本記事では、以下のことが分かります。
・ Creality K1Cでカーボンを試した感じ
・ サポートを建ててみた感じ
今回使う3つのカーボンフィラメント
① IEMAI PLA-CF
まず1つ目は、「IEMAIのカーボンファイバーPLA」です。
PLAベースで、80%がポリ乳酸、20%がカーボンファイバーという配合比率のフィラメントです。
カーボンファイバーは、0.6mm以上のノズル系が推奨されますが、今回は全てK1Cの、0.4mm標準ノズルで使っていきます。
② Polymaker PA6-CF
2つ目は、PolymakerさんのPA6-CFです。値段はやや高めで500gで8000円前後します。
ナイロンベースのカーボンフィラメントで、PLAよりも強度や対衝撃性、耐熱性に優れた樹脂です。
プリント中のノズル温度は280℃から300℃が推奨されていて、かなり高温です。
またナイロンは、吸湿しやすいので、フィラメント乾燥器を使って防湿するようにしましょう。
③ Creality Hyper PLA-CF
3つ目は、高速プリント用の「Creality Hyper PLA-CF」です。
Creality Hyper PLAが販売されていますが、そのカーボンファイバー版ですね。最大300mm/sまで対応しています。
こんな感じで以上の、3つのフィラメントを使ってみます。
・ Polymaker PA6-CF
・ Creality Hyper PLA-CF
また冒頭でもお伝えしましたが、プリンターはCreality K1Cを使います。
プリンターの詳しい情報は、別の記事にまとめていますので、そちらも参考にしてください↓
関連記事:【Creality K1C】メリット・特徴はこれ!
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それぞれプリントしてみた結果
① IEMAI PLA-CF
まずはIEMAIカーボンPLAです。あまり言うことがないくらい、いい感じに仕上がっています。光沢感はあまりなくマットな仕上がりです。積層痕も目立たないです。
基本的にPLAカーボンは、PLAに近い感じなので、失敗が少なくて、とてもいいですね。
② Polymaker PA6-CF
続いてナイロンベースのPA6-CFです。PLA-CFと比べて光沢感は、抑えられています。手で触ってみると「ガサガサ感」がありました。
ちょっと糸引きもしています。すでに吸出していたのかもしれません。ナイロン系フィラメントは、使う前に乾燥器に入れてから使うことを、お勧めします。
また最初にナイロンでプリントした時、スパゲティ状態になってしまいました。プラットフォームへの定着性が良くなくて、剥がれてしまいました。
やっぱり、ちょっと癖が強いですね。
今回は、このようなナイロン用ののりを使ったところ、問題なく定着してくれました。
こののりは、値段が高いのが難点ですが、ナイロンをしっかりやりたいという方にはいいと思います。
③ Creality Hyper PLA-CF
続いてHyper PLA-CFです。300mm/sでプリントしましたが、綺麗にプリントできています。プリント速度の影響は、あまりないように感じます。
Hyper PLA-CFで、植木鉢も作ってみました。結構大きめでしたが、およそ7時間ぐらいで完成しました。はやいですよね。
早くプリントできて、PLAよりも強度や対衝撃性が優れているのは、とてもいいです。
通常のPLAでも一回り小さいものも作ってみました。こちらはマットフィラメントではないので、光沢感が強めに出ています。
積層ピッチを変えて、比較した結果!
船のモデルを見比べてみます。まずはオーソドックスな0.2mm。積層もキレイですね。
続いて0.3mm。オーバーハング部の積層が、ちょっと粗いです。押し出しの調整が必要かもしれません。
続いて0.1mm。やっぱり解像度が上がって、0.2mm以上に滑らかです。
並べてみるとこんな感じです。左が0.1mm、真ん中が0.2mm、右が0.3mmの積層ピッチです。
こんな感じで、カーボンファイバーでも積層ピッチの値は、影響するようです。0.1mmピッチは、1時間くらいプリントに時間がかかりましたが、早くできるのはメリットですね。
マニュホールド形状です↓。3D Benchyほどではありませんが、よく見ると違いがあります。0.3mmでも問題ないほど綺麗にできています。
普通のPLAと比較してみた結果!
まずは0.3mmの積層ピッチです。左が普通のPLAで、右が Hyper PLA-CFです。カーボンの方は、積層がやや崩れていますが、PLAはキレイです。層の密着具合に、差があるかもしれません。
続いて0.2mmピッチです。光沢の違いがあるくらいで、あまり違いはありませんでした。
続いて0.1mmピッチです。他のピッチと比べて、光沢感の差があるように見えます。PLAが光沢感が強く、カーボンがマットな感じです。
サポートを建ててプリントしてみた結果!
ここでは、IEMAIカーボンPLAを使いました。過去に剥がしにくかった経験があったんで、リベンジです。
Creality Printのパラメーターは、初期設定でやってみます。「Support Top Distance(モデルとサポート部の隙間の間隔)」は、初期値の0.2mmとなっています。
またルーフっていう「サポートのトップ面の密度」を変えることもできます。
ルーフは、「サポート部の上面層の密度のこと」で、密度を上げると、その上のモデル部の仕上がりが良くなります。つまりは、モデルに接する部分だけはスカスカよりも、ミッチリ詰まってる方が、安定するよっていう具合です。
ただミッチリしすぎると、モデルにガッチリとくっついてしまうので、程よい感じに設定しておく必要があります。
それでは試しにサポートを剥がしていきます。うーん、かなり剥がしにくいですね。精密ニッパーを使っているんですが、それでも厳しいです。取れる気がしないので諦めます。
そこでさっき説明した「モデルとサポート部の隙間」をもっと広げてみます。設定で「Support Top Distance」という数値を0.2mmから0.4mmに、変更してみます。
で、モデルは変わっちゃうんですが、難しめの形状でプリントしました。
パキパキッと取れて、いい感じです。取った面は、まあまあ綺麗という感じですね。