この記事について
【3Dプリンターでよく使う樹脂性質の用語集】
3Dプリンターはあらゆるプラスチック樹脂を使用しますので、「耐摩耗性」などの意味を理解しておく必要があります。
この記事では用語を極力分かりやすく解説していますので、確認してみてください。
耐衝撃性とは?
耐衝撃性とは外部からの衝撃の耐久性を示します。高い場所から落とした時の衝撃や強い力を加えた衝撃にどれほど耐えれるかを示します。
耐衝撃性の試験は「アイゾット衝撃試験」と「シャルピー衝撃試験」があります。両方とも試験片を使用してハンマーで打撃を加えて衝撃値を評価します。両者の違いは、試験片の片端を固定して反対側をたたく(アイゾット)か両端を固定して中心部をたたく(シャルピー)かの違いです。
耐摩耗性とは?
耐摩耗性とは言葉の通り摩擦の耐性を示します。例えば、ギア等のかみ合わせによる駆動によって「表面部分の摩耗」が発生します。その耐性値を示します。表面がすり減ってしまうと駆動部に誤差が発生したり、耐久に異常が発生しますので非常に重要な指標です。
耐候性とは?
耐候性とは、主に太陽光や雨・風等の自然作用によって状態が変化しにくい性質を指します。要は自然環境に対してどれほどの強さ・耐久度があるかです。太陽光の紫外線による「変色」「劣化」「割れ」、雨風の湿度・温度による「膨張」や「収縮」に耐性があるかどうかとなります。
耐薬品性とは?
耐薬品性とは、薬品に対しての耐性を示します。その薬品に接触した際に溶けない反応しない膨張しない場合等に使われます。
耐熱温度とは?
耐熱温度とは「連続使用温度」を指すことが多いです。ですが実際のところは、業界の違いやその時の会話の流れによって下記の2通りで意味合いを使い分けます。
靭性とは?
樹脂の「靱性」とは材料の「粘り強さ」を意味します。「靭性が高い」や「高靭性」ということは材料の粘り強さが高いという意味になります。粘り強い樹脂は、外部から衝撃を受けても「割れにくい」性質があります。分かりやすいイメージで言うと衝撃を与えた際に「パリーン」と割れるか割れないかという違いです。
難燃性(耐燃性)とは?
難燃性とは、燃焼しにくい性質のことです。全く燃焼しないわけではなく「燃焼しにくい」性質となり、燃えない性質の場合は「不燃性」となります。
機械的性質(機械特性)とは?
機械的特性とは、その材料が持つ「力学的」な特性の総称のことです。材料の「引っ張り」「伸び」「硬さ」「衝撃」などの総合的な強さを示します。
弾力性とは?
弾力性とは、物体が元に戻る際に発生する力(弾く力)を指します。造形物を曲げて話した際に弾く場合なども弾力性が高いと表現します。
透明性とは?
透明性とは、光が物体に対して吸収や反射をされずに裏面から抜けていく量が多い場合に透明性が高くなります。近年は透明性が高いフィラメントがいくつか販売されるようになりました。
耐油性とは?
耐油性(たいゆせい)とは、油物質の影響の受けにくさを示します。対象の樹脂が油物質に長時間接触しても変形したり、反応したりすることがない場合に「耐油性が高い」などの表現を行います。
剛性とは?
剛性(ごうせい)とは、曲げやねじれる力に対して、形状が変形しにくい度合いを指します。形状が変形にしくい際に「剛性が高い」や「高剛性」と表現します。
導電性とは?
導電性とは「電気を通す」特性のことを指します。導電性が高いということは、抵抗が低く通電しやすいことを意味します。
比強度とは?
比強度とは「質量密度あたりの引っ張り強度」の意味があります。例えばカーボン(炭素繊維)などは「軽い割に強い」という特徴があります。これを「比強度が大きい」「高比強度」というような表現をします。
比弾性率とは?
比弾性率とは「質量密度当たりの変形しにくさ」を意味します。例えばカーボン(炭素繊維)などは「軽い割に変形しにくい」特徴があります。これを「比弾性率が大きい」「高比弾性率」というような表現をします。
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