取り扱いやすくて、性能の高い材料に「PETGフィラメント」があります。
そこで今回は、PETGの特性を整理するとともに、実際にプリントしてみた結果をご紹介していこうと思います。
Creality K1/K1 MAXについて
この後ご紹介しますが、この価格では考えられない機能が盛り込まれています。
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PETGフィラメントについて解説
PETGとは、「ポリエチレンテレフタレートとグリコール」の略です。
ペットボトルに使われる材料にペットがありますが、それよりも強度や耐熱性に優れています。また、ペットはPETGよりも柔らかい特性があるので、用途によって使い分けられます。
PETGは、「PLAとABSの良い性質を兼ね備えた樹脂」です。やや定着しにくいという点はありますが、反りが少なくて失敗しにくいというところはPLAに似ています。
また耐熱性があるため、PLAよりも実用性が高いという側面があります。つまり、PETGは作りやすくて熱に強いためPLAやABSのいいところを兼ね備えたフィラメントということになります。
ここで参考程度ですが、ビカット軟化温度をご説明いたします。ビカット軟化温度とは「樹脂の試験片に針を押し当てて1mmの深さまで入った際の温度」のことです。
つまり、「この温度が高ければ熱による影響を受けにくい」ということになります。
例えば、各樹脂の温度帯は以下の通りです↓
樹脂名 | ビカット軟化温度 |
PLA | 60℃~70℃ |
PETG | 80℃~90℃ |
ABS・ASA | 100℃~110℃ |
PA(ナイロン) | 160℃~ |
PETGは、PLAよりも20℃ほど温度帯が高いため、熱の影響をやや受けにくいと言えます。
PETGフィラメントのデメリットについて
① 糸引きが起きやすい
1つ目は「糸引きが起きやすい樹脂」です。
糸引きは、ファンやリトラクト調整、ノズルの温度で、ある程度軽減する効果を期待できます。
また、造形モデルの形状や使うプリンターの機種、フィラメントによっては症状の程度が変わってきます。
個人的な感想で言うと、最近の3Dプリンターやフィラメントは、糸引きが起きにくくなっている印象があります。
② 定着しにくい
2つ目は「定着しにくい点」です。
プラットフォームの材質にもよりますが、定着しにくいこともあります。糊(のり)を使ったり、プラットフォームシートを選定するなどの対策が必要な場合があります。
③ 耐候性が低い
3つ目は「耐候性が低い点」です。
日の光や雨風によって、影響を受けやすい傾向にあります。すると、樹脂が劣化してしまい強度が著しく低下したり、変色したりします。
造形物を屋外で使う場合、PLAよりも耐熱の高いPETGを選ぶこともありますが、耐候性が低いため、結果的に使えなかったというケースも考えられます。
他にも耐候性の高い樹脂は、ASAなどがありますので、検討するのも良いと思います。
PETGフィラメントのメリットについて
① ビカット軟化温度が高い
1つ目は、「ビカット軟化温度が高い」点です。
PLAよりも、もう少し耐熱性が欲しいという場合に適しています。
ですが、ABS、PC(ポリカーボネート)やPA(ナイロン)ほど高くはありませんので、過度な期待には注意が必要です。
② 耐衝撃性が高い
2つ目は「耐衝撃性が高い」点です。
耐衝撃性とは「外部から受けた力に耐えられる度合い」です。また、靱性とは「樹脂の粘りの強さの度合い」です。
これらはPLAよりも高いため、割れにくく衝撃に強いという特徴があります。
③ 透明性が高い
3つ目は透明性が高い点です。
ペットのように透明性が高いフィラメントを取り扱うことができるので、ABSやPLAとは少し違った感じで仕上げることができます。
ただし、完全に透明でクリアにすることは難しいです。例えば、ランプシェードのような淡い光を表現するには良さそうです。
実際にプリントしてみた結果①【PolyMax】
ちなみにPolymakerさんの試験比較表では、PolyLite PETGよりも対衝撃性が高い性能を持っているようです。
フィラメントは、こんな感じのアルミっぽい袋に入っていました。中身は見えませんが、PETGは耐候性が低いので、日光から守るための対策かもしれません。
今回はCreality K1を使って、そこそこのスピードでプリントしていきます。参考程度ですが、MVSは18mm3/sで、押し出し幅は0.4mmでプリントしています。積層ピッチは0.1mmもしくは0.2mmなので、225mm/sから450mm/sとなります。
また、ノズルは真鍮ではなく、硬化鋼ノズルを使用しています。
ノズルへの熱の伝わりが早く、高流量に耐える効果を見込んでいます。ですが真鍮製ノズルでも問題ないかと思います。
初回のプリントでは、プラットフォームに糊を塗らずにプリントしましたが、定着してくれませんでした。
その後、Creality K1の付属のノリを使ってみましたが、それでも少し弱いです。続いて、シワなしピットを使ってみると、かなり安定しました。
それでは、プリントしたものを見ていきます。左側が0.2mmピッチで、右側が0.1mmピッチでプリントしたものです↓積層の感じはそこまで差がないかなという印象です。
また試しに、サイドファンとモデルファンをオフにした状態でプリントしてみました。すると3Dベンチのオーバーハング部分はかなり荒れてしまいました。
こうやって見るとやっぱりファンの効果は大切だと感じます。
また一方で、オーバーハングがないモデルであれば、そこまで大きな影響は受けませんでした↓
Creality K1は冷却の性能が高いので、綺麗に仕上がりやすい気がします。もっと糸引きが起きるかなと思っていましたが、そこまでではありませんでした。
実際にプリントしてみた結果②【eSUN】
eSUNのPETGフィラメントは安価に購入することができます。個人的には失敗も少ない気がしていて、他の樹脂でも使っています。
ですが、パッケージがジップロックでなかったのが少し残念です。
先ほどと同じモデルで、積層ピッチ0.1mmでプリントしました。オーバーハング部も綺麗に表現されています。
色の具合で少し見づらいですが、こちらの容器の積層部の模様も綺麗に表現されています。
試しに壁を1枚だけのモデルをプリントしてみると、素材が柔らかいので、ペットボトルのように変形させることができます。
壁が薄いので中身が透けてみることができます。ランプを入れれば綺麗な照明ができそうです。
今回は2つのフィラメントを試しましたが、思ったより糸引きが少なく、定着もなんとかなり、特別な問題になるような感じはありませんでした。
今回使用した3Dプリンター【Creality K1】
① 特別サポート内容
① 営業時間内におけるサンプル出力までの丁寧なメールサポート
② 初期不良時の無償交換(商品発送後1か月以内)
③ 1年以内の無償修理(SK本舗専門保守チームが対応)
④ SK本舗特製3Dプリンターガイド冊子をプレゼント!!(30ページ以上の大ボリューム)
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