この記事について
【Raise3D Pro2/Pro2 Plusどんな機械?】
Raise3D Pro2/Pro2 Plusは、日本3Dプリンター社が総代理店で販売しているFDM方式の3Dプリンターです。Raise3Dシリーズは既に国内出荷台数を1,000台突破している機械になります。
ただカタログや商品サイトを見てもイマイチピンときません。今回は実際に機械を触ってレビューしましたので、少しでも参考になればと思います。「良いと思った点」と「もう少し求めたい点」で分けてレビューしたいと思います。
実際に触って良いと思った点
造形精度が高い
実際に造形しても精度が高いと感じます。オーバーハングが存在する造形の仕上がりや全体の滑らかさは申し分ないかと思います。
プラットフォームテーブルの性能が優秀
Raise3D E2と違い、プラットフォームテーブルはフレキシブル(曲がる)ではなく、しっかりとした鉄板という感じです。手前の2つのつまみを回して緩めることでテーブルを上に持ち上げて外すことが出来ます。また取り付けは逆の動作を行います。 良いと感じた部分は、簡単な着脱な上にマグネットで密着されるので「平面」がしっかり保たれるという点です。
良いと感じた部分は、糊(ノリ)などの接着剤を塗らなくても造形物がしっかりと定着する点です。
製品によっては糊を塗ってから造形を行うことも多いですが、基本的には不要となります。
左右のノズルは上下に駆動することが出来る
Pro2は、デュアルノズルなので右と左にノズルが搭載されています。デュアルノズルタイプは片方をサポート材用に使用することが出来ます。Pro2が良い点は「それぞれのノズルが上下に駆動できること」です。
ノズルが上下に駆動できると何が良いかと言うと「使用していない方のノズルが造形物に接触しない」という効果があります。
例えば左右のノズルが常に同じ高さだと、使用していないノズルが造形物に接触する事があります。
そうすると造形物を傷つけてしまったり、造形物を剥がしてしまうことがありますが、使用していないノズルが上昇してくれることで、接触を防ぐことが出来るのです。
耐久度が高い
FDM方式の3Dプリンターは、長い間使用しているとテーブルの「平面」を維持しにくくなってしまう傾向にあります。その理由は、部品の劣化やテーブルの自重による変形などがあります。ところがPro2のプラットフォームテーブルは、6本のZ軸によってしっかりと固定されているため、歪みにくくなっています。
スライサーソフトで使える機能が多い
スライサーソフトは「ideamaker」というソフトが付随しています。これが良い点は「使える機能の多さ」です。全ての機能が有用と言うわけではないですが、主に「造形の成功率を上げたり」「補助機能等」が優れています。例えば「高密度サポート機能」や「モデルカット機能」「データ修復機能」などは非常に使える機能です。
ideamakerの便利な機能を下記の記事にまとめていますので、合わせてお読みください。
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フィラメント切れセンサー搭載
フィラメントがなくなっても自動で一時停止してくれます。フィラメント交換後に再開できるので造形が無駄にならない点は非常に良い点です。ですが透明なフィラメントを使った際に、挿入されているのに挿入されていないという認識になったことがあります。恐らく透明なのでセンサーが透過してしまって誤検知したのかなと思います。
もう少し求めたい点
多少ノズルの交換の手間がかかる
Pro2はノズル径の種類(0.2mm、0.4mm、0.6mm、0.8mm)が用意されていますので、使い方によってはノズルの交換が必要となります。
公式のやり方だと、ノズルヒーターを外してメガネレンチとモンキーレンチでノズルを取り外しますが、樹脂がこびり付いていたりすると外しにくかったりもします。ですがもっと手間のかかる3Dプリンターもありますので「やや」という程度です。
ちなみに公式通りでなければ、下記の写真のようにノズルヒーターを外さなくてもラジオペンチとメガネレンチでノズルの着脱自体は容易に可能でした。
ノズルとテーブルの間隔調整(ギャップ調整)が手動
これは使い慣れればあまり苦ではありませんが、シックネスゲージを使用して「ノズルとテーブルの間隔」を調整します。これが全て人間の感覚による手動での調整となります。近年では、自動で調整してくれる3Dプリンターもありますので、そういう意味ではやや手間がかかり、高さの誤差が発生しやすくなります。
ご紹介した商品について
まとめ
「もう少し求めたい点」に関しては、やり慣れるという事が大切なので「たくさん触る」というのが重要です。またRaise3Dはサポート体制も良いと感じます。
また、よく引き合いに出される製品で「Raise3D E2」があります。こちらも「実際のところ」をレビュー致しましたので合わせてご覧頂くことで「Pro2との違い」も確認できるかと思います。
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