そこで今回は、HALOT-MAGEを色々と使ってみました。
今回は、試している中で想定外のことも起きてしまいました。そこにも触れればと思います。
HALOT-MAGEについて
HALOT-MAGEは、Crealityさんより販売されている家庭向け光造形3Dプリンターです。
HALOT-MAGE Proについて
HALOT-MAGE Proは、プリント速度をさらに高めて、レジンを自動で供給・排出する機構が搭載された上位機種です。
Crealityさんのサイトも参考にしてください。
公式ストア:https://store.creality.com/jp/
公式サイト:https://www.creality.com/jp/
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使ってみて分かった!HALOT-MAGEの特徴・メリット
① 8Kの高解像度
1つ目は「8Kの高解像度」です。
近年では、8Kプリンターが増えていて、業界標準になりつつあります。綺麗にプリントする要素はこれ1つではないですが、7680×4320の画素数は高い数値です。
このように、細かい文字を肉眼で確認できるのは、改めてすごいと感じます。
ちなみに上記は、10Kレジンを使いました。
② 頑丈なハードウェア構成
2つ目は、「頑丈なハードウェア構成」です。
ビルドプレートは4点のネジで止めます。2点留めの製品も多いですが、やはりガッチリ固定されていると、毎回のプリントに安定感があります。
また、万が一ネジの緩みが起きてしまっても、他のネジのおかげで、プレートが不安定になる心配はありません。
Z軸に関しては、2本のレールを軸に昇降するので、全くブレる感じはありません。
1本のレールよりは、力がそれぞれ分散されるので部品への負担が少なくて済みます。
また、重量は12kgあるので、やや重いですが、どっしりとしていて安定感があります。
こういったことから、ハードウェアの耐久性が高いことが伺えます。長期的に使いたい方にはお勧めです。
③ フリップカバーでラクラク開閉
3つ目は「フリップカバー」です。
HALOT-MAGEは、こんな感じでカバーを上げることができます。
スムーズに稼働するようになっているので、片手でラクラクに開け閉めすることができます。
業務用プリンターではこのスタイルが主流ですが、家庭向けプリンターでは珍しく「高級感」があります。また光造形は、ただでさえプリント前後の処理に手間がかかるので、このような「ちょっとした機能があると楽」です。
③ 空気清浄機
4つ目は「換気用ホース付きの空気清浄機」です。
HALOT-MAGEには、このような空気清浄機が取り付けられています。
中には活性炭フィルターが入っていて、脱臭効果があります。このように割と大きめなフィルターが入っていました。
活性炭フィルターは、Crealityさんの販売サイトで購入することができます↓
こんな感じで、ファンで吸気された空気はフィルターを通り、外部へ排出される仕組みになっています。
背面の排気口に付属のホースを取り付ければ、屋外に排出することも可能です。窓の隙間から、外に出しておくだけでも効果は高いと思います。
HALOT-MAGEの注意点・デメリット
① 不具合について
まず1つ目は「不具合について」です。
↓これはプリントされたものですが、どうなっているか分かりますか?
元のデータは、このようなモデルです。
それがこんな感じになります。お尻から顔が生えています。これができた時、思わず吹き出してしまいました。
この原因は、CHITUBOXというスライサーソフトの不具合です。スライス後に気づきそうなもんですが、↓のようにプレビュー画面では何も問題なかったんですよね。
ところが、スライスしたデータを開きなおすと、このようになっていました↓
これ以外のモデリングデータでも試しましたが、変わりませんでした。この症状は、サンステラさんにて不具合のお知らせが出ています。
対処方法は、CHITUBOXのバージョンを「1.9.6に上げる」ことで解消できます。ちなみに1.9.6にバージョンアップしてみたらこの通り↓問題なくプリントデータが生成されるようになりました。
もしくは、HALOT-BOXというCrealityさんのスライサーソフトを使っても大丈夫です。画面がCreality Printに似ているので、馴染みがあるという方はそちらが合っているかもしれません。
② パラメーターの調整について
2つ目は「パラメーターの調整について」です。
HALOT-BOXの初期パラメーターでプリントしてみると、失敗してしまいました。
パラメーターを手動で調整する必要があるので、未経験者は少しハードルがあるかなという感じです。ですが、ある程度の調整ができれば綺麗なプリントをすることができます。
また、HALOT BOXでは日本語を選べるようになっていますが、所々英語と日本語が混ざっていることがあります。この辺りはCHITUBOXの方が分かりやすいかもしれませんね。
③ 換気用のホースについて
3つ目は「換気用のホースについて」です。
HALOT-MAGEには、換気用のホースを付属しているので、うまくいけば臭いを外に逃がすこともできます。
ホースの先を外に出して換気する場合は問題ないですが、家庭内の換気口を使う場合は、風の向きによって逆流してしまうことがあります。
すると臭いを排出するどころか、室内に充満することも考えられます。
換気扇などが近くにあれば、そちらを利用すると良いと思います。
関連記事:自宅に換気システムを作ってみた!
④ 動作音について
4つ目は「動作音について」です。
光造形3Dプリンターは、FDM方式に比べて「音は静かな傾向」にあります。
ただ本体内のファンの音が少し気になりましたので、計測してみました。すると56dB~58dBぐらいでした。
FDM方式の3Dプリンターよりは静かかと思いますが、人によっては気になると思います。
セットアップ、初期設定
本体は丁寧に梱包されています。取り外していきます。
本体の電源を入れます。言語は日本語に対応していて、パネルの感度は良い感じです。
ビルドプレートを上げて、保護部材を取り除きます。
レジンバッドを止めているノブを緩めて、バッドを取り外します。
レジンバットは広いので、大きなものも作れそうです。500mlと1,000mlのメモリがあるので、レジン1本丸々入るようです。
ネジ4本を緩めて、ビルドプレートをゆるゆる状態にします。
紙を置いて、ビルドプレートをホームポジションに戻し、ネジ4本を締めていきます。レジンバッドを取り付けてノブを締めます。
本来はレベリングシートがついてると思いますが、今回はなかったので紙で調整しています。
CrealityさんのHigh Precisionというレジンを使います。高精度な水洗いレジンのようです。
詳しいパラメーターの記載はありませんでした。レジンを注いでいきます。ちなみにこのレジンは1,000g入りです。
それではレジンを注いで、プリントしてみます。
こんな感じで出来上がりました。
プレートから剥がしていきます。金属製のスクレーパーが付属しているので、隙間に差し込んで取り外します。
水洗いレジンということなので水で洗います。サポートはこの段階で剥がしました。
こんな感じで、ひとまずできました。設定を少しミスったため、剥がす際に土台を割ってしまいました。ですが、上物はキレイにプリントできています。
ざっくりとプリントまでの流れは、以上のような感じです。セットアップ作業自体は15分~20分ぐらいでできると思います。
こんな人におすすめ
① 長期的に使いたい方
ビルドプレートは4点止め、Z軸は2本のレールを使っていたりして、ハードウェア的に耐久度が高いです。
そのため長期的に使うのに向いています。
② 3Dプリンターの使用経験のある方
理由としては、パラメーター情報がそこまでで多く公開されていなかったので、全くの初心者の方は少し迷ってしまうかもしれません。
③ 臭いに悩んでいる方
換気用のホースをうまく利用すれば、独特なレジン臭を外に排出することもできます。