【3Dプリント】ABSを研磨してピカピカに仕上げてみた

ABS_コンパウンドで仕上げる

造形品の仕上げ作業で、このようなお悩みはないでしょうか?

・ どうやって仕上げをすれば良いかわからない。
・ キレイに仕上げる方法を知りたい。

 

今回は、キレイに仕上げる方法を試してみましたので、ご紹介します。

 

見た目を良くする方法ってなにがあるの?

見た目を良くする方法を「4つ」ほどご紹介します。

 

① スライサーで調整する

スライサーソフトの値を調整すると、なめらかに仕上げることができます。

たとえば、積層ピッチの値を調整することで、積層痕はめだたなくなります。

 

② ノズル径を小さくする

樹脂を排出するノズルのサイズを小さくします。

すると、1本あたりの造形線が細くなるので、なめらかに表現することができます。

 

③ 研磨する

造形品を研磨することで、キレイに見せることができます。

一口に研磨すると言っても、いろいろなやり方があります↓

・ 紙やすり(空研ぎ)
・ 耐水ペーパー
・ 棒やすり
・ スポンジやすり
・ ミニルーターを使う
・ コンパウンドを使う

↑これらは、ご家庭でもかんたんに行うことができる処理です。

 

④ 表面仕上げ加工機を使う

「Polysher」という機械を使うことで、表面をピカピカに仕上げることができます。

専用機内にIPA(イソプロピルアルコール)を充満させ、表面を仕上げていきます。

積層痕を消すことができるので、見た目をなめらかにすることができます。

 

研磨して仕上げてみる

では本題ですが、今回は実際に研磨しましたので、工程をご紹介していきます。

 

① 研磨の準備

今回使うモデルは↓の「ねこの置き物」です。

ねこの置き物

↑処理する前は、造形線がしっかり見えていますね。

 

↓研磨には、耐水ペーパーを使用します。

耐水ペーパー

↑番手は、左から#120/#240/#400となっています。

 

水に浸けながらヤスリがけをしますので、容器に水を溜めておきます。

ABS容器に水をためる

↑余談ですが、この容器はABSでプリントしました。

 

あと、水をふき取るためのキッチンペーパーを用意しておきます。

キッチンペーパー

 

② 耐水ペーパーで研磨していく

では、研磨していきます。

ペーパーでやすりがけ

 

#120で大まかに削っていきます。

#120で研磨していく

↑造形線が、ある程度うすくなるまで削っていきます。

 

がんばって削っていると、耐水ペーパーがヘタってきます。

耐水ペーパーがへたってきた

↑使える面がなくなってきたら、交換します。

 

#240を使って、さらに削っていきます。

#240を使ってやすりがけする

↑耐水ペーパーの黒い色が、造形線のすきまに入り込んでいます。

 

#400を使って仕上げていきます。

 

だいぶいい感じになってきました。

耐水ペーパー処理後

↑もっと滑らかにしたい場合は、#600や#1000を使っていくと良いです。

 

③ コンパウンドでツヤをだす

引き続き、コンパウンドを使って磨いていきます。

ソフト99コンパウンド

 

コンパウンドってなに?

コンパウンドとは、研磨するための粒子が含まれている「研磨剤」のことです。

布などにつけて磨いていくと、ツヤをだすことができます。

今回は↓ソフト99のコンパウンドを使います↓

「細目・中目・極細」の3種類が入っていてお得です。

 

ウエスや布に、コンパウンドをつけて磨いていきます。

コンパウンドで磨く

↑今回はモデルが小さかったので、ウエスをカットした方が良いです。

 

ちなみにウエスは、ネットで簡単に手に入ります。

 

↓コンパウンドで研磨した後になります。

↑光沢がでて・ツヤっぽくなりました。
もっと磨けば、より光沢がでるかと思います。

 

最後に、処理前と後で比較してみます。

やすり前と後で比較

↑造形線がなくなったのと、光沢感がでているのが分かります。

 

手で磨くのはめんどうだなぁ、という方はミニルーターを使ってみて下さい↓

 

格安リューターを実際に試してみましたので、参考にしてみて下さい↓

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格安リューターを使って仕上げ処理した結果【Ginelson】

 

作業にあたっての注意点

やすり・コンパウンドを使う際は、以下の2点を注意して下さい。

 

① 削る分の肉厚を確保しておく

とうぜんのお話ですが、削った部分は肉薄になります。

そのため、3Dプリントする際は少し「肉厚にする」と良いでしょう。

・ シェル(壁)を厚くする
・ 上面、底面を厚くする

 

② 作業中は換気をする

コンパウンドは、独特な匂いがあるので、屋外で作業しましょう。

もし屋内で作業をする場合は、窓を開けたり、換気扇をまわすなどして下さい。

また、造形品が少しの間匂いますが、しばらく放置しておくと消えます。

 

今回使った工具について

今回使用した備品・工具をご紹介します。

 

① 耐水ペーパー

手ごろなサイズが予めカットされているので、使いやすいです。

 

② ウエス

3Dプリンターの清掃・ふき取りなど、幅広く使うことができます。

 

③ コンパウンド

造形品のみばえを特に重視したい場合に使用します。もちろん車のキズなどにも使えます。

 

動画でみる

動画では、いろいろなフィラメントを使って、研磨を試しました↓

 

おすすめ記事

以下のような疑問はないでしょうか?

・ ABS以外の樹脂を、研磨することはできないの?

 

ABS以外でも、強度が高く・研磨しやすい樹脂はあります。

↓の記事にまとめましたので、参考にして下さい。

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