、もどかしくなります。一方、ダイヤル式は操作方法やメニューの場所を覚えてしまえば、素早く操作することができるので何気におすすめです。

 


⑤ 自動ロード・アンロード

また、それ以外の機能には「自動ロードアンロード機能」があります。

 

フィラメントを差し込んだ後、操作すると、自動でフィラメントを送り出してくれます。取り出す時も、自動で行うことができます。

kobra2NEO_自動送り、ロード・アンロード

 


⑥ フレキシブルプレート

また、ビルドプレートは最近主流の「フレキシブルタイプ」になっています。

 

表面はザラっとしていて、曲げられるので簡単に造形物を剥がすことができます。何気に便利です。

kobra2NEO_ビルドプレート・テーブル

 

 

注意しておきたい点・デメリット【3選】

必ず注意しておきたい点」をご紹介いたします。

 


① 騒音量

1つ目は「動作時の騒音量」についてです。

 

高速3Dプリンターは、動作音が問題になりやすいですが、Kobra 2 NEOはどうでしょうか?

 

独自に計測したところ「68dB(デシベル)から71dB」でした。やや大きめかなという感じでした。

kobra2NEO_騒音、音量、

 

音量の原因は、高い冷却力のファンです。ですが、もっと速い3Dプリンターは、これよりも音量は大きくなります。この辺りは環境次第なので、ケースバイケースで考えていく必要があります。

kobra2NEO_プリントヘッド

 


② 設置スペース

1つ目は「設置スペース」についてです。

 

フィラメントは、本体の横に設置します。横幅を取りますので、あらかじめスペースを確認しておいた方がいいです。

kobra2NEO_置き場所、設置

 

また、テーブルはこのように前後に動きます。本体をはみ出しますので、前後のスペースも確認しておきましょう。

Anycubic_kobra2NEO_ビルドプレート

 


③ 組み立て作業

3つ目は「組み立て作業」についてです。

 

コネクターが1つ余ったり、フラットケーブルの引き回し、タイラップを使う場面があるなど、初めての方はちょっと悩むかもしれません。

Anycubic_kobra2NEO_ケーブル・コネクタ・配線

 

この後にセットアップ方法もご紹介していますので、参考にしてみてください。

 

 

プリントしてみた結果

プリントしたもの」ををご紹介していきます。

 


まずは3D Benchyをプリントしました。表面の荒れ具合も、特に問題なさそうです。MicroSD内のデータは、30分くらいでプリントすることができました。

Anycubic_kobra2NEO_3DBenchyテストプリント

 

こちらも付属のデータです。いい感じにプリントできています。

Anycubic_kobra2NEO_シルクフィラメントテスト

 

今回これらは、シルクフィラメントを使っていますので、光沢感が強く出ています。

 

続いては、ゴム質のフィラメントを使ってプリントしました。

Anycubic_kobra2NEO_ゴム(TPU95A)フィラメント

 

TPU95Aというゴム質フィラメントで、やや固めの樹脂になります。糸引きが起きやすいですが、シンプルな形状であれば問題なさそうです。

 

薄いモデルをプリントしてみました。ラインが分離してしまった部分もありますが、およそ均等にプリントされていました。結構いい感じでレベリング調整が効いていると思います。

kobra 2 NEO_レベリング確認

 

 

開梱・セットアップ

ここからは、組み立てをご紹介していきます。

 


固定するのに使われているタイラップをカットします。

 

シャーシにフレームを乗せ、底面から2カ所ネジ留めします。写真では床でやっていますが、机の上に乗せてネジ止めした方がやりやすいです。

anycubic_kobra2 neo_組み立て

 

エクストルーダーを画面のようにセットし、ネジ4本留めていきます。

anycubic_kobra2 neo_エクストルーダー取付

 

操作パネルを、ネジで留めます。ケーブルも接続します。

anycubic_kobra2 neo_パネルの取付

 

フィラメントホルダーを取り付けます。

anycubic_kobra2 neo_フィラメントホルダー取付

 

フラットケーブルをエクストルーダーに差し込み、保護カバーを取り付けます。

anycubic_kobra2 neo_フラットケーブル取付

 

Z軸モーターのケーブルコネクターを接続します。この辺りのケーブルが、ごちゃごちゃしていてやや分かりにくいです。

 

細長い1ピンのコネクターを接続します。

anycubic_kobra2 neo_1ピンケーブル

 

最終的にEと書かれたコネクターが、1つ余る形になりました。問題なく動作しているので大丈夫なんだと思いますが、もし分かる方がいらしたら教えてください。

 

フラットケーブルに、チューブガイドを3つ取り付けていきます。等間隔になるように位置を調整します。

 

適度な「あそび」ができるようにしておきます。

 

フラットケーブルをタイラップで留めます。タイラップで一度止めてしまうと動かせないので、あらかじめおよその位置を決めておきます。

anycubic_kobra2 neo_タイラップ・ケーブルタイで留める

 

続いて、テーブルを手で動かしてみて、グラつくようであれば、スパナを使って締めていきます。締めた場合は、グラつきやレールの動きを再確認します。

anycubic_kobra2 neo_テーブルを締める

 

Z軸モーターを、手で回してエクストルーダーの位置を高くします。

anycubic_kobra2 neo_Zポールを手回しする

 

エクストルーダーがぐらつくかを確認します。グラつく場合は、スパナで六角形のボルトを締めます。

anycubic_kobra2 neo_エクストルーダーを締める

 

締めすぎるとプリントヘッドの動きが悪くなるので、ちょうど良いくらいにします。

 

電源ケーブルを接続し、スイッチをオンにします。

anycubic_kobra2 neo_電源ケーブルを接続する

 

設定から「Auto Level」を選択し、レベリング調整を行います。動画が終わるまでしばらく待ちます。完了画面が表示されればOKです。

anycubic_kobra2 neo_Autolevering

 

フィラメントをセットし、チューブに通します。

anycubic_kobra2 neo_フィラメントをセットする

 

青いクリップを取り外して、テフロンチューブを抜き、フィラメントを差し込みます。

anycubic_kobra2 neo_青いクリップを外して挿入

 

「Extrude」を選択し、ノズルからフィラメントが排出されればOKです。

anycubic_kobra2 neo_ロード

 

ちなみに六角レンチを使えば、テンション具合を調整することができます。

anycubic_kobra2 neo_フィラメントの圧着調整

 

こんな人におすすめ

Kobra 2 NEOは、こんな方におすすめです。

 


① 3Dプリントを試してみたい方

これから始めたいと思う方は、どの機械を選べば良いか分からずに、不安に思うことが多いと思います。

 

簡単に調整ができて、低価格なプリンターなのでおすすめとなります。

 


② 高価なプリンターを買って後悔したくない方

3Dプリンターを買った後に、使わなくなるという方は少なくありません。そうするともったいないですよね。

 

まずは安価なプリンターで試すということは大切です。

 


③ 古くなって買い換えたい方

昔の3Dプリンターよりも、確実に機能は進歩しています。

 

簡単に調整ができる上に、品質や速度の向上が見込めるのでお勧めとなります。

 


④ プレゼント用

結構大物にはなってしまいますが、購入に踏み出せない人へのプレゼントにもいいと思います。

 

YouTubeで、本ブログの内容を分かりやすくを解説しています

 

3Dプリンターを、どれにするか迷っていませんか?

 

Creality Ender-3 V3 SE」は、FDMをこれから始める方には間違いなくおすすめできる3Dプリンターです。

↓サンステラさんでは、サポートも充実していますので、安心して使えます。