Creality K1でPLA+カーボンファイバーフィラメントを使ってみた結果

Creality K1でカーボンファイバーを使ってみた結果

3Dプリンターでは、カーボンファイバーが混ぜ込まれたフィラメントで作品を作ることができます。

 

マットな仕上がり具合」が好きな人も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、カーボンファイバーフィラメントを使う機会がありましたので、ご紹介していきたいと思います。

 

Creality K1/K1 MAXについて

最高速度600mm/s、加速度20000mm/s²という【超ハイスピード】の3Dプリンターです。

 

この後ご紹介しますが、この価格では考えられない機能が盛り込まれています。

 

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Creality K1C登場!

Creality K1の後継機【Creality K1C】が新登場しました。

 

紹介記事もご覧ください↓

関連記事:【Creality K1C】メリット・特徴はこれ!

 

カーボンファイバーについて解説

カーボンファイバーについて」解説していきます。

 


カーボンファイバー・炭素繊維は強度が高く、軽量な素材の一つです。

carbonfiber_filament_カーボンファイバーフィラメントを試す

 

この優れた特性を生かして、自動車部品、航空宇宙部品、ロボット部品、スポーツ用具など様々な分野の製品が作られています。

 

3Dプリンターの材料として使われる場合は、PLAやPET-G・PA(ナイロン)などのベースとなるプラスチックに、カーボン繊維を混ぜ込まれたものが販売されています。これにより、元のプラスチックフィラメントの性能に加えて、強度や剛性、軽さを併せ持つ作品を作れるようになります。

 

ちなみに「剛性」とは、曲げたりねじったりした時の変形しにくさの度合いのことです。

 

 

カーボンファイバーのデメリット【2選】

カーボンファイバーのデメリット」をご紹介していきます。

 


① ノズル内部が削れやすい

まず一つ目は「ノズル内部が削れやすくなる」ことです。

 

一般的なPLAフィラメントを使っていても、ノズルは少しずつ削れていきます。カーボンファイバー素材は通常のプラスチックよりもさらに硬い材質のため、真鍮ノズルで使っていると、より摩耗が早まってしまう可能性があります。

carbonfiber_filament_真鍮製ノズル_Creality K1

 

すると次第にスライスの設定値と実際のノズル径が一致しなくなるため、精度に影響が出たり、吐出不良などが起きてしまいます。

carbonfiber_filament_硬化銅ノズル_Creality K1

 

そこで摩耗に耐えられるようなノズルを使う必要があります。例えば「タングステンノズル」や「硬化銅ノズル」を使うのが一般的です。

 


② ノズル交換の手間がかかる

二つ目は「ノズル交換の手間がかかる」ことです。

 

デュアルエクストルーダーの3Dプリンターであれば、ノズルが2つある分、使い分けは比較的容易です。

carbonfiber_filament_Raise3D Pro3 highspeed

 

ところがシングルエクストルーダーの場合は、フィラメントは一つしかセットできません。そのためカーボンファイバーを使うたびに、先ほどご紹介したような耐摩耗性の高いノズルに交換する必要があります。

カーボンファイバーフィラメント_PLA_Creality K1

 

簡単に交換できる機種もありますが、多少なりとも手間がかかります。さらにノズル交換後は、キャリブレーションをし直す必要があるため、トータルすると20分から60分程度の作業時間がかかることが多いです。

カーボンファイバーフィラメント_PLA_Creality K1_ノズル交換の様子

 

Raise 3Pro3という業務用プリンターは、ノズルカートリッジを簡単に交換することができるので、手間を減らしたい方は良いかもしれません。

カーボンファイバーフィラメント_PLA_Raise3D Pro3のエクストルーダーカートリッジ

 

カーボンファイバーのメリット【3選】

カーボンファイバーのメリット」をご紹介いたします。

 


① 軽くて強度が高い

一つ目は「軽くて強度が高い」という点です。

 

例えばPLAフィラメントは、硬くて割れやすいといったデメリットがありますが、カーボンの成分が加わることによって強度を高める効果が期待できます。

 

カーボンの比強度は「鉄の約10倍」あると言われています。高い強度がありながら軽い素材ということになります。

 


② 反りにくい

二つ目は「反りにくい」という点です。

 

例えばナイロンフィラメントでプリントする際は、強い反りが問題になることがあります。それによってプリントに失敗してしまうこともありますが、カーボンを混ぜ込むことで、反りの影響を軽減させる効果が期待できます。

 


③ マットな仕上がりになる

三つ目は「マットな仕上がりになる」点です。

 

カーボンファイバーフィラメントを使ってプリントした作品は、マットで滑らかな積層に仕上がります。

カーボンファイバーフィラメント_PLA_0.1mm積層ピッチ

 

積層痕が目立ちにくくなるため、仕上がりがよく見えます。後加工をしたい場合はABSなどが良いですが、そうでない場合は、このまま試作品や治具に使うことも可能です。

カーボンファイバーフィラメント_PLA_0.1mmと0.2mm積層ピッチの比較

 

格安フィラメントを使ってみた結果

格安フィラメントを使ってみた結果」をご紹介いたします。

 


今回は、3,000円台で購入することができる「IEMAIのカーボンファイバーPLAフィラメント」でプリントしてみました。

 

PLAは80%、炭素繊維は20%含まれています。ノズルの温度帯は195度から220度ということでPLAとほぼ変わらない感じで使うことができそうです。

カーボンファイバーフィラメント_PLA_IEMAI

 

袋はちゃんとジップロックになっていました。チャックが付いていないフィラメントもありますので何気にありがたいです。

カーボンファイバーフィラメント_PLA_IEMAI_ジップロック

 

プリントしてみるとこんな感じで仕上がりました。Creality K1で、0.1mmの積層ピッチでプリントしています。積層部の模様もいい感じに表現されました。

 

0.1mmと0.2mmの積層ピッチを比べてみると、やはり層の滑らかさに違いがあります。0.1mmの方が滑らかです。

カーボンファイバーフィラメント_PLA_積層ピッチの違い

 

またEnder-3 S1でもプリントしてみました。条件を絞り切れていないのもありますが、糸引きが結構多くなってしまいました。この場合はニッパーで糸引きをカットする必要があります。

カーボンファイバーフィラメント_PLA_糸引き

 

Creality K1の方は、サイドファンモデル(補助)ファン、ケースファンを多く動作させるようにしました。理由としては、熱による影響でノズル詰まりがあったというのと、糸引き対策のためです。スライサーソフトはCreality Printを使用しました。

 

 

カーボンファイバーはこんな人におすすめ

カーボンファイバーは、こんな人におすすめ」を解説いたします。

 


① 強度が欲しい場合

現在PLAを使っているけど「割れ・変形してしまう」「もう少し強度や剛性が欲しい場合」などにおすすめです。PLAと温度帯が近いので、似た感覚で強度を高める効果が期待できます。

 


② 層を滑らかにしたい場合

積層痕が目立ってしまうのを何とかしたい場合が、当てはまります。0.1mmピッチのプリントに成功すると積層を滑らかに仕上げることができます。ただしこの辺りは、「設計したモデル」や「使用するプリンターの性能」によっても大きく左右されます。

カーボンファイバーフィラメント_PLA_積層ピッチの違い

 


③ 3Dプリント経験がある方

糸引きが起きやすかったので、設定値や機械によっては調整が必要かもしれません。PLAなどのプリント経験が一通りあった方がいいです。

 

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3Dプリンターを、どれにするか迷っていませんか?

 

 Ender-3 V3 SEは、FDMをこれから始める方にはおすすめできる3Dプリンターです。